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インプットとアウトプットが月刊MDの歴史である


月刊MDのおかげで新しい情報を得ることができた

10月16日に『月刊マーチャンダイジング(MD)』25周年記念式典を開催しました。500人を超える業界関係者にご列席頂きました。悪く表現すると「自画自賛の会」なので、25周年式典を開催すべきかどうかは悩みました。

しかし、四半世紀も続いたことは奇跡的な出来事なので、式典を企画することを決めて、無事に開催することができました。式典の開催に御協力いただいたメーカー、卸売業の有志で構成する「実行委員会」の皆様には深く感謝いたします。

式典には月刊MDを通して「つながっている」多くのドラッグストア、メーカー、卸売業、IT企業の経営者、幹部が一堂に会しました。「これだけ多くの経営トップが集まる機会は初めて経験した。楽しかった」と多くの出席者の皆様に喜んでいただけたことが、何よりも嬉しいと感じた一日でした。

また、式典の「発起人」の皆様を初めとする約35人の経営者・幹部の方に、「私と月刊MD」というテーマで寄稿文を書いていただき、当日の出席者に配布させていただきました(この寄稿文は、当社が運営する無料サイトの「MD NEXT」で順次掲載しています)。

その寄稿文の内容が、単なる「お祝いの言葉」ではなくて、「月刊MDからどんな影響を受けたか」という実体験を、経営トップの皆様のリアルな言葉で書いていただきました。

その寄稿文を読むと、25年間にわたり月刊誌を発行し続けたことで、多くの読者の皆様に、大きな影響を与えてきたのだということが実感でき、個人で始めた月刊MDを発行日が1日たりとも遅れることなく継続して良かったと思うことができました。

1997年の創刊から5年くらいまでは、月刊MDを発行したことを後悔していました。毎月かならずかかる印刷費、デザイン費、郵送料の負担は重く、「なんで雑誌なんか始めたんだろう」とブツブツとぼやく日々でした。

しかし、月刊MDを継続してきた価値は、「強制的に新しい情報をインプットし続けた」ことだったと思います。

私のような怠け者でも、月刊誌を発行するためには、毎号新しい事例を取材し、新しい情報収集に挑戦しなければ、雑誌を発行し続けることができなかったからです。毎月強制的にインプットとアウトプットを繰り返してきたことが、月刊MDが多くの読者の皆様に「良い影響を与えることができた原点」であったと思います。

最近もDX(デジタルトランスフォーメーション)の記事や情報を掲載し、なんとかDXの最前線についていけているのも新しい情報をインプットし続けたからです。新しい情報を「インプット」し、「アウトプット」し、「アップデート」することができたのは月刊MDのおかげだったと、最近は月刊MDに感謝しています。

右肩下がり時代の経営戦略を提唱した

月刊MDが創刊時から提唱して、多くの読者の皆様に影響を与えたことのひとつが「ROA主義」です。月刊MDが創刊した1997年は日本の小売業の総販売額が約147兆円とピークを迎えた年でした。1997年までは右肩上がり時代に成長してきた小売業が、右肩下がり、オーバーストアになった頃にドラッグストアは奇跡的な成長を始めています。

ドラッグストアが成長軌道に乗る前の1970~80年代は「売上至上主義」であり、ダイエーの創業者の中内㓛氏が口癖のように言っていた「売上がすべてを癒す」という経営の考え方が主流でした。

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