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畳部屋をフローリングにする(その1)

前回の記事では古民家を買って部屋の片付けと掃除をやるところまでだった。家として使えるようにするには、まずは寝れるようにしなければならない。10畳あるお座敷はゆくゆくは民泊として客間にするつもりなので後回しにして、北東側にある6畳間を畳部屋から床間に替えることにした。そこを自分たちの寝起きする場所にするつもりだった。木の床に替える前にその下の防湿、断熱材施工をやった。

古い日本家屋は床下の湿気と断熱が弱点。反対に言えばそこさえ改善すれば快適に、長く住むことができる。

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この部屋でおばあちゃんが最後の住人となって一人暮らしをしていたようだ。奥の押し入れ右側がトイレに改造されていた。ベッドのおいてあったあとがあり、押し入れに電気毛布や成人用のオムツ、布団などがおかれていた。

この部屋の畳は傷みがあった。あるくとブカブカする。昔と今で畳の作りはかなり変わっているらしいが、この畳は伝統的な作りのワラでできている。ワラの畳は湿気を吸うと痛みが早い。他の部屋の畳はそれほど傷みがなかったがこの部屋の畳は使用に耐えないと判断したのでフローリング施工を自分でやってみようと思った。

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部屋のつながりはこんな感じ。掘りごたつのある居間の奥に畳の部屋がある。左手の二間が畳の6畳と10畳間だった。

我々の地元で見る伝統的な日本家屋は田の字の四部屋と土間(台所)が基本構造だ。風呂や厠は家が建てれた当初は離れにあったはず。戦後になって風呂や厠が家の中に作られ、台所が床上げされた。

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畳をはずしたところ。荒板やその下の根太が製材されたものであることから、昭和の後半以降に一度リフォームしたものと思われる。床下は土になっている。現在の住宅では床下をコンクリートで固めるのが普通だが、古い家は土の上に礎石と呼ばれる石をおいてその上に柱を乗せるだけ。その土の状態をみるとかなり湿っている。

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土が湿っていたということは、かなり大きな問題だ。床下の湿気は木を腐らせる。シロアリが巣食う。押入れにいれたものがカビにやられる。などなど、ろくなことがない。実際、部屋の奥側の柱がシロアリにやられたあとがあった。この部屋の根太が新しいのは過去にシロアリの問題が出て、作り直したからかもしれない。畳が傷んでブカブカしていたのもこの部屋だけだったのでこの部屋は特に湿気がこもりやすいのかもしれない。

というわけで湿気対策を施すことにした。参考にしたのは以下の記事。

ただし、この方の記事のように床下の根太からやり直すのはちょっと自分の手には負えないし、そこまでやる必要は感じなかった。根太からやり直す理由は防湿シートを隙間なく敷いて、シートの境目をテープで目止めするためである。確かにそうしたほうがいいのはいい。でもそれは、more better であってmustではない。土が露出していない面積が十分確保されていれば湿気対策になるからだ。そんなわけで、礎石と礎石の間の列をシートでうめて、調湿剤のゼオライトを撒くだけとした。

買った材料は以下の2つ。

ポリエチレンシート厚さ0.15mm,幅950mm,長さ50m

ゼオライト

この2つは楽天で購入した。

https://item.rakuten.co.jp/diystyle/fuku-bousitu950/?s-id=ph_pc_itemname

https://item.rakuten.co.jp/kurashikenkou/567504/?s-id=ph_pc_itemname

ようするに、ポリエチレンシートが土が含んだ湿気を跳ね返す。ゼオライトは湿気を適度に吸い取り、湿度を下げる役割だ。

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床下の施工には子どもたちも動員。我が家では勉強よりも親の手伝いが優先、児童労働が積極的に行われる。ポリシートを部屋のサイズに合わせて切って敷き詰め、その上にゼオライトをばらまく。10kgあたり2畳が目安。ばらまきかたは密度がある程度あればいいので適当でいい(多分)。シートの目止めなどをやろうとすればかなり大変な作業と手数になるが、コストを掛けずにやるなら、こんなやり方でもある程度の効果は期待できる。

だいたい昭和40年代頃に外壁にトタン材を施工するのが流行るようになった。そして、床下の通気をトタンで埋めてしまった家が多くなった。この家も東側の外壁下側がトタンで通気が止められていた。これが非常に良くない。動物の侵入などを防ぐ目的が有ったと思われるが、通気を止めたことで湿気の問題が顕在化し、シロアリにもやられてしまった。通気の問題もあとで対策する。

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次に、断熱材の施工。スタイロフォームというボードを使用した。5ミリ刻みでさまざまな厚さのものが売られている。畳1畳分ぐらいの大きさで1000円くらい。断熱材の厚さはその上に貼る床材との厚さが関係してくる。畳の部屋を木の床に替えるには、畳の厚さ分の厚みをもたせる必要がある。一般的な畳の厚さは55ミリということだったが、この家の畳の厚さは45ミリだった。床材の厚さを15ミリにしたので30ミリの根太をいれ、スタイロフォームも30ミリを使用した。断熱材は根太と根太の間に敷き詰めるのでサイズを合わせてカットする。カットは普通のカッターやナイフで十分切れる。

スタイロフォームは容積が大きいのでネットで買うと送料が高くなった。近所のホームセンターで買って軽トラックで運んだほうがいい。

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断熱材を張りながら気がついたが、外壁と荒板の間にかなり隙間が空いていた。断熱は空気の流れをまずとめなければならない。外からの光が差し込んで見えるようなところはどんどん断熱材をつめこんで埋める。

空気の流れが遮断されれば、あとは熱貫入量の問題だ。熱貫入量はどれぐらいの面積にどれぐらいの断熱効果のある材料があるかと、外と内との温度差の掛け合わせできまる。ようするに、多少断熱材を切るときに根太との間に隙間ができていても気にすんなってこと!(大半の面積が断熱されていれば大勢に影響なし)ただし、空気の流れができるような隙間は絶対詰める!なので、要点さえ押さえていれば子供にやらせてもOK。娘にもやらせてみたが案外上手にやっていた。

長くなったので今回はここまで。次回はいよいよフローリング施工にはいる。




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