手を渡す

将棋では難解で分からない局面では「手を渡す」という考え方がある。
極端ではない無難な手をさして(端歩を突く等)相手に手番を渡し、相手の手を見てから自分の方針を決める。難解でわからないからと言って考えている間に持ち時間は減っていくという明確なマイナスがある事を忘れてはならない。悩むのが楽しい、時間的余裕があると言うならそれを楽しめば良い。しかし、業務などで早く結論を出すことを求められる時に優柔不断なのはマイナスである。

「自分」と「自分以外」の将棋の対局と考えるならば、「自分以外」に手を渡し、自分は変化に備えるという発想は大切だ。企業経営ならば「支払期間の利益」の考え方が内包されている。

たとえば、売掛金を今月末に支払うか再来月末に支払うかでキャッシュフローは全く異なるものになる。如何してよいか分からずに、ただ何もしないのではない。観察すべきことを絞り、何もしないことを選ぶことが最善手であることがある。

また、相手の出方を見て自分の手を決めるという意味も大きい。
コメント

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。