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玉井詩織さんの大喜利について

玉井詩織さんが1月21日(金)にラヴィットにスタジオ出演されてから、早いものでもう1か月が経ちました。

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可愛い。


自分はお笑いを観るのが好きなことから、玉井詩織さんがバラエティ番組で活躍しているのを観るのがとても大好きで、特にラヴィット!はしくじり先生と並んで、最も出てほしい番組のひとつだったので嬉しかったです。

ラヴィット!の前週、1月13日(木)にTHE突破ファイルに出演した際にも玉井詩織さんは、クイズに対して序盤には芸人さんを邪魔しない程度の微笑ましいボケを挟みながら、正解すべきタイミングでしっかりと正解していたので、絶対ラヴィットに向いていると思っていた矢先での出演でした。

玉井詩織さんの存在自体があまりにも魅力的すぎるので、バラエティ番組での仕事を客観的に評価することはもはや不可能ではありますが、結果としては、ラヴィット!においても持ち前の器用さを存分に発揮してしっかりと番組のフォーマットに対応し、活躍できていた印象があります。

色々みるべきポイントは多かったように思いますが、とりわけ自分は、番組で恒例となっているクイズ形式の大喜利に対しての玉井詩織さんの対応が凄かったと感じていて、1か月経った今でも鮮明に記憶に残っているので、改めて文章にまとめて残しておきたいなと思います。


アイドルで大喜利といえばまず、NMB48 渋谷凪咲さんの名前が挙がるだろうと思いますし、回答が面白いかどうかという純粋な大喜利力という意味において彼女が図抜けた位置にいるのは間違いないですが、玉井詩織さんの大喜利も渋谷凪咲さんとはまた違ったベクトルで凄さがあったと感じました。

もちろん、玉井詩織さんがそこまで自覚的に色々考えて大喜利をしているかどうかはわからないですし、おそらくそんなことはなく、今まで培ってきた経験と感覚の中で無意識的に対応しているのだろうとは思うのですが、結果的に凄かったということが少しでも伝わればいいなと思います。


まず冒頭の自己紹介の際に、ももクロのメンバーで先に出演していたあーりん、れにちゃんからアドバイスはあったかと川島さんから聞かれて、玉井詩織さんは早速「朝の大喜利番組だと聞いてきた」とコメントしていました。

他の番組を観ていても思うのですが、玉井詩織さんはいきなり何の脈絡も無いところからギャンブル的にボケてみることはほぼなくて、基本的には丁寧にフリを作って流れを生み出してからボケることが多いように感じます。

ラヴィット!においても、ある程度お笑い好きということが知れているアイドルならばともかく、玉井詩織さんにそういう印象を持っている人はほぼいないはずなので、まずは丁寧にその下準備をしているように感じました。

大喜利番組だと冒頭に言って保険をかけておけば、自分で笑いが取れなくても、大喜利に対して気負いすぎているという文脈で川島さんが救ってくれるのは間違いないですし、実際にそういう場面もあったかなと思います。


また、金曜メンバーの中ではモデルの近藤千尋さんが、わりと突拍子もないコメントで笑いを生み出すこともあればシンプルに正解を狙いに行くこともあったりと自由奔放に振る舞っていることが多く、その両方のポジションを奪わないようにということも無意識的に判断していたのかもしれません。

バラエティ番組における玉井詩織さんの凄さは、現場全体を見渡したうえで、自分がどのポジションを埋めればバランスが良くなるかを的確に判断できる能力にあると自分は思っていて、

ボケもツッコミも一線級の芸人が揃うTHE突破ファイルならシンプルなコメントとリアクションに徹するし、あーりんと気だるげな浜ちゃんしかいないごぶごぶなら積極的にボケに回って変化をつけるし、劇場芸人中心で飯塚さん不在のももクロChanなら適度な進行とツッコミを入れるし、

そういうところが本当に器用で凄いなと、どの番組を観ても感心するのですが、ラヴィット!でも玉井詩織さんはずっと、芸人さんや近藤千尋さんとは一切かぶらない、玉井詩織さんがやるべきラインの大喜利をしていて本当に優秀だなと思いました。


この能力が宮下草薙のおふたりと近藤千尋さんの4人で行ったDIYの熱海ロケでも十分に発揮されていたこと、ももクロChanという番組がその能力を培ったということは既に裏本田・柴志朗さんがご指摘されているところです。

