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目指しているのは地域のメディア。『街中スナックふくい』は人と情報が集まり日常の“何かが動き出す場所”・オーナー藤本 一希

2022年3月15日、福井県福井市の片町に新たな地域コミュニティとして現れた『街中スナックふくい』

スナックというと普通、男性が1日の疲れを癒すため訪れて、話の上手なママや可愛い女の子たちとお酒を酌み交わす場所をイメージしますが、ここ『街中スナックふくい』は、そんな一般的なスナックとは全く違うコンセプトのもと運営されています。

本日は、そんな街中スナックふくいを運営するオーナーで起業家の藤本一希に、このスナックの立ち上げ目的や目指す世界のお話を聞いてみました。

街中スナックふくいオーナー 藤本一希

略歴

藤本一希(街中スナックふくいオーナー)
生まれも育ちも福井県で二十歳まで福井で過ごす。
医療ITベンチャーの株式会社メドレーに勤めたのち、福井の地域医療に従事するため在宅医療会社にて理事就任。その後、「医療者の”想い”を支援する」人材支援の株式会社 ​REGIE(リジー)を立ち上げ、並行してふくい若者フォーラムという福井県が作った若者支援団体の会長を兼務。東京と福井との二拠点生活を送り地元福井のために新たに『街中スナックふくい』をオープン。

街中スナックふくいとは?

一言で言うと、人と情報が集まる場所ですね。ここにくれば人がいて、繋がれる場所にしたいと思って立ち上げました。
街中スナックふくいには大学生から行政の人までママやマスターが15人いるので、彼ら彼女たちと一回会うだけでいろいろな人や情報にアクセスできるんです。街中スナックふくいはそういう福井の窓口にしたいと思っています。

もちろん地元の人だけではなく、移住者や旅人に向けてもローカルの街や人の案内所でありたいと思っていて、ガイドブックやネットの情報だけでなく、リアルで豊かな繋がりや情報を得られる場所がここなんです。

ただ飲むだけではなく頻繁に色々なイベントを企画したり、ノンアルコールも大歓迎ですし、誰もが気軽に楽しめるスナックと言う形をした全く新しい地域のコミュニティスペースとして機能していきたいですね。

なぜ街中スナックをやろうと思ったのか?

一つは、「まちづくり」「若者支援」がキーワドになっていて、生活者にとって行政とかコミュニティがとっつきづらく少し遠いものになってしまっているので、このスナックでそれをもっと身近なものにしていこうと思いました。

もう一つは、福井ではいろんなプレイヤーが日々活躍をしているので、そんな彼らが乗っかれる一つのプラットフォームをつくりたいと思いました。このスナックを発信の拠点に、オール福井の雰囲気を作りたいなと。

小さな福井でもいろんなところでいろんな人が活動したり挑戦したりしているので、バラバラでやるよりは一箇所に集まってスタートした方がわかりやすいし盛り上がりが生まれますよね。

また、片町という場所が夜の街というイメージが強かったり、若者が少なく廃れてきている部分があるので、片町をもっとオープンにして昼も有効活用して活動したら面白いんじゃないかなと思いました。

昼の空きテナントを使ってカフェやコワーキングや、マルシェみたいなのをやったり、昼の片町というブランドを作れたら面白いと長期的には考えています。

片町の店舗の居抜きを活用して街を盛り上げる

ママはどうやって見つけた?

実は、15人いるママは全て私が口説き続けました(笑)
若者フォーラムで元々繋がっていたので、その経由が多いですね。
セクター的にダイバーシティが保たれてない分野である行政や大学などについては、そういう分野のインフルエンサーに直接連絡を取り、オール福井にこだわって、口説き続けました。

また、ママになってもらう時に意識したのは、藤本の取り巻きにならないようにということを気をつけていました。
私の周りの人たちが集まってるだけだとコンセプトとずれてしまうので、ママたちの多様性を重視し、分散的になるようにしてダイレクトリクルートで声をかけていったんです。

業種や年代を跨いだ15人のママやマスターがいるので、毎日スナックに立たなきゃいけないわけじゃなく、月一の一年間でお願いすると言う形にしました。それなら本業があったとしても時間が被らず月一で飲みながら営業できるので無理せず関われることに加えて、新規の出会いも生まれるのであまり断られることはなかったですね。

ママに求めることとは?

