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NHKマイルC2024全頭考察

NHKマイルC2024出走馬の全頭考察です。
評価は☆~★★★★★の10段階で評価しています。※[]内の数字は過去15年で集計

最終結論はMラジブログに上げますので、よろしくお願いします!もし記事が参考になったよor面白かったよと思っていただけた方は、いいねや拡散して頂けると泣いて喜びます。では行ってみましょう!


📄東京芝1600mについて

スタート地点は向正面直線の右奥。最初の3コーナーまでの直線距離は約542m(Aコース時)。3コーナー手前にさしかかるところで緩い上り坂。3~4コーナーにかけては下り坂になっている。最後の直線に入ると、途中からなだらかな上り坂(高低差2.1m)。東京競馬場全体の高低差は2.7mある。最後の直線距離は525.9mで、新潟の外回りコースに次ぐ長さ。仮柵によるコース設定はA、B、C、Dの4パターン。3mごとに幅員が異なる。例年、Dコースは1~2月に使用され、芝内側部分を保護している。

上がり3ハロンの水準は各クラス34秒台で差があまりない。その代わり前半3ハロンと中盤の厳しさの差が、クラスの差になり、走破時計に影響を及ぼす。特に3歳以上重賞は安田記念、NHKマイルC、ヴィクトリアマイルとG1が多く組まれているため、速い時計が出やすい。スタートからゴールまで高いレベルのスピードと末脚の持続力が必要になる。クラスが下がると中盤までのペースが緩みがちになるので、前に行った馬が残りやすくなる。当然、馬場状態にもよるがBコースでの逃げ馬の活躍が目立つ。

JRA-VAN | 競馬場コース解説|東京芝1600m

📄注目データ

✅ストームキャット系

2桁人気で激走した8頭中4頭にストームキャットの血が入っていた。また、フレンチデピュティなど、ザ・米国血統の活躍が目立つ。

✅前走1400m以下

[1-2-2-55]。基本的に延長臨戦は相性が悪い。5頭は全馬前走連対しており、勢いは必須。連続連対や連勝してきての人気落ちが穴パターン。

📄出走馬全頭考察

1.アスコリピチェーノ M系 評価:★★★☆

ダイワメジャー×Danehill DancerのM系。ダイワメジャーの牝馬は、レシステンシアやメジャーエンブレムなど、精神構造のしっかりしたタイプが多い。アスコリも走りからC要素は感じる。ただ、今挙げた2頭よりは母父がダンチヒ系の分まとまっていて、破壊力が無い代わりに安定感がある。前走桜花賞組は[2-2-0-16]で、桜花賞で1人気だった馬は[1-1-0-0]。理想を言えば位置取りショックを仕掛けたかったが、1人気2着後のルメール替わりではなかなか低評価にはしづらい。内前有利の超高速馬場でSを要求されすぎたら不安は残るものの、差しが届く馬場なら仕方ない。

2.アルセナール CS系 評価:★★

エピファネイア×ダイワメジャーのCS系。配合的にはLS系といった感じだが、レース内容を見るとかなりCがある印象を受ける。もし半姉のナミュールのような馬だったら、新馬戦はもっと楽にスーッと抜け出して勝っている気がする。エンジンの掛かりが遅く、急激なペースアップは好まず、平均的に脚を使いたいタイプか。前走10週~25週の休み明け組は[1-0-1-16]。好走した2頭はどちらも前走重賞で1人気に指示されている馬だった。また、マイルでの勝利経験とマイルでのOP連対経験を保有している馬だった。アルセナールも今回と同じ条件の重賞で2着しているわけで、その経験や馬群を抜けてこようとする挙動は悪くなかった。しかし、2戦共東京マイルの差し競馬で、経験の多様性や苦→楽といった部分では、どうしても足りない部分が大きい。もう1~2戦、小回り経験やマイル以外の距離経験、ダート経験などがあれば評価してみたかった。また、タイプを考えると大外枠も痛恨。ここは凡走してもらって、秋に備えて欲しい。

