コショウ

帰り道、窓際にあるコショウを見かけた。
それは小瓶に入ったコショウでした。
ラーメン屋だったのでしょうか。
コショウは満足げにそこに立っていました。
これまでどれだけのラーメンに振りかけてきたのでしょうか。
歴戦の勇者のみが称える佇まいでそこにいました。
コショウよ、貴方はこの店にどれほど貢献してきたのでしょう。
その横顔はどこか誇らしげで。
私はその姿をただ黙ってみるしか出来ませんでした。
コショウよ、貴方はこの店の紛れもない功労者だ。
このくたびれた店の中で一際輝いて見える。
どうかこれからも、そのままでいてほしい。

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