1/7発表の河北省の新型コロナ対策

1/7発表 1/6中国大陸。
◉市中感染確定例52(河北51 遼寧1)
◉海外輸入確定例11(上海5 河北2 広東2 陝西2)

◉市中無症状感染者71
◉海外輸入無症状感染者8

 今日の発表では、北京も黒竜江省も市中確定例を出しておらず、北京市に関しては、市当局も局所的なクラスターの発生はとりあえずコントロールできたとコメントを発表しています。一方で、遼寧省では瀋陽で1例の市中感染者と1例の市中無症状感染者となっています。この無症状感染者1例は確定例の濃厚接触者でしたが、1例の市中感染者は12/24に発熱し、12/25、12/29、1/1のPCR検査は陰性、発熱外来を点々として点滴を受けており、1/5になってPCR検査陽性。このような市中感染者が出ている間は、まだまだ予断を許さない状況だと思います。

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 なお、河北省の51例の市中感染者のうち、石家庄市が50例、邢台市が1例、市中無症状感染者71例のうち、67例は石家庄市から、2例は邢台市からとなっています。ここから分かるように、石家庄市の状況が非常に厳しい状態であることが分かります。そのため、この両市では現在、全市民約1,800万人を対象としたPCR検査が行われています。

 そして、河北省で新たに発見された51例に関しては、過去の行動の概要がメディアにも公開されています。51例は多すぎるのでとてもここでは紹介できませんが、追跡調査はいつも迅速で驚かされます。

 これを読んでいると、小果庄村では、毎週定期的に「活動」が行われていて、そこの参加者が多いのですが、報道ではこの村では水曜日・金曜日・日曜日に宗教活動が行われているようで、高齢者を中心に参加者が多いみたいです。

 それ以外にも石家庄市の1/6までの確定例83例のうち、16例は結婚式に参加しており、このうち5例は機場北路のレストランで行われた結婚式に参加して感染しています。結婚式クラスターはここでも発生していました。ちょうど年末年始の連休もあり、そうした結婚式などで会食のチャンスも多かったものと思われます。それが、感染者の増加を助長させたのでしょう。

 さて、そういった背景から、石家庄では1/7に様々な対策を打ち出し、即日実行させています。

◉河北省石家庄藁城区の役人3人を処分

 どうやら、1/3にPCR検査陽性だった村民が、言うことを聞かずに村の外にでてしまったことと関係があるみたいです。

◉石家庄市では現在、全市民対象のPCR検査を行っており、市内の全ての人・クルマは市外に出てはならないとの通知。また高リスクエリアの同市藁城区では、区の外は出られず、中リスクエリアの人も厳格な管理体制なり、同時にエリア内での人の動きも大きく減らされることになります。

◉今後増えてくる感染者に対応するため、石家庄市では市第五医院の入院患者を全て転院させて新型コロナ専門病院にすることを決定しました。また、河北省胸科医院、石家庄市人民医院、石家庄市三院の3箇所を予備の新型コロナ対応病院に指定しました。

◉石家庄市の全市民PCR検査の進捗状況ですが、1/7の12時現在で610万9,685人の検体が採取され、241万6,695人の結果が出て来て、11人の陽性が確認されたとのこと。このうち、高リスクエリアである藁城区では、すでに67万37,687人全員のPCR検査を終え、増村鎮では2回目のPCR検査完了し、さらに3回目のPCR検査に入っています。

◉石家庄の鉄道駅では、乗車券の発売を停止し、払い戻しを行っています。1/6〜1/8まで長距離バスは運行停止しており、高速道路も交通規制されていますので、石家庄から出る交通手段は飛行機になります。ただ、搭乗には72時間以内有効のPCR検査陰性証明が必要になります。

◉物流に関しては、生活に必要な物資の流通のため、市が発行している通行証で、市外に出られることになっています。そのため、市の防疫指揮本部に申請しなければなりません。なお許可を受けた車両は、指定された時間・ルートを通り、1台につき2人まで登録できるとのこと。また、検査があるため、検査合格後通行が許されるとのことです。軍・警察・救急車・消防・郵便・ゴミ収集車・防疫に関わる公用車などは乗員の身分証に問題がなければ、検温後通行可能です。

河北省では現在、確定+無症状をあわせて234人でていますが、これぐらい厳格にしないと、新型コロナをコントロールするのが難しいというのがよく分かるかと思います。少しぐらい感染者がいても大丈夫というレベルではないのです。

 なぜなら、中国では、武漢の苦い教訓から、一人でも感染者がおれば、次々と感染者を増やしてしまうことが十分に認識されているからだと思います。


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