3.アレンジャー S系 評価:★☆

リアルスティール×ネオユニヴァースのS系。父はまだ全容はつかめていないが、ディープインパクトと比べると、ストームキャットの影響もあり、パワーがあってダートも走れる芝ダート兼用種牡馬か。母父ネオユニヴァースも父サンデーにしてはパワーがあり、ダートも走れるS系種牡馬。というわけで、血統的には中山、阪神向きなのは否めず、東京だとどうしても上がり負けしてしまいそう。前走も延長で前に行く位置取りショックがハマった感じもあるため、ここへの上積みは少ないだろう。

4.イフェイオン LC系 評価:★★

エピファネイア×ゼンノロブロイのLC系。血統的にもL主導で桜花賞ではインから差してくるタイプではないと評したが、実際桜花賞では直線で少しもごもごとした挙動を見せていた。○×○のリズムは評価できるものの、多頭数の今回も多頭数混戦の内枠で、そこはマイナス。また、エピファ×ロブロイなら体力、量優勢のタイプで、東京マイルだとちょっと軽すぎる印象を受ける。中山牝馬Sくらいがしっくり来る。

5.ウォーターリヒト SL系 評価:☆

ドレフォン×ヴィクトワールピサのSL系。皐月賞の時にも書いたが、不安定なS主導の馬で、ポストストーミーシー、ポストマジェスティハーツになれる存在。ドレフォン産駒なので、どうしてもカワキタレブリーがよぎるのだが、カワキタは先行→追い込みというしっかりとしたショックがあったので、同馬のように追い込み続きだとその点がどうか(能力的にはこちらの方が上かもだが)。あとは単純に中山、福島向きだろう。ダート替わりにも注意で。

6.エンヤラヴフェイス S系 評価:☆

エイシンヒカリ×Devil's BagのS系。父は一本調子で体力のあるS系種牡馬で、母父は米国産でパワーのあるS主導の種牡馬か。共同通信杯でもそうだが、東京のスローを折り合うような競馬は合わず、いかにも小回り持続質戦向きの馬。前走NZT6~9着馬は[1-0-0-19]。唯一1着だったのは4人気7着後だったマイネルホウオウ。マイネルは2走前スプリングSを3着後にNZTを人気で凡走したタイプで、ポテンシャルの証明とストレス、疲労薄を同時にクリアした臨戦の馬だった。エンヤラヴはNZTを8人気9着なので、人気より軽く凡走している形は悪くないが、ポテンシャルの証明が無さすぎる。東京マイルがベストという血統でもないし、ここはさすがに厳しいだろう。

7.キャプテンシー S系 評価:★☆

モーリス×ステイゴールドのS系。父は体力のあるS系種牡馬で、母父も体力のあるC系種牡馬。父、母父のイメージからはしっかりとしたCS、SC系になっても良さそうなイメージだが、母父ステイゴールドは全く活躍馬が出ておらず、Sの強すぎる不安定な馬が多い。同馬も母父の影響が大きく、不安定なS系の馬。同じNZT出走馬だと、昨年のエエヤンに近いイメージ。そのため、東京マイルで折り合って速い上がりを繰り出すタイプではない。小回りの道悪がベストの馬だろう。エエヤンはNZT激走後だったので、それよりは○×○で面白い臨戦だが、やはり東京向きではないため、道悪などが必須か。突き放して逃げるくらいしか活路はない。

8.ゴンバデカーブース LM系 評価:★★

ブリックスアンドモルタル×ディープインパクトのLM系。父のタイプはまだ良く分からないが、あまりSは感じずM~L系の間といったところか。前走半年以上の休み明けは、過去15年で出走例は0。ただ、前述したように前走10週~25週の休み明け組は[1-0-1-16]なので、休み明け自体がプラスに働くレースではないだろう。ボンドガールに完勝しているように能力は認めるが、キャリア2戦で獲得できた経験値があまりにも低すぎる。ルージュバックの桜花賞みたいなイメージ。これで多頭数のマイルG1を勝たれたらお手上げ。せめて1回叩きたかった。