個人的には、番組でよく共演している東京03 飯塚さんの存在が大きいのではないかと感じていて、若い時からあれだけ現場で一緒に仕事をしていれば、器用で観察眼のある玉井詩織さんであれば飯塚さんがどこに気を配って、どこに反応して、どういう立ち振る舞いをしているかみたいなことのいくらかを吸収して自分のものにできるのは当然なのだろうなと思います。

玉井詩織さんは他人の特徴的な動作に関するモノマネもかなり上手いし、レパートリーも多そうなので、そういうところからも普段から周りをよく見て生活しているんだなということが伝わってきます。


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話がバラエティ番組全般の方へとそれてしまいましたが、ラヴィット!での具体的な大喜利(クイズ)のシーンに移りたいと思います。

まずひとつめは、DIYロケで訪れた熱海のグルメに関して、金目鯛を使ったバーガーが紹介されたことから、「真鯛などの他の鯛にはあって金目鯛にないものは?」という大喜利(クイズ)が出題されました。

このお題に対して玉井詩織さんは、まずヒントのない段階で「えら」、2つ目のヒントが出た段階で「黒目」と、素朴で微笑ましいボケを重ねていきつつ、最後のヒントが出たところで正解の「歯」と回答しました。

さりげない働きなのでそこまで印象に残らなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、この回答のラインコントロールは抜群に素晴らしかったです。


この場面で玉井詩織さんがやるべきことは、ゲストとして芸人さんや近藤千尋さんが回答するラインを奪ってしまわないこと、アイドルとして可愛さを存分に発揮すること、そして少しの面白さを加えることだったと思います。

もちろん、芸人さんを食ってしまうような面白い回答や、自由奔放な回答を出して目立っていくことが良くないという訳ではなく、そういう回もあった方が面白いとは思いますが、すでにアイドルとしての軸が定まっている玉井詩織さんがそれをやる必要は一切無いし、求められていないと思います。

ももクロがまだまだアイドル界のオルタナティブな存在だった頃は、自分たちの形でゴールを決められるパターンになんとか周りを巻き込むことしかバラエティ番組では披露できていなかった気がしますが、もうそういうパターンは他のグループに任せておけばよいところまできています。

一方で、クイズを当てにいくだけで十分な仕事になるかと言われれば、それはそれでバラエティ番組を10年も続けているももクロをキャスティングする意味がないと思いますし、近藤千尋さんともポジションが接近してしまうので、ある程度はバラエティ的なノリも期待されていたように思います。

とはいえ、玉井詩織さんは芸人ではなくアイドルなので、面白さよりも可愛さを前面に出すことが一番の優先事項であることは言うまでもありません。

そうした中で、「えら」「黒目」という、一単語だけで素朴にボケる回答は、絶対に芸人さんの邪魔にはならないですし、可愛さも感じられますし、面白さを狙いすぎている嫌らしさも感じられないし、玉井詩織さんが大喜利をするならここしかないというラインを的確に突いていて凄かったです。


このお題が出された際、最初に川島さんが「意外ですよ」とコメントしていたのですが、「えら」という回答を出すときに、玉井詩織さんはわざわざ「意外なものですか?」と川島さんに確認してから答えていました。

ここでも玉井詩織さんの前フリ能力が十分に発揮されているのですが、自分の回答の方向性をある程度先に伝えておいて、そこにツッコミのポイントを準備してから回答しているのが、さりげないけど凄いなと思います。

いきなり「えら」という言葉が出てくるより、あざとく「意外なものですか?」と助走をつけてから落としにいった方が絶対に面白いです。


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そして完璧だったのは2答目で、①人間にはある、②顔に注目、と回答の方向性を制限するヒントも大量に出て、金目鯛の写真まで出されて、もう発想を飛ばせる芸人さん以外にはほとんどボケしろがないのではと思えるところで、「黒目」という鉱脈を見つけてきたのは凄すぎて感動しました。

芸人さん以外は顔面の部位をほとんどそのまま答えるしかない状況で、黒目が無いという点に目をつけて自然に笑いを生み出せる人、たぶん渋谷凪咲さんを除いては他にいないんじゃないかと思ってしまうくらい凄かったです。

あまりに凄すぎたので、この回答についてはもしかしたら本気で当てにいっていたかもしれません(笑)でもたぶん、玉井詩織さんは回答直後に自分で笑ってしまっているので、狙ってやっています。本当に恐ろしいことです。


