隣りの芝生は青くなかった ~ウェスタンカンファレンス・プレーイントーナメント1回戦 ウォーリアーズ vs キングス を観て~

普段ペイサーズ以外の試合は興味がなくほぼ観ないのだが、なんとなく気になって、ウォーリアーズ対キングスの西プレーイントーナメント1回戦をフル観戦してみた。

ホームのキングスは、ファンも選手も相当に士気が高く、勢いを感じた。
サボニスも相変わらず顔面だらけで、チームでの存在感をさらに増しているようだった。
いかにもこれからドラマチックな大逆転劇を演じて、プレーオフの大舞台に上り詰めそうな主人公感のあるチームに見えた。

この試合キングスは前述のような主人公的勢いを如何なく発揮し、ディフェンスとリバウンドで圧倒してスター軍団ウォーリアーズに圧勝した。そして紫色のビームを夜空に真っ直ぐに打ち上げた。

タイトルは、このキングスの勝ちっぷりを見て僕が思ったことである。
この試合でキングスはファストブレークでもウォーリアーズを圧倒していたが、キングスのファストブレークは、明らかにペイサーズより遅かった。まるでスローモーションのようだった。
スター選手の誰か(誰だっけ)が、「ペイサーズがボールを手にしたかと思うと、全員がすでに遥か彼方に走って行っている。これはかなりのプレッシャーだ」と言っていた。これの意味がわかったような気がした。

結果として今期ファストブレークポイント(16.6点/試合)、トランジションポイント(26.2点/試合)でともにリーグ4位でレギュラーシーズンを終えたペイサーズだが、このボールを奪ってからの切り替えの早さは、実は様々な要因の優位性によって成り立っている伝家の宝刀なのかもしれない。
そう考えると、リーグ最高のパサーであるハリバートン、無尽蔵のスタミナで走り続けるニースミス、トランジションにも対応できセルフクリエイトでリズムチェンジもできるシアカム、トランジションからワンパスでアリウープできてしまうトッピンなど、彼らがなぜペイサーズにいるのか、ジグソーパズルを埋めるように合理性をもってわかってくる。

この武器をもってプレーオフで勝てるかどうかはわからない。
でも少なくとも、今日観た華々しいキングスよりも、僕がもっと好きな感じのものがペイサーズの中にあることを確信して、嬉しくなった。

あともう一つ。インディアナ大卒でデイル・デイビスの息子なのにペイサーズがドラフト指名しなかった、ウォーリアーズルーキーのトレース・ジャクソン・デイビス。彼はよほど才能と成長を見せているのか、なんとウォーリアーズのスタメンセンターに抜擢されていた。が、サボニスを止めれずミスが出始めると、1Q早々にケボン・ルーニーと交代させられ、その後ほぼ試合に出てくることはなかった。
ベンチに下げられた彼のなんとなく頼りない表情を見ながら、ベン・シェパードの闘志に満ち溢れた顔を思い浮かべては、隣りの芝生は青くないなあと感じたのであった。


ペイサーズ、まじでプレーオフでぶちかましてくれよ!!

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