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8年ぶりに観たドラマ『すいか』。"わたしには時間がある"ということ。







わたしには、時間がない。
と思っていた



ドラマを観る時間がない
料理を作ってる暇なんてない
音楽の勉強でいっぱいいっぱい。
仕事から帰ってきたら、もうベッドに転がりたい。
頭からっぽにして観れるYouTubeがいい
寝たい、





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クラブで踊り尽くした日、友達にゲイバーに連れてってもらった。
音楽に精通するママが運営するゲイバー。
そこにいた間、わたしは何にも語れる言葉がなかった。音楽も、好きなサウンドトラックも。
圧倒的に知識の土台がなくて、自分の"好き"が浅くて、人生に対しても、目の前の人に対しても、真正面切って話せることが、そして勇気もなくて、ただ、気を遣おうにも全部バレバレな自分が、申し訳ない、

と、思いながら、
朝までそこでお世話になった。



「ドラマ、観る?」
「あんまり…観ないです」
「じゃあ、一番最近観たドラマはなに?」
「………イケメンパラダイス、とかですかね…笑」



「サントラ好き」なんて名乗れないなぁと思って、気まずくなった。





その日、
ママからお薦めしてくれたのが、
『すいか』。

「みんなに見てほしいわ。huluでしかやってないの。」






朝電車で家に帰って、次にベッドで起きたときには、huluをダウンロードしていた。





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ここ毎日、ドラマを観た。一本45分間の。
その間も夜はクラブに行った。仕事もした。たくさん寝た。





わたしに時間がない、なんて嘘だ。






わたしにはたっぷり時間がある。
そして選べるんだ、いま何をするか、わたしが。







「早川、また同じ一日が始まるね。」
「んーん、馬場ちゃん、同じように見えるけど、全然違う一日だよ。」









最終回で主人公がそう言って、朝、玄関を出て会社へ向かったように。


「過去も未来も、自分で責任を取るような生き方をしないと、納得のいく人生なんて送れないと思うのよ。」




一寸先は闇。




みんな、未来が怖い。
今日の繰り返しで明日が来てしまうのが、怖い。
でも、何が起こるかわからない。

変わらないものなんてない。





8年前に実家を出た。
それ以来ドラマを観ていなかった。




今日、わたしには、時間があると知った。



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