なぜ目の前の扉を開けないのか?「嫁姑問題」波風を蹴立てて行け

あんまりドロドロしているわけではないが知人の嫁姑問題について。

姑側は母子家庭で母と息子、息子が新郎になる。母子の中は極めて良好でガシガシに本音を言い合える仲(息子さんも私と似たタイプで平気で間合いを詰めてしまうタイプ)。

で、姑さんは「一人息子のせっかくの結婚式だから派手に楽しくやりたい。必要なら経済的負担ももちろんする!」という希望がある。

ところが嫁さん側のご実家がいわゆるお堅い仕事で、肝心のお嫁さんも「地味に質素にお金をかけず、自分は目立ちたくないが世間体もあり最低限の挙式でよい」とのこと。今どきの娘さんにしては、なかなか少数派ではなかろうか。

そんな中、お嫁さん側のご実家からの打診で、姑さんは表には出さずとも感情的にむっとしてしまったという話が2つ。

1つ目は「結納をしてほしい」「OK」といったん話がついていたところ、あとになって「もしご負担が大きいなら結納は省略してもよいですよ」というもの。

2つ目は「最後の新郎の親御さんとしてのあいさつはどうされますか?」というもの。

腹立たしく思った内容としては「いずれも両親が居れば聞かれないことだろう。母子家庭だからと言ってうちは不自由させていない。バカにするな!」というものだった。

激しく同意して首肯するのは私の相方。類似した立場ゆえの共感があったとのこと。

息子さんによると「相手方は世間体や常識、「普通」であることを重視している。結納をするのは普通だからお願いしていたが、母子家庭という事情を勘案して負担になったらいけないという気づかいだった。親族のご挨拶にしても同様の気づかいによるものと主張。

だが私は異を唱えた。考えてみたら出会って3回目の年上の女性にいろいろ意見するっていうのもアレなんだが、まあ私のお得な性分なのだろう。

私が異論を唱えたのは表題の基本理念からである。

私「これから親族になろうという相手にケンカを売る理由がありますか?」
相手「私からはそんなことはしないが、相手にはあるかもしれない」
私「勘ぐりすぎでしょう。証拠もない『かもしれない』なんてことでケンカを売ってしまうのはあまりにも惜しくはないですか?」
相手「証拠はないが相手がそういう嫌味をやんわりという可能性はあるでしょう。だからこうやって周囲に相談してどういう意味なのか確認しようとしてるわけで。」
私「確認すべき相手は私たち周囲のお仲間じゃないですよ。直接相手に聞く以外に正解に至ることはできませんよ。周囲で得るあやふやなヒントなんかやバラバラな意見よりも直接的にそのものずばりな『答え』を得られますよ」
相手「そんなこと正面切って聞いたら、それこそケンカになるでしょう。」
私「それは聞き方の配慮は必要ですよ。『ケンカ売ってるのか!』じゃなくて『それはどのような意図でおっしゃってるのですか?私たちにご配慮してくださってるのですか?』と聞けばいい」
相手「相手がそんなことで本心を言うとは思えない」
私「だったら堂々としてればいい。相手が言わない本心にびくついて過剰な反応を取るべきではないですよ。堂々とされていればよいのです。母子家庭であることをバカにされまいとして執着してるのはむしろご自身じゃないですか?」

相手の悪意が明確にわかっているならむろん戦えばいい。だが不確定な状態で勝手に相手の内心を妄想して攻撃的態度をとるのはいささか早計だろう。
そして、それは周囲の友人や仲間に聞くものじゃない。相手に答えを聞いてしまうのが最も確実な方法だ。…と私は思うんだが、この方法を主張するとなぜだか「KY」だの「それができれば苦労しない」だの「それができるのはハナーさんだからだ」だの言われるのが実に不思議だ。

言えないのなら言えないという選択肢を自分の意思で選んだのだから不満を持つこと自体がおかしい。不満を持つのが嫌なら聞けばいい。この2択に放り込めば継続的なストレスなどほぼ皆無で生きていける。私はコレを実践しているので継続ストレスは皆無だ(ストレス耐性偏差値80以上をたたき出している)。

「聞いてみないとどうなるかわからないから聞く」なのだ。で、たとえどうなろうと、例えば新たな問題が発生したとして「それは解決すべき問題だから解決する」か「解決不可能だとわかってあきらめる、割り切る」かでいっちょあがり。これでストレスは引きずらない。

聞かないとわからないことを聞かずに放置しておきながらストレスをためるという選択肢が心底不思議でならない。聞かないと決めたのが自分の判断ならばやはりストレスがたまると思えない。ストレスがたまるのが嫌ならば聞けばいい。

波風は蹴立ててなんぼだ。特にそれが前に進むために必要な波風なら、むしろ波風を起こす自分にこそ存在意義があるように思う。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。