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プロジェクトシン エヴァンゲリオンが面白かった

こないだ読んだ本、プロジェクトシン エヴァンゲリオンが面白かった。

庵野秀明がいかにクリエイターとしての才能と蓄積があり、プロデューサーとマーケッターと経営者してのバランスも兼ね備え、作品を取り巻く環境の人々に才能と熱意がすごくあり、庵野秀明を理解してている土壌があり、後述の環境作りと相まって素晴らしい作品が出来て、興行的にも成功したという事実。それを裏付けるためのインタビューや記録、エビデンスをたくさん参照出来て楽しかった。

品質に妥協しないっていうのは、そりゃ当たり前なんだろうたけど、それを実現するための仕組み・環境作りにとても感心した。社内に低コストで構築したVC撮影環境であったり、作業の権限移譲とか、レビューのワークフローの工夫であったり。品質を追い求める為とはいえ、作業のリテイクはとてもストレスのかかる作業だけど、繰り返される事が分かってるので、ここの工数やワークフローにこだわったのはすごくクレバーですよね。コロナ禍のリモートワーク体制への移行も、柔軟に工夫で乗り切っている。

あと作品作りを続けるための資本を確保する為のお金の問題、ライセンス収入なんかまできっちり考えられてすごい。庵野秀明さん、経営者じゃん。。おれのこの素晴らしい作品を世に出せば、お金も評判も勝手についてくるー、みたいな危うさ無し。好きな事を続ける事にはお金がかかり、多くのステイクホルダーを巻き込んでるならその責任も負う。という事を理解し、真摯に向き合っている。その姿勢も自分の会社だけでは無く、業界全体の継続性についても向いてるのよね。感服しちゃった。ガイナックスの問題を経てのこの境地なのかも。

なんつか、そのプロジェクトを見つめる事で、も一つの作品みたいに感じて、ロジカルでクリティカルシンキングでイシューでみたいな、シン・ゴジラで感じたよなスカッとジャパンだよ!みたいな気分にもなった。お国の仕組みを設計している人、政治家先生も頑張れよ、つか俺も頑張れよ!という気持ちにもなりました。

あと、安野モヨコの監督不行届、こないだ出た還暦不行届も合わせて読むと、よりいっそう面白いのでオススメです。ほんとに同一人物かよ?と思う。

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