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大会は誰が作るもの?

陸上コーチのMBです。

10月30日ミドルディスタンスサーキット(以後MDC)東京大会が終わって、一昨日運営スタッフの最後のミーティングも終わった。

MDCとは?

TWO LAPS主催の中距離の陸上大会だ。

以下MDCの主旨や横田コーチの思い。

【TWOLAPSは国内最高賞金の中距離サーキットを開催することにしました】
https://note.com/twolaps/n/n0a94ee56b944

【TWOLAPS TCが大会を開催する理由】https://note.com/twolaps/n/nbc76c65f80c3

さて、タイトルにも書いた「大会は誰が作るもの?」について話していきたい。

結論から言うと、
大会は『大会に関わるみんなで作るもの』だと思う。

大会に関わるみんなで作るもの

なんだMB、普通のこと言ってんじゃん。そう思う人も沢山いるだろう。

しかし、僕は大会を作る上でそれぞれに役割があるということを伝えたい。

今大会では「応援する、出場する、支える」と3つのテーマのもとに大会が開催されている。

大会公式サイト

大会に関わる人たち

大会に関わる人たちには大きく分けて「選手、観客、運営」の三種類あると思う。

する(選手)=大会に出場してパフォーマンスする
みる(観客)=大会を観て楽しむ
ささえる(運営)=大会を主催する

今回、大会に運営スタッフとして一から関わらせてもらい、見えてきたものがある。

それは大会の骨組み、良し悪しを決めるのは間違いなく運営だと言うこと。
では、大会の良し悪しの定義とはなんだろう。

良い記録が出ること、観客が楽しめることなどたくさんあるだろう。

答えは、大会に関わる人が「今日ここに来てよかった」と、どのくらい思えるか。満足度、これに尽きる。

そして、その満足度を大きく影響を与えるのは運営だ。

例えば、楽しい大会、雰囲気の良い大会をイメージしてほしい。必ずと言っていいほど、音楽が流れていることが多い。

大会とは音楽だ

なぜ音楽が流れているか?それは音楽が流れている方がリズムが良くなるからだ。

流れる音楽によって、人の気分や感情が変わることは科学的にも証明されていて、実体験としても感じているだろう。

つまり、音楽をかけることによって、大会にメリハリをつけているのだ。


競技中は緊張感のある音楽や静寂を
競技後は選手を称える
競技外は明るく楽しい雰囲気を

大会の音楽ひとつで大会は全く違う雰囲気のものになる。

音楽ついでに、大会をバンドに例えるならこんな感じだろう。

作詞・作曲家、プロデューサー⇒大会運営者

大会の目的を作る(目的、目標、日時場所、対象、タイムテーブル、演出)

ドラム、ベース⇒ボランティア、ディレクター

大会進行のリズムを作る(大会当日での裏方業務)

ギター⇒審判、コーチ、ゲスト

選手のパフォーマンスを直に支える、盛り上げる

ボーカル⇒選手

大会で良いパフォーマンスをする、時にファンサービス

ファン⇒観客

大会に熱狂、没頭し、自分の時間を投資する

どれも大切な役割だが、大会という舞台を作っているほとんどは裏方だ。

大会をデザインする運営者、大会の進行のリズムを作るボランティア、選手に近いところでサポートをする審判、大会をより活気付かせる観客たち、これらの土俵でこそ、選手たちはより輝くことができると思う。

僕が今まで関わったことがある役割は、選手、コーチ、審判がほとんどだったが、今回関わってみて感じたことがある。

大会運営者・裏方が楽しんでやるということ

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ありきたりな言葉だがとても大切だ。
以下の動画を見てほしい。