9.ジャンタルマンタル M系 評価:★★☆

パレスマリス×WilburnのM系。父、母父共に米国産のダート馬で、血統的にはS主導。だが、同馬の破綻のない安定感のある走りからは、M系が妥当か。前走皐月賞組は[2-1-2-18]。あまり相性は良くないが、この23頭の中に皐月賞で複勝圏に入った馬はいないため、皐月賞で3着だった同馬は能力的にそのまま通用してしまう可能性は十分ありそう。しかし、好走したということは裏を返せば疲労が残っていると言える。皐月賞は3人気3着なので、激走ではないという判断も下せるかもと思ったが、共同通信杯のパフォーマンスを考えると、明らかに皐月賞の方が内容が濃いため、やはり反動は大きいだろう。他が弱すぎて3着に入りましたという可能性は否定しないが、単勝の期待値は限りなく低いと思う。

10.シュトラウス S系 評価:★★

モーリス×アドマイヤベガのS系。父、母父共にS主導の種牡馬ということもあるが、レース振りや調教を見ても現状はSが強すぎて制御できていない状態。モーリス、ブルーメンブラッド共に3歳時から活躍しながらも、本格化したのは古馬になってから。モーリスはジェラルディーナやジャックドールなど晩成の産駒も多く、1回しっかり休ませてあげて成長を促したい。もしここを無理やり勝たせるのなら、逃げられなかった逃げ馬くらいしかないだろう。もしくは超Hペースの着付け競馬。極端な競馬向き。

11.ダノンマッキンリー LS系 評価:★★

モーリス×Holy Roman EmperorのLS系。レース振りを見ると、かなりの揉まれ弱さと気性の荒さが目立ち、シュトラウス同様完成するのにはまだまだ時間が掛かりそう。また、母母父のDiesisと言えばスギノハヤカゼがいるように、平坦1400m特注血統の思い出。そう考えると、秋明菊賞やファルコンSの内容にも合点がいく。多頭数内枠の延長ではSを持て余しそう。前走ファルコンS1着馬も[0-1-0-9]。唯一2着に好走した馬は、マイル連対実績を持ちつつ3連勝中の馬だった。ダノンは○×○の形になっているため、連チャン期ではないはずで、今回は反動が大きそう。

12.チャンネルトンネル M系 評価:★★★

グレーターロンドン×HenrythenavigatorのM系。父のグレーターロンドンはダイワエルシエーロの半弟であるが、ダイワエルシエーロは桜花賞を差し損ねからのオークスで穴を開けた馬。チャンネルトンネルも広いコースを伸び伸び走らせた方がいいタイプで、東京マイルの条件自体は合うと思う。どんなレースでもまとめてきているように、操縦性が高そうで、破壊力がない分他馬に破綻があれば相対的に浮上するタイプか。上位人気馬が疲労で崩れるようなら。

13.ディスペランツァ L系 評価:★★

ルーラーシップ×Medaglia d'OroのL系。母父が米国産のサドラー系の種牡馬で、国内では短距離馬を多く輩出している。半弟のファントムシーフも1800mくらいがベストだと思うので、同馬も2000mからマイルに距離を短くして結果を残してきた。マイラーズCはかなり走りにグイグイ感のある内容で、また連勝ということもあり、連チャン期の可能性は否定しない。だが、モレイラ以外の騎手が乗った時に、あのSが出せるかと言われれば甚だ疑問。今回はルーラーっぽく、もしくはファントムシーフっぽく、L主導の馬に戻ると見て評価を下げる。また、レースを見ているとかなりズブく、活性化に乏しい点もマイナス。

