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[ゲンキー社長 藤永氏インタビュー]EDLPに完全転換で、既存店の客数が大幅伸長したゲンキー

完全に標準化された300坪レギュラー店(通称R店)を中部エリアに417店舗展開するゲンキー(4月11日現在)。最近は既存店の客数が着実に伸びており、ニューフォーマットとして地域消費者の高い支持を得ている。ドラッグストア(DgS)の創業経営者としてはもっとも年齢が若い藤永賢一氏(1962年10月20日生まれ、61歳)にゲンキー躍進の秘密を聞いた。
(聞き手/月刊MD主幹 日野 眞克)


第2四半期の既存店の客数が前期比4.6%増と非常に高い

─2024年6月決算の第1四半期の既存店売上高が前期比7.6%増、第2四半期は前期比6.6%増と好調でした。とくに既存店の客数が第1四半期4.7%増、第2四半期4.6%増と絶好調で、消費者の支持率の高さが客数の伸びに表れていますね。

藤永 1品単価が上がって、買上点数が減る状況の中、客数が着実に増えていることは良い傾向だと思います。客単価(1品単価×買上点数)はコントロールし難い数値ですので、客数の伸びがお客様の支持のバロメーターであると常日頃から重要視しています。

客数が増えた要因は、2019年にハイ&ロー(短期特価特売)をすべてやめて、完全なEDLP(エブリデーロープライス)政策に転換したことが大きかったと思います。

ハイ&ローをやめた当初は売上が10%くらい落ちた時期がありましたが、じわじわと客数が増えていき、EDLPが定着して地域のお客様に支持されたことが客数の伸びにつながっていると思います。

現在は、価格販促が目的ではない商品紹介のチラシを、四半期に1回配布しているだけです。

新聞の購読者が減り、チラシによるハイ&ローの効果が目減りしていますから、特売よりも定番で商品を買うという購買行動が増えていることも、客数の増加につながっていると思います。

─継続的な改善活動も客数増の要因ですね。

藤永 EDLP政策だけではなくて、品質や鮮度を上げるために「細部のPDCA」を繰り返すことで、じわじわと客数は増えていきました。

EDLP政策を徹底することは、さまざまな改革を断行するための修業の場だったと思います。

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