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「世界で店舗数1万店・売上高1兆円」を目指すDAISO 矢野 靖二社長が語る成長戦略

100円ショップ業界のなかでも売上高5,891億円(2023年2月末現在)、店舗数世界5,350店舗(うち国内4,360店舗、2023年12月末現在)と群を抜く大創産業。近年はDAISO(以下、ダイソー)のみならず世界観の異なる新ブランド「Standard Products」や「THREEPPY」を展開し順調な歩みを見せる。しかし6年前、現社長の矢野靖二氏が社長に就任したときには、問題山積状態からのスタートだったという。この数年で社内ではどのような改革がもたらされたのか。今後さらなる成長を目指すための戦略とは。社長の矢野靖二氏に聞く。(聞き手/月刊MD主幹 日野 眞克)


社長就任直後にした「用語の統一」

─2018年3月、お父様から社長を引き継がれました。就任してからこれまで、どのような方針で経営をなさってらっしゃったのでしょうか。

矢野 私が入社するまでは、計画も方針も予算もない状態でしたので、まずは社内で目線合わせをするところからのスタートでした。使う言葉も、考え方もバラバラで、会社のロゴすら色や形が違うたくさんの種類のものが使われていました。

会社のビジョンもなかったので、まずはビジョンを打ち立てて、明文化するところから着手しました。そのときにつくった社是が「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える〜感動価格・感動品質〜」というものです。

─20年以上前にお父様(前社長・矢野博丈氏、2024年2月に逝去)に取材したときに、「予算なんて立てていないよ」と言われたのを覚えています。

矢野 当時は1日2店舗オープンするような勢いでしたからね。予算を組んでいたら、そんなスピード出店はできませんでした。当時はそれでよかったのでしょうが、売上高4,000億円以上の規模になったときに、それではまずいということになり、いまではしっかり予実管理をしています。2030年には世界で売上1兆円、1万店舗出店という目標を掲げています。

─100円ショップ市場のなかで、御社と他社との差別化要素はなんでしょうか。

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