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『キャリアにおける好奇心(Curiosity)について』

HR Essay-2020-008

『キャリアにおける好奇心(Curiosity)について』

【The Spirits of Youth】

少年であることの条件、それは純粋であること

未知なるものへの好奇心、実現に向けてのあくなき希求

私たちは開発型企業として、少年の心をビジネスの基本においています。

このフレーズは、私が大学を卒業し、企業に入ったときに最初に仕事らしい仕事をした会社案内の冒頭に掲載した文章である。新入社員の私が当時会社に抱いた風土として、新しいことにチャレンジし、成し遂げる為の好奇心が社内に満ち溢れていることを深く感じ描いた。

年齢を重ねていくと、好奇心のエネルギーそのものが低下する。教育心理学者であったクルンボルツ博士(John D. Krumboltz 1928-201)が提唱したキャリア理論の「計画された偶発性理論 ( Planned Happenstance Theory)」を持続的に支える必要要件として、この好奇心を持ち続けることが必要であると言及する。では、好奇心とはどのようにしたら、年齢を重ねても持ち続けることができるのか。また、好奇心というものは「資質」であるのか、それとも能力なのか。

好奇心とは、将来への希望や展望がその源泉になっているように思う。明らかに将来に向けての希望が低下している環境におかれた時、人はネガティブになり、好奇心をもつエネルギー量そのものが減少する。海の遠くの方には、何があるのだろうか、地球は球形だと学校で習ったのだから、坂道をおりるような感じで、下っていくのだろうか、反対側にたっても逆立ちするような感じはしないのだろうか、という子供の時代に感じた「純粋さ」を想い返す。

クルンボルツ氏は、この計画化された偶発を起こしやすい可能性の特徴として、「好奇心」に加えて、持続性[Persistence]、柔軟性[Flexibility]、楽観性[Optimism]、冒険心[Risk Taking]といった行動特性を持っている人に起こりやすいと提唱する。もしそうであるなら、その可能性を信じて、新しい行動姿勢としてこうした気分を持ち続けることを試みてみたいと願う。

新しい年を迎え、仕事において転機を迎える方が多い時期でもある。自分自身のキャリアと格闘する方に人事の実務の経験を踏まえたキャリアコンサルタントとして、候補者の可能性を信じて応援し続けたい。
 

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