トッド・ラングレン自伝「インディヴィジュアリスト」とAppleの関係

Patreonやnoteというプラットフォームは、インターネットを介してテキスト、サウンド、動画などマルチメディアコンテンツを配信し、その課金を容易にしてくれる仕組みだ。アーティスト、メディアのパトロンとなるプラットフォームで、現在はこの仕組みを利用して活動の糧にしているところは多い。Mastodonのオイゲン・ロチコさんの活動源はPatreonで、backspace.fmが運営するBackspace Magazine(BSM)はnoteをそれぞれコンテンツ配信と課金に利用している。

そういう仕組みを全くのゼロから、独力で作り上げたミュージシャンがいる。トッド・ラングレンだ。多くのミュージシャンが敬愛するミュージシャンズミュージシャンである彼が1998年に作ったPatroNetという仕組みは、その先駆けとなったものだ。まだ決済システムとかが出来上がっていない時代である。Flash動画、テキスト、MP3、さらにはリアルタイムチャットまで備えた専用プログラムで、トッド自らバックエンドからフロントエンドプログラム(Shockwave Directorベース)を開発していた。

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