1/21 中国の新型コロナ状況&春節休み間近、上海での対策概要

1/21 発表 1/20 0〜24時の中国大陸新規感染者。
◉市中感染確定例126(黒竜江68例 吉林33 河北20 北京2 山西2 山東1)
◉海外輸入確定例18(上海9 天津5 北京1 湖北1 広東1 広西1)
◉市中無症状感染者97
◉海外輸入無症状感染者16

http://wenhui.whb.cn/zhuzhanapp/ztqfkxxgzbdfyyq/20210121/389127.html

当初大変だった河北省ですが、かなり減ってきました。黒竜江省もまだ数は多いですが、確定例も無症状感染者もほぼすでに集中隔離されている人から。このように、隔離された人から確定例や無症状感染者が出るようになってきたらよい傾向です。

今日は。1/21に確認された上海の市中感染例関連の情報です。

◆上海関連の情報

 我々の医療関係者の間では、1/20夜には復旦大学附属腫瘤医院でPCR陽性例が出たという情報は出ていて、最終結果判断待ちでした。そして、1/21 未明には、仁済医院西院区(山東中路145号)と腫瘤医院徐匯院(東安路270号)が外来が停止されるという発表が出ました。さらに、1/22の午後2時頃には市政府による記者会見が行われ、以下の一連の情報が発表されました。スピード感のある対応が印象的でした。

 なお、上海市腫瘤医院は、上海市で有名な癌治療の専門病院。放射線治療や化学療法中の患者に対しては、同医院の浦東院で対応することになりましたが、治療開始1週間前以内に浦東医院でのPCR検査陰性が必要とのことです。入院患者については引き続き入院治療されます。

【3例の市中感染例】

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① 男56歳、1/20午後3時、復旦大学附属腫瘤医院で外注業者への定期PCR検査で10例プール検査で発見。1/21 未明この患者の検体をCDCで再確認して確定例普通型。
② 男53歳、①と同じ住宅地で近所。上海交通大学医学院附属仁済医院に病院関係への定例PCR検査で10例プール検査で発覚。1/21 未明にこの患者の検体をCDCの追跡調査で再確認し確定例普通型。
③女48歳 、①の友達。1/21未明、濃厚接触者として検査、PCR陽性。確定例普通型。

 ここでも、病院関係者に対しての定期的なPCR検査は重要であることが分かります。中国ではリスクある業種への定期的なPCR検査はかなり一般化してきました。

【上海市でのPCR検査状況】

 上海市は市内126箇所、1日最大72.8万件のPCR検査が行えるように整備済み。また場所は上海市のAPPからも検索できます。日常的な検査や、春節帰省者への検査も実施されています。今回のケースでも、1/20に陽性疑いの患者が確認されて、夜を徹しての検査が行われました。

 濃厚接触者71例のうち31例陰性、2次濃厚接触者78例のうち25例陰性。他結果待ち。24時間後に再検査。関係者14,411人のPCR検査のうち、10,971人陰性、他結果待ち。環境のPCR検査では661箇所のうち4箇所で陽性反応。すべて患者①と関連あり。140箇所陰性、その他は結果待ち。

【上海黄浦区に1箇所の中リスクエリア】

 1/21に上海市に1箇所の中リスクエリアが設置されました。黄浦区昭通路区(福州路以南)で、仁済医院西院区(山東中路145号)を中心にぐるりと囲まれたエリアです。その結果、私のスマホの行程記録にも注が追記されました。つまり、中リスクエリアのある上海市に居ましたよ、ということです。

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【上海市黄浦区の中リスクエリアにおける対策】

①各世帯の人数確認、エリアから外出禁止、順にPCR検査。②住宅構造が2級以下なので、順に住民を隔離ホテルへ移す。③隔離ホテルで2週間の健康管理。1日2回検温、12日後に再度PCR検査。④持病などで治療が必要な人は病院へ移送。
https://view.inews.qq.com/a/20210121A06XG000?uid=&shareto=moments&devid=D0F54E32-FFF9-4A8F-ADD4-D6BEA5CC04B5&qimei=ffc2711eb7857083e6b432d0000010a1510d…

 今回、中リスクエリアの住環境などを考慮して、単なる自宅隔離ではなく、住民を隔離ホテルに移す政策が採られました。隔離される人はPCR陰性で健康観察が必要とされる人たち。新しい試みと言えます。陽性であれば、全て金山区にある上海市公共衛生臨床中心に搬送されます。

【学校関係への対応】

 1/21感染者が3例出た上海市。明日22日の登校日を中止し、小学校〜高校は春節休み中の1/22〜2/21までの1ヶ月間に。上海市教育委員会が急きょ決定。また春節休み期間中は市外へ旅行に行かず、対面式の塾類に参加しないように。上海市出るとき学校へ事前登録必須。これに関しての細則が発表されています。

 もしやむを得ず上海を離れる場合は、担任に行程・路線・経由点・上海に戻る時間を報告。学校が始まる14日前に上海へ戻る。14日前に戻れない場合は、7日以内有効のPCR検査必要。また中高リスクエリアへ行った場合は、上海で14日間の隔離とPCR検査2回。もし家族が出張等で上海を離れた場合も、学校のクラス担任に行程等を報告する必要があるとか。

 ひえ〜、これは厳しい。要は、春節休み期間中の1ヶ月間は旅行に行くな!上海に留まれ!というわけですね。

 春節の海外旅行?あり得ない、あり得ない。

 訪日旅行なんてもっとあり得ません。

【老人ホーム関係】

 1/21から上海市民政局は、老人ホームへ家族などが見舞いに行くのを禁止にしました。特別な理由で訪問する理由がある場合は、PCR検査が必要です。老人ホーム職員への定期的なPCR検査、ワクチン接種も適宜進めていくとのことです。

 また、高齢者への訪問介護サービスに関しては、家族と話し合って、一時的に止めることもあり得るとのことです。ただ、どうしても介護が必要な場合は、継続して介護が受けられるとのこと。

 政府の記者会見では、上海市の新型コロナ治療チームのリーダー張文宏教授からの力強いメッセージがありました。

 「上海で市中感染者が出てくるのは決して不思議ではなく、ポイントは感染者が出たときにすぐに行動を起こせるかどうか。ウイルスとの戦いはまさにスピードとの勝負。検査すべき人たちは徹底的に検査、すぐに処置する方針。上海に対して自信ある。安心して春節を迎えられるようにする。」

 上海市ではこれから数週間での解決を目指します。

  

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