大会発起人であるTWO LAPSの横田コーチがMDC東京大会当日朝6:30にミーティングでボランティアに話した内容だ。

「皆さんが大会の顔になる。ボランティアの笑顔、楽しむ姿勢が1番大会の雰囲気を作る。」


まず、大会を作る人、支える人が、大会を楽しめなかったら、そこに参加する選手や観客は大会を楽しめるわけがない。

逆に、自ら大会を作りたい、関わりたいと思える大会は自然と楽しめる。

MDC3大会当日の裏方業務のほとんどはボランティアさんによって支えられている。

TWO LAPSマネージャー山田さんの記事。【"Game Changer"じゃなくてもサーキットはつくれる】
https://note.com/twolaps/n/n046ff6349b83

大会成功の理由

今まで選手として、コーチとして、「なぜ、陸上の大会は野球やサッカーのように、海外の大会のように陸上は盛り上がらないのか?」と考えることはたくさんあった。

文化、スター選手、歴史、露出度、お金、スポンサー、ゲーム性など様々な理由があるだろう。

しかし、本質は大会を作る側が大会を楽しめていないこと、楽しもうとしていないことが最大の理由だと僕はMDCを通じて学んだ。

これは僕の意見だが、既存の大会ではいかに選手に良いパフォーマンスを発揮してもらうかにスポットライトを強く当て過ぎていると考えている。

それによって、大会運営は選手を中心とした人員配置なされていたり、役割分担の荷重によって、楽しい大会を作ろうというところまで意識が回っていないような気がする。

良いパフォーマンスが生まれることは良いことだ。しかし、あくまでも大会が成功する一つの要因に過ぎないし、逆に良い記録が出ないからつまらない大会になるのは本当にもったいない。

そう言った意味で、今回のMDCでは良い記録が出たこと=大会成功の理由ではない。

それよりも、楽しい大会を作ろうと大会運営者が強い思いを持って、それに賛同する多くの方々によって良い雰囲気が生まれて結果として記録が出たのである。

また、今大会が既存の大会と大きく異なる点は、競技以外での選手たちの活躍だ。

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※大阪大会ディレクターと選手インタビューを務めた石塚選手

3大会ではTWO LAPSの選手たちがディレクターを務め、それぞれの大会ごとに違ったカラーを出していた。

※東京大会のディレクターでリレーを提案した卜部選手

※福島大会ディレクターであり、MDCファイナル2位の田母神選手

また、運営にも選手たちが積極的に参加していたし、どの選手たちよりも大会の笑顔を作ろうと尽力していた。

彼らの頑張りや立ち振る舞いは今後のアスリートの見本になると思うし、僕自身学ぶところがたくさんあった。また、チームを束ね牽引する横田を中心としたTWO LAPSは本当に強いと改めて感じた。

『大会は誰が作るもの?』やはり、大会に関わるみんなで作るもの、これは変わらない。

大切なのは大会を作る人たちがそれぞれの役割を理解し、一人一人が参加して良かったと思えるようにその大会を楽しむこと、これが一番だ。

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来年以降のMDCがもっと楽しみになった。
なぜなら、TWO LAPSはまた大きな目的・目標に向かってスタートを切っているからだ。

以下TWO LAPS新田コーチの記事。

僕にとっての陸上界を盛り上げるとは(新田コーチ)

新田コーチのnoteに書かれた今大会の観客1000人という数字は他のプロスポーツ等に比べると少ないのかもしれない。

しかし、逆の見方はすれば陸上には伸び代しかない。これからは今まで陸上の楽しさを知らなかった人に届けるチャンスがたくさんある。

そう考えると、横田コーチが言うように、みんなで新しいもの作っていく楽しさがある。

その大きな一歩に運営スタッフ、陸上ファン、陸上選手、協力スポンサーとして関われたことは貴重な時間だった。
ぜひ、来年以降も一緒になって盛り上げていきたいと思う。


最後に、運営協力させてもらう機会をくれた横田コーチやTWO LAPS関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

また、弊社協賛の大会に参加された皆さまに感謝申し上げます。


それでは来年のMDCでまたお会いしましょう!!

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