「えら」「黒目」という回答は、何周もお笑いを経験している芸人さんであれば絶対に答えないラインの回答であり、近藤千尋さんの自由なポジションも邪魔しないラインの回答であり、圧倒的な可愛さと少しの面白さが求められている玉井詩織さんだけが攻めるべきラインの回答であり、完璧でした。

大喜利もバラエティ番組と同じで、とにかく個々人が面白い回答を出せばいいという訳ではなく、みんなでひとつのお題を色々な角度から攻略していくチームプレーが大事だと思うので、こういう不慣れな場面にひとりきりで置かれる状況おいても、自分が取るべきポジションと役割を明確に守れる方なんだということが改めてわかり、今後の活躍がさらに楽しみになりました。

最後は、③錦鯉・長谷川さんというヒントが出たところで「歯」と回答してこのクイズを締めました。よく魚をさばいている玉井詩織さんなので、写真を見たときに歯が無いことにはおそらく気づいていたのだろうと思いますが、さすがにラヴィット!の予習もしてきていると思うので、正解を出すべきタイミングもしっかり把握されていてよかったです。

THE突破ファイルを観てラヴィット!に向いていると思った要素がすべてこのお題に集約されていて、玉井詩織さんが再現性のある形でこのパターンをやっていることがわかり、とても嬉しかったです。


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ふたつめの大喜利(クイズ)は、ミシュランシェフが採点したビッグボーイのランキング1位のメニューを当てるという企画の中で出された、「安いステーキ肉が"ある物"と寝かせることで柔らかくなります。一番適している物は何?」というものでした。

これに対して玉井詩織さんは、「やっぱり睡眠って凄い質が大事じゃないですか」と、一度成功した手法であざとすぎるくらい念入りに回答の下準備をしていったものの、そのわりには最後に準備した「おふとん」というワードが浅すぎることに途中で気づき、笑って大喜利から降りてしまいました。

「おふとん」という回答は、いたってありきたりな部類に入ると思うのですが、途中で笑って大喜利から降りるという選択を取れたのは凄かったです。

玉井詩織さんがかなりあざとく「やっぱり睡眠って凄い質が大事じゃないですか」と前フリを入れたときに、そんなに仰々しくふったら何を言ってもウケないし、どうせ「おふとん」っていうんだろうということで、川島さんが相槌を打ちながら先に笑ってしまっているのですが、

玉井詩織さんは川島さんの笑い声を聞いたことで状況を察知し、完全に大喜利から降りて川島さんに処理をゆだねるという選択に切り替えた感じがありました。こういうところにも玉井詩織さんの優れた状況判断能力が遺憾なく発揮されているというか、本当に周りをよく見ているなと思います。

番組冒頭に「朝の大喜利番組だと聞いてきた」と言っているので、川島さんもよりスムーズにツッコめますし(そんな保険が無くても川島さんは容易に処理できますが)、改めて自分でも「大喜利番組なので」と釈明を重ねているあたり、かなり計算して大喜利に臨んでいるなという印象を受けました。


もちろん、芸人さんであれば大喜利から降りずに純粋にウケた方がいいに決まっているのですが、玉井詩織さんに求められている役割は圧倒的な可愛さに少しの面白さを加えることなので、この対応で十分ですし、スベりきる前に完璧な受け身が取れたのは素晴らしいことだと思います。

「おふとん」で完全にスベった後の玉井詩織さんも可愛いだろうけど、照れながら笑っている玉井詩織さんの方が100倍可愛いと個人的には思います。

たった2問で、真っ当な回答でウケることからスベりかけた時の受け身までの全てを味わうことができ、玉井詩織バラエティ班としては大変幸せな時間を過ごさせて頂くことができました。本当にありがとうございます。


その他、テンションが上がるモノを紹介するトークの構成、おにぎりを食べた際のコメント、DIYの熱海ロケ、番組終了直前の太田夫妻に対するコメントなど、初登場としてはほぼ完璧に近い内容で、目立たないポジションだったかもしれませんが、やるべき仕事を淡々とこなせていたように思います。

ラヴィット!でここまで対応できるのであれば、もうどのバラエティ番組に出ても自分のカラーを失わずに貢献できると思うので、これからも色々な番組で活躍するのを楽しみにしたいと思います。

(この活躍の裏にはマネージャーの川上さんの貢献が多大にあり、各メンバーの特性を把握した上でももクロが損をする番組には絶対に出さないという強い意志が節々に感じられるので、非常に感謝しています。いつもありがとうございます。)

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