14.ノーブルロジャー SC系 評価:★★★★

パレスマリス×More Than ReadyのSC系。父のパレスマリスはジャンタルマンタルと同じ。パワー型でベストは中山、阪神のマイル戦か。また、More Than Readyと言えば、母父としてナックビーナス、ドゥレッツァ、カフェファラオがいる。適性的には東京の高速決着は合わなさそう。しかし、まだまだ鮮度はあるし、初戦で33秒台の上がりに対応しているのは大きい。楽なレースだった新馬戦のみで、多頭数内枠の激戦だったシンザン記念を勝ち切ったのにはかなり驚いた。キャリア3戦の割にはしっかり経験を積んできた印象で、前走先行の布石もある短縮ショッカー馬。1人気からの人気急落+異端臨戦で、古き良きM的にはウインクリューガー感満載。M的には評価せざるを得ない。

15.ボンドガール SM系 評価:★★★★

ダイワメジャー×TizwayのSM系。母父が非主流血統でなかなかしぶとさもあるタイプ。前走初めて多頭数内枠の競馬を経験して、包まれながらも粘って2着。初戦、2戦目と少頭数東京しか経験していなかった上に、休み明けでもあったので、かなり評価できる内容。また、NZT組は人気>着順という激走組の相性が良くないため、1人気2着も丁度いい。初の軽い人気落ち+差しに回る位置取りショックを仕掛けられれば。ただ気になるのは、前走休み明けでマイナス体重だった点。元々デビュー前から騒がれていたように完成度は高い馬だと思うので、前走の内容がいっぱいいっぱいだった可能性も0ではない。そこさえクリアできていれば。

16.マスクオールウィン SC系 評価:★★

ドレフォン×ハーツクライのSC系。元々短距離を使われていた馬で、戦績からは一本調子なS系かと思っていたが、400m延長だったフェアリーSを控えて2着したことで、一気に印象が変わった。競走馬にとって延長で控えることはかなりの苦条件なので、この2着だけでもうポテンシャルの証明としては十分と言える。ただまたしても外枠を引いてしまい、狡い競馬ができなくなってしまったのは痛恨。また、前走先行していれば差しに回る位置取りショックも仕掛けられたのだが、それもできず。変な話、フェアリーS2着単品で他馬と勝負する形なので、色々惜しい。

17.ユキノロイヤル S系 評価:☆

ディーマジェスティ×タイキシャトルのS系。ディーマジェスティは現役時代皐月賞を勝ったように、ブライアンズタイム色強いディープ産駒で、いかにも中山>東京のパワー型の馬だった。ユキノはその父に加え、母父タイキシャトル、母母父ホリスキー、母母母父Allegedと、全てにおいて東京に合っていない。前走のような中山の道悪がベストの配合。距離は2000mくらいまでは持ちそうなので、逃げられなかった逃げ馬を使っての来年の福島民報杯あたりで。

18.ロジリオン CL(S)系 評価:★★☆

リオンディーズ×パイロのCL(S)系。配合的にはダートも走れそうなパワー型S系配合だが、東京で速い上がりを繰り出したり、普通にダウンのスローを折り合って勝利したり、全体的にまとまっているのが印象的。というか、この配合でこの上がりは異常。リオンディーズは延長からっきしの種牡馬だが、既に違和感の走りを見せているため、同馬に関してはあまり血統に拘り過ぎない方がいいだろう。違和感はポテンシャルの証明だと思っているので、かなり不気味な存在。ファルコンSもストレス保有時のどん詰まりで、酌量の余地あり。インから綺麗に抜けてこられれば。

まとめ

☆ノーブルロジャー
☆アスコリピチェーノ
☆ボンドガール
☆チャンネルトンネル

注目馬はこの4頭にします! 異端臨戦+経験値が豊富なノーブルロジャーが無難な選択肢という気はしています。Mラジではボンドガールを◎にしていたのですが、ボンドガールは5人気くらいの想定だったので、8倍台だとノーブルの方が魅力的に見えてきますね。

以上です。
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