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2/6 新型コロナの中国の状況&上海関連情報&シノバックのワクチンが中国でも条件付き批准へ

 中国が色々と積極的にコロナ対策が出来るのは、マンパワーが多いからというのは、とく言われる理由ですが、もう一つ大事な要素に、ボランティア(志願者)の活躍も忘れてはいけません。隔離中の住民の生活サポートに、緊急時には志願者と書いたベストを着たスタッフが沢山登場します。外国人の住民でも、志願者に登録されている方も少なくありません。

 そして、忘れてはならないのは、いわゆる「党員」の存在。中国で「党員」というと、共産党員を指しますが、彼らの存在は日本からではなかなか理解が難しいかもしれません。日本での「○×党の党員です!」というのとちょっとニュアンスが違うからです。例えば、私のマンションにも党員の方が多数住んで居られるます。色々なボランティア活動やいわゆる自治会的な活動を熱心にしてくださるので、住民の一人として大変助かっています。今回の新型コロナでも、隔離中の住民サービスに様々なサポートが必要ですが、党員や志願者の存在がとても重要な役割を果たしているのです。

 因みに、私の義父や叔父も共産党員。

 中国暮らしでは、とても身近な存在です。

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【2/5 発表 2/4 0〜24時の中国大陸新規感染者状況】

◉市中感染確定例4(黒竜江3 吉林1)
◉海外輸入確定例8(上海5 天津1 広東1 陝西1)
◉市中無症状感染者1
◉海外輸入無症状感染者9

◉治療中の確定例1,235
◉治療中の無症状感染者733
◉隔離中の濃厚接触者32,244

 現在、無症状感染者を足すと、中国には感染者が2,000人ほどおられることになります。濃厚接触者で隔離されている人も3万人以上います。とはいえ、2/4の1日の新規の市中感染者は確定例4人、無症状感染者1人とかなり減ってきたことが分かります。あとは、治療中の感染者・隔離中の濃厚接触者がいつ解消されるかですね。もう少し時間がかかりそうです。

 よく、海外輸入例があるのに、中国国内でのコントロールしても、結局また増えるのでは?という質問を受けます。ただ、実際には水際対策をしっかりと行うことは、中国の水際対策を見ていると不可能ではないことは分かります。海外から来た人の2週間の強制ホテル隔離の徹底や、その後の1週間の自宅隔離や複数回のPCR検査など、一連の仕組みをつくって、厳格に管理し、そこからの市中感染を限りなくゼロに抑えることを中国はここ1年間ずっとやってきています。そうでなければ、中国国内にいる自国民や我々外国人が安心して生活することができません。さらに2週間隔離時のホテル代や食事代は完全に自費ですので、そうした業界へのサポートにも繋がります。

 日本では、ホテル隔離者は、自分でコンビニなどで食事の買い物へいかないといけないと、実際に隔離された帰国者から聞きました。これでは正直、隔離の意味がないです。なぜなら、中国でも空港到着時のPCR検査が陰性でも、2週間の隔離中に多くの方が発症しているからです。隔離中の複数回のPCR検査はとても重要なのです。

【2/5 中国でもシノバックの不活化ワクチン批准へ】

 2/5 中国国家薬品監督管理局が、北京科興中維生物技術有限公司製(シノバック)の不活化ワクチン「克尔来福」が条件付きで認可されました。論文は《ランセット》のInfectious Diseasesにも発表され、60歳以上にも安全に接種できて有効であることが分かりました。

 このワクチンは、2020年6月より中国で緊急接種が始まり、2020年7月21日から海外での三相臨床試験が行われました。中国国内では、18歳以上の成人・高齢者対象に一相と二相の臨床試験が行われて完了し、3〜17歳に対しても現在試験が行われています。 中国では感染コントロールが進んだため、十分な感染者の数が確保できず、海外で試験が行われたという経緯があります。その結果、インドネシア・トルコ・ブラジル・チリ・コロンビア・ラオス・ウルグアイなどで三相臨床試験が実施された結果、2021年1月から各国で認可を受け、緊急接種が行われています。

 ブラジルでの研究では、入院・重症・死亡症例に対する有効率は100%、はっきりと症状が出て、医療による介入が必要である症例への有効率は83.7%、医療による介入が必要ではない軽症症例への有効率は50.65%という結果になりました。一方で、トルコでの研究では、有効率は91.5%という数字も発表されています。

 接種対象は18歳以上で、14〜28日間隔をあけて2回接種、1回0.5㎖とのこと。

 このワクチンで、60歳以上の接種も効果があるとされていますが、注意事項として、また臨床試験の数が十分でないため、接種の必要性を考慮して接種するようにということです。

 2020年8月から生産がはじまっていて、現在は年間5億本、2021年2月からは年間10億本の生産量になる見込みです。

◆上海市の状況

2/6発表、2/5の上海市。
◉新規市中感染0
◉新規海外輸入5
【累計】
◉市中感染371 退院342 入院治療中22 死亡7
◉海外輸入1,358 退院1,250 入院治療中108(重症1)
◉疑似0(市中感染)
◉疑似2(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉今回の市中感染者発見初日2021/1/21

◉上海市で最近の市中感染者の発見日2021/2/4

2/5 確定例の輸入例は、ブラジル・米国・アルジェリア・エチオピアからでした。以下、上海で入院中の方の輸入例の国別リストです。数は少ないとはいえ、ランキングでは日本が結構上位になっていることが分かると思います。しかし、米国からが相変わらずトップです。

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【上海のリスクエリアの変化】

 2/6 18時より、上海宝山区臨江新村(1村、2村)が中リスクエリアから低リスクエリアになりました。

 リスクエリアの基準は各省や市で勝手に制定されていのではなく、国の国務院聯防聯控機制という、日本式で言うと「関係省庁の新型コロナ対策の為の横繋がり組織」が制定しています。

ということで、2/6現在の上海市での中リスクエリアは下記の2箇所に。

①黄浦区貴西小区・1/24から。

②浦東新区高東鎮新高苑第1期・2/5から。

以上です。



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