見出し画像

【富士パール食品 平田 都芳社長インタビュー】ゲンキー、1万店達成に向けた精肉・青果戦略とは

富士パール食品はゲンキーの製造子会社として2019年9月に設立、同時に建設された岐阜県安八町のプロセスセンター(PC)で精肉加工、米飯、総菜の製造を手掛けゲンキーへ配荷している。小商圏内で生活必需品を低価格、EDLP(毎日低価格)販売することで着実に売上高、地域シェアを高めるゲンキーのビジネスモデルの重要な役割を果たしている。富士パール食品代表取締役社長でゲンキーの執行役員も務める平田都芳氏に両社の成長戦略について聞いた。
(聞き手/月刊マーチャンダイジング編集長 野間口 司郎)


既存店売上高が好調EDLP効果で固定客増加

—コロナ特需の反動減で業績を落としているドラッグストア(DgS)が多いなか、ゲンキーの既存店月次売上高を見ると、2021年3月、4月、5月は前年比減となりましたがほかの月は好調です。食品の役割が果たすところは大きいでしょうか。

▲[図表1]ゲンキーと富士パール食品との関係

平田 ゲンキーは2019年8月から、低価格訴求のEDLP戦略を本格的に始動しました。2020年になりこの効果が表れてきたころにちょうどコロナ禍が始まり、これによる特需とが重なって、純粋にEDLPの効果が見えづらくなっていました。

コロナ禍も一巡して2021年の月次売上高の前年比でいうと3月は前年の衛生用品を中心とするコロナ特需の反動、4月、5月は食品の売上も特需となり、その反動で2021年は前年比減となりました。しかし6月からは安定的に前年比増となり、11月に至るまで平均するとDgS企業のなかでは既存店売上高の前年比はもっとも伸びています。

▲[図表2]ゲンキー月次売上高前期比推移

3ヵ月に1回は競合店の価格調査を行い自社の売価を見直し、微調整しています。もちろん食品もそうですが、医薬品、化粧品、雑貨すべての部門のEDLPがお客さまに浸透し、着実に固定客が増えていることが好調の原因だとおもいます。

—生鮮食品を本格的に導入されています。

平田 2017年に300坪タイプの標準店(R店)に改装し、基本全店に生鮮食品を導入しました。客数が上がって商品回転率も上がると、青果を中心に在庫期間が短くなり鮮度が上がっています。新店立ち上げでは精肉の在庫量を思い切って増やしていますが、それが地域一番値になりお客さまの支持を得て回転が速くなり、鮮度も上がるという好循環が生まれています。

在庫は増やしますが、アイテムは普段使いのものを中心に絞り込んでいます。

ここから先は

7,276字 / 15画像

¥ 1,000

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?