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山形県米沢地区激戦レポ!!/少子高齢化、人口減エリアのDgS!「超・小商圏化に備えた売場づくり」

山形県の2022年の高齢化率(65歳以上人口の割合)は34.8%(全国5位/全国29.1%)、人口減少率(対2021年比)は1.31%(同4位/全国0.44%)、高齢化と人口減少が同時進行するエリアで日本の近未来の姿でもある。

大手DgSの出店状況を見ると、ツルハ99店舗(うち調剤併設店舗25)、薬王堂43店舗(同0)、ウエルシア25店舗(同17)、クスリのアオキ8店舗(同8)、となっている。クスリのアオキは中期経営計画の中でエリア拡大よりドミナント出店強化を掲げており、進出エリアである山形県の出店も一層強化することが予想される。

関東のドミナント化を強化中のコスモス薬品も関東で一定の出店を果たせば次は東北へと商勢圏を伸ばすだろう。迎え撃つツルハ、薬王堂、ウエルシアも出店強化でドミナント確保に動くと見られる。

東北地方、そして山形県はDgSに限って言えば、人口減少と反比例して店舗数は増加し商圏人口は極限にまで減る「超・小商圏化」が到来しつつある。これは、北陸、四国、九州などの各地方でも起こりつつある現象だ。

本稿では、超小商圏化に突入した山形県米沢市の4つのDgSの調査を通して、人口が減少し、高齢者が増える地域で支持され勝ち残る店づくりを考える。(月刊MD編集長 野間口 司郎)


▲都道府県別人口減少率ランキング(2020年10月1日対2023年10月1日比)
▲DgS出店・退店状況(2023年期末店舗数順)

[ウエルシア] ヘルスケアと食品充実 買い回りを重視したレイアウト

図表1はウエルシア米沢中央5丁目店の売場レイアウトである。売場面積は約250坪、通路数は15、最大ゴンドラ連結は15本(壁面ゴンドラ除く、以下同)、陳列線を短くして横長にすることでカテゴリー間の買い回りはしやすい。主通路幅は約180cm、ゴンドラ間通路の幅は約120cmで高齢者でも買物しやすいスペースを取っている。

化粧品、日用雑貨、食品では中通路を設け、回遊性を高めている。入口に設置された菓子や餅のプロモーション売場は、店舗の賑わいを演出することに加え、客足をヘアケアからオーラルケア、食品売場へと続く主通路へと誘導する役割も果たしている。

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