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去り際は人それぞれ

今週、職場で一番仲の良かった友人が、退職を決意しました。

彼女との出会いは、以前一緒に働いていたブラックな職場でした。

再び同じ職場で働くことになり、喜んでいたところ、今の職場で再開した友人はとても疲れていました。

優しくて大人しい性格の彼女は、ボスの言われるがままに、ある特定の仕事(お客さん)を引き受け続けていました。

その結果、身も心もボロボロに・・・。

元々、従業員を7000人以上も抱えているお客さんでしたが、近々行われる吸収合併によって、さらに約1000人もの従業員が増加することになりました。

ボスは、それに伴う仕事を彼女1人に担当させようとしました。

他の従業員が止めたにも関わらずです。

人手不足で、従業員に余裕が無いため、この合併関連の仕事を引き受けること自体が無謀でした。

それが、決定打となって、友人は退職を申し出ました。

友人は、転職に有利とされる種類の仕事を経験したがっていましたが、今の仕事を抱えたままでは、とても無理でした。

私よりも年上で無資格者の彼女が、今と同じ業界に転職するのは厳しいでしょう・・・。

もし、転職に成功したとしても、ブラックです。

私の居る業界は、ブラック率が非常に高いのです。

それを承知の上で、次の仕事も決めずに退職を決意したのですから、余程の事です。

今の職場も、ボスが精神不安定で、大人しい友人は彼のサンドバッグとなっていました。決して、ホワイトとは言えない環境です。

静かに怒りを溜め込み続けた彼女は、ついにキレ始め、もうその怒りを止められない状態でした・・・。

ボスが彼女に尋ねたそうです。

「この事(退職)は、花甘露さんも知っているのですか?」

その問いに、友人はしれっと、「知りません!」と答えたそうです。

事前に彼女から相談を受けていた私でしたが、とても引き止める気にはなりませんでした。

「今更、ボスに何も本当の事を言う必要は無い!」彼女はそう言いました。

ボスに意見を求められても、何も言わなかったそうです・・・。

完全に心を閉ざして、黙って職場を去って行く友人。

退職の旨は、ボスと私しか知りません。

彼女のことを思う時、とても胸が苦しくなるのでした。

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