とてもシンプルですが、エンパワーメント
生活者は日常の不満や不安などのネガティブな部分ももちろん持ってるし、だからこそ、「こういうことやってみたい」「もっとこうなりたい」という潜在的なポジティブな意識もあると思うんです。ママはそれをエンパワーメントすることが大事なのかなって。まずは傾聴する、そして承認と肯定。「そう思ってるんだね。いいじゃん!私は応援する。」が全てだと思っています。ここに来ると否定されないで応援してもらえる。

そしてアクションとして、「ここにいってみたらいい、こうしてみたらいい。」ということを提案できるとベストですよね。

それがお客さまにとってこのスナックに来たくなったり、情報を渡したくなる、ひいてはママやマスター側として立とうとしたくなることかなと。

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プレオープンで福井の若者達と話すオーナー

どんな方にきてほしい?

これから何かやってみたい、という人に来て欲しいですね。
独立したいとか、こういう企画持ち込みたいとかそういう人は実は動けるんです。そうではなくて、普段お仕事されていて家と職場の往復になっていてちょっと溜まってるものがあったり、チャレンジしてみたいというものが心のどっかにある時に、生活の動線に街中スナックを挟んでもらうことで何かが動き出すんじゃないかなと。

それはビジネスとかではなくて、久しぶりに高校の同級生と河川敷でBBQをするということだけでもいいですし。生活の中でエンパワーメントされて一歩動き出す。そういうことができればいいと思っています。半歩出てみるぐらいのことをひたすら背中を押し続けることをしていきたくて。

ペルソナで言うと20代後半の正社員。
アーティスティックとか、起業マインドが染み出すと何かやってみたい人に来てもらいづらくなって、生活に寄り添っている意味がなくなってしまうのかなって感じていて、そういう人は既にある若者フォーラムに来ていただければいいので、もっと生活に寄り添って日常をエンパワーメントできることが理想ですね。

街中スナックふくいがあることで地域にどんな影響を作りたい?


私は地域とは巨大なコミュニティだと思っています。
コミュニティは参加しているという感覚を得られないと、帰属意識も出ないし、楽しくも愛着もないですよね。だから、街中スナックふくいに来ることで福井に暮らすということをみんなが能動的に捉えられるようになるといいなと思っています。

普段の生活では実は自分が福井を作っているという感覚が得づらいのが課題だと感じていて、自分達が住んでいる地域(コミュニティ)に関わってる、参加している、時にはオーナーシップを持っているということを感じられる方が豊かで幸せな暮らしが送れると私は思います。

ただ家の前の通りを綺麗にするとか、自宅でちょっとだけイベントやってみるとか、独自でやっていても福井に関わっていると言う実感は感じずらいので、こういう場所にきて全く違う領域の人と関わったり発信することで、他のローカルメディアに取り上げられたり行政の中にも話が通っていったりして、福井を自分のコミュニティであると改めて感じてほしいです。

今後どんな場所にしていくつもり?


短期的に言うと”メディア“になれるといいなと思っていて、例えば福井新聞に取り上げられると親とか地域の人に貢献できたという感覚が得やすいですよね。街中スナックふくいも、ちゃんとメディアとしての存在感を持てたら理想ですね。

一日だけ立ってくれた人を発信してもいいしお客さんも取り上げたいと思っています。イベント登壇やママやお客さんみたいなのを曖昧にして、街のみんなを取り上げていく。

ここにくればその人に会えたり触れたりすることができ、ここがメディアとしてオンサイトでもありプロジェクトにも参加できる、そんな場所を目指しています。

社会の課題やローカルの課題、教育とか福祉とか果てしないテーマにはなかなか関われないけれど、ここで立ってテーマとして取り上げて発信していく。それによってたとえば福祉の分野に取り上げられるようになるとかがあると、果てしなかったものが身近なものになる。そして世の中がちょっと変わり出す、それが街中スナックふくいの理想像です。

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2022年3月15日地域のコミュニティになる街中スナックふくいがオープン

街中スナックふくいは、
若者を応援するための“場づくり”
世代を超えた“仲間づくり”
街のつながりを増やす“街づくり”

そんなコンセプトのもと様々な方に来ていただきたいと思っています。
飲食をメインとするのではなく、コミュニケーションや出会い、そしてチャレンジへの応援を全力で行なっていくので、チーム一同皆さまのご来店を心よりお待ちしています!

店舗情報

街中スナックふくい
福井県福井市順化1丁目24-17 玉村ビル2階
16:00オープン22:00クローズ
不定休
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