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受け取ることのあたたかさ

私は昔から褒められるのが苦手な子どもでした。

かわいいねと言われれば かわいくないもんと返し

えらいねと言われれば むすっとした顔で
その人の顔をじっと見つめ返したりしていました。

天邪鬼という言葉の意味を知った時は
私のことだなと感じたものです。

今日は仕事が休みだったので
買い物ついでにふらっと外に出てみました。

無くなりそうだったボディソープとお昼に食べようとお蕎麦、
それとじゃがりこを買おうとレジに持っていくと

「レジ袋はご利用ですか?」

ほぼ手ぶらで来ていた私は、はい、と答えました。

ご夫婦でレジに立たれていたご様子で
その旦那さんの方がわざわざ
ボディソープとお蕎麦の袋を分けてくれていたのです。

全部一緒でいいですよ、と声をかけました。

すると旦那さんは

せっかくのお蕎麦から洗剤の匂いがするのは嫌でしょう。
袋代は入りませんから、よかったら袋使ってください。

と言ってくれました。

隣の奥さんは

このお蕎麦おいしいですから。
楽しんでくださいね。

と優しく微笑んで、買ったものを渡してくれました。

昔の私であれば

別に分けなくたっていいのに。
歩いてすぐのところに住んでいるし
それに、洗剤の匂いなんかわかんないだろうし。

と、思っていたに違いません。

今の私はその心遣いを
ありがとうございますと、受け取ることができました。

ちょっとしたことですがご夫婦とのそのやりとりに
心がほっこりしました。

受け取るってこんなにあたたかいことだったんだ

小さい頃の私に教えてあげたいです。

かわいいねと言われたら うれしいな

えらいねと言われたら やった〜!

と、素直に伝えることができていたのなら。

もっとやさしい世界になっていたのかも知れません。

もとい、褒められることが恥ずかしくて
どうしようもなく素っ気ない態度をとっていた昔の自分のことを
今の私はかわいいところがあったんだなと思えるので
どちらにせよ世界はやさしくできているのでは

と、思うばかりです。

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