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米国で開催された国際学会(NCUR2023)に数理工学科の研究成果が採択され、発表を行いました

2023年4月13日~4月15日に米国のウィスコンシン大学オー・クレア校にて開催された国際学会National Conference on Undergraduate Research (NCUR 2023)での研究成果発表において、数理工学科3年生(3名)が英語で発表を行いました。
※NCUR:学部学生の研究促進を目的として1987年に設立された米国の学会

NCURの様子
数理工学科学部3年生 山川祥さんの発表の様子
数理工学科学部3年生 正木歩さんの発表の様子
数理工学科学部3年生 平松勇紀さんの発表の様子

今回の発表のテーマは「最適化」です。最適化とは数々の候補の中から「最も良いもの」を求めることです。例えば、トラックの積載量の上限や到着時間などを考慮した、移動距離が最短になるトラックの運送経路の取得、予算を考慮しながら、リスクを最小限にする資産の組み合わせの取得など、最適化問題は物流、金融、防災、創薬、広告など、様々な分野の意思決定の場にあらわれます。日本では、業種・分野を問わずデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)化が推進されていますが、最適化問題を解く作業は、まだまだアナログ作業が多く、多くのコストがかかっています。このため、最適化問題を解く作業のDX化による業務の効率化は多くの業界に恩恵をもたらすと期待されています。近年、最適化問題を解くのに特化した量子コンピュータも登場し、最適化問題のDX化がさらにたくさんの関心を集めるようになりました。本研究では、物流業界にあらわれる最適化問題を対象に、この問題の解を求めるアルゴリズムの開発を行っています。

 山川さんは、ポートフォリオ最適化問題と呼ばれる問題をコンピュータ解き、考察を行いました。できるだけ安定した収益を得ながら、リスクが低くなるような銘柄の組み合わせを求める問題をポートフォリオ最適化問題と呼びます。株式投資などを行う際に用いられる最適化問題ですが、この問題に対し、コロナ禍前、コロナ禍中、コロナ禍後の実際の財務データを用いてポートフォリオ最適化問題を解き、考察を行いました。

平松さんは、福岡空港における誘導経路と航空機の発着スケジュールの最適化問題について考察を行いました。誘導路の距離データを取得し、それをもとにダイクストラ法と待ち行列理論を用いて誘導路最短ルートを求め、一定の間隔を保ちながら空いた滑走路に向かうプログラムを構築し、搭乗ゲートを航空機が離れる時間、遅延時間の算出に加え離着陸機に対しての新たな時刻表を提示することを可能としました。

正木さんは、天候などによる航空機の遅延が発生した際、どのようにスケジュールを組み直すのがよいか、最適化問題を定式化し、新しいスケジュールを求めました。

NCURでは、上記の内容についてポスター発表を行いました。

引用
1:News & Events
2:武蔵野大学しあわせ研究所通信 Vol.104


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