★ACF理論(完全オリジナル2008版)

世間一般にこんな言葉は無い。私の造語になる。とはいえ似た感じの発想はゴロゴロしていると思う。ジャンケン三すくみとか格闘技の「打・極・投」とか。

Aはアタック、Cはカウンター、Fはフェイントである。
アタックは通常の型にそった正統派の攻撃である。虚実の実の攻撃で、効率とバランスに優れている。そのルールの理論を理解すれば真っ先に身につく手法と認識している。理論に忠実なため、ある種直線的でわかりやすくカウンターに弱い。

カウンターは発動条件が難しい大技でパワーとタイミングを重視する。
防御しつつ機会をうかがい、相手の攻撃を利用して繰り出すことで威力を増幅させる。相手の出方に影響を受けるので後手に回りやすく、フェイントに弱い。

フェイントは牽制や小技であり、とにかく手数と速度を重視する。威力は最も劣るが、隙も少ない。虚実の虚である。相手が深読みしてくれなければ隙だらけの無駄な動きになるので直線的なアタックに弱い。

論戦でも将棋でも、いろいろな駆け引きの場面で私が転用している理論である。次回以降で実例を交えて語ってみよう。

ではでは、まずは例によって我が家の将棋で喩えてみよう。

まず父のACFは3:6:1。粘り強く防御して隙を窺っての反撃が怖い。私としては不用意な攻撃はせず、フェイントを多めにして隙を作るように陽動する。こちらを慎重に見てくる傾向があるので、フェイントが無駄な動きにならずにすむ。
続いて母のACFは6:3:1。四の五の言わずに正攻法で制圧前進してくる。私としては無駄な動きを少なくして、相手の狙いを読み、相手が手を進めた時に有効になる反撃の工作をしておく。いざ、相手が攻撃してきたら相手の手に乗じて反撃を行う。仕掛けておいた工作を起動する。
兄のACFは4:3:3。ACF比率でもバランスがとれており、これといった穴が無い。私としては正直やり辛いったらない(苦笑)。こちらの動きにバランス良く対応してくるので1番棋力の差が顕著に出てしまう。兄が学生の頃、本腰を入れて将棋を学び一族最強になってからは、実際一度も勝てていない。
私のACFは2:3:5。兄のような理想形を目指したいのだが、どうしても純粋な将棋の強さではかなわないので通常攻撃は少なく、フェイントをちらつかせてのカウンター型になる。

また、しばらく前に書いた論戦の攻防でもこれを用いたことがある。その時は、本当ににするつもりなら相手に告げずに行うべき「現地調査」をすると、容疑をかけている相手に言うのがフェイントになる。で、相手の本音である「現地調査までしないと信用されないなら疑われたままで結構です!」という反撃を誘う。最後に「その発言は『疑われたままでいいから現地調査はしないでくれ』という懇願ですか?無実の人間は絶対に言わないですよ。」というカウンターで仕留める。

今度はACFを用いた、より具体的な対策や性格分析について述べる。孫子やクラウゼヴィッツとはいかないが、私なりに考えた駆け引きの理論があると思っている。単純なルールや運の要素が多いと使いにくい考え方ではあるが。

TRPGから将棋、論戦からスポーツまで転用が利くACFの最終回。

相手への対処策を考えるに当たっては、「どんな事象にも長所と裏返しに短所がある。」と考え、その弱点をつく。(ちなみに逆も真なりだ。したがって「自分は欠点だらけの人間だ」とか言う必要は皆無だ。同じくらい長所があるはずだ。)

「1の問いかけ」 アタック型は無駄のない直線的な動き。問題には真正面から対処する。そのムダのない直線的な動きに対処する具体的なカウンター策とは?
「2の問いかけ」 カウンター型は対応型で山のように動かない。慎重で冷静。落ち着いた性格である。技がかかりにくい動かない相手に対処する具体的なフェイント策とは?
「3の問いかけ」 フェイント型は眩惑を誘う曲線的な動き。軽快で少しイラチ。停滞よりも変化を好む性格。つかみどころがない曲線的な動きに対処する具体的なアタック策とは?

「1の対策」相手が無駄な動きをしないとことの短所はその行動ルートが容易に想像がつくということだ。したがって伏兵や罠で対処する。あわせて縦深陣の奥に引きずり込み包囲殲滅が正解となる。
Aの強い人の原動力となる感情は自分や他人への「憤怒」。決断は「信念」で下す。勇猛果敢でホット、積極的な性格。リーダーシップを取りやすい。自分の誇りや美学を持つ。有能なら万能型になりうる。「自分の目で見た者以外は信じない!」など自力解決にこだわりを持つ。

「2の対策」ここでは相手が慎重であることを逆手に取る。相手は慎重でこちらをうかがうゆえに、こちらの動きに翻弄されやすいとも言える。囮や陽動策で相手の動きを誘う。相手がそれでも動かないなら周縁部を切り取って少しずつ優位を築く。戦線を押し上げていく感じだ。
Cの強い人の原動力となる感情は自分や状況を「冷静」に分析すること。決断は「理論」で下す。冷静沈着でクール、対応型の性格。周囲に合わせることが得意。エンジンのかかりは遅いが、粘り強く馬力に優れる長距離型。陣形や組織など自分自身の型や自分の属する組織の型などにこだわりを持つ。

「3の対策」相手の動きが多いということは何らかの本質を隠そうとしている。本質を見抜きそこを争点にすれば相手の行動は完全にムダになる。自軍本陣の防御さえある程度固めてあれば、相手本陣へ集中攻撃を行うだけで、相手の陽動部隊を単なる遊びゴマにできる。
Fの強い人の原動力となる感情は自分や状況を「笑う」こと。決断は「感覚」で下す。どこか他人事で客観的、ドライ。マイペースで飄々とわが道を行く。飽きっぽいが瞬発力に優れるスプリンター型。他人と違う自分のスタイルやセンスにこだわりがある。

ためしにACFの視点を持って三国志とか戦国モノ、銀河英雄伝説やアルスラーンを読んでみるといい。ほぼすべてに当てはまっているはずだ。ただ戦争はジャンケンのように1つ選んで終わるほど単純ではない。比率を臨機応変に組み合わせて読み合うことになる。論戦の例のように、フェイントで攻撃を誘い、ルート上に伏兵を置いてカウンターを狙うなどは意識的に行うと、意識していない相手にはほぼ確実に決まる。

また、ACFの戦術駆け引きが通用するのは基礎戦力の差異がせいぜい2倍までだろう。あまりにも基礎能力や戦力が違うと逆転は難しい。
たとえば私の友人の「番長」の突撃を私レベルで伏兵や罠を準備しても足止めや時間稼ぎがせいぜいだろう。日向クンの直線的ドリブルは分かっていても南葛DFで止めるのは難しいということだ。

とりあえず、現時点で語れるACFはこれくらいである。今後、分析が進んだらまた発表したい。

あなたのACF比率はどんな感じだろうか?調べたいなら私と対局してみましょうw。下手な占いよりもよほど当たっている自信がある。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。