真V雑感:3行感想とシナリオ(中盤以降ネタバレ有)

久々にぶっ刺さりしたタイトルだったので色々ぶちまけたくなりました。
2.にはネタバレあるので未プレイはブラウザバックしてね。

もっと色々書くつもりでしたが夜中の勢いで分量増えちゃったので一旦シナリオに絞ってみました。

1.3行感想

シナリオのみの感想の前にざっくりと全体の感想を。
後のみみっちい詳細はともかく結局どうなのよってとこですが正直、

バトルクソ面白い!
育成クソ面白い!
シナリオうっす!


って感じです。

そもそもこのシリーズのイメージとして有名タイトルではあるけどRPGとしてニッチな印象でした。
プレイした後もイメージそのまんま!

薄味かつ宗教色の強いシナリオ、歯ごたえのあるバトル、中毒性の高い育成要素!

下馬評通りじゃん!

個人的にはシナリオが薄い点までぶっ刺さり、1周するのに80時間かけました。寄り道と悪魔合体が楽しすぎるよ……

とはいえ人に勧めるかっていうと無理です。学生時代に神道やギリシャ神話やらカバラを意味もなく調べて、授業に世界について夢想してるような例外を除いて。

結局3行じゃないじゃん!


2.シナリオについて

ここから先は思いっきりネタバレ有りです。興味ない人はそもそも場末のこんなブログは見ないんで未プレイ・未クリアはED見てからまた来てください。









前述の通りシナリオに関してはとにかく薄味です。それを顕著に感じられるのがメインキャラ。メインって何……?

徹底してドライに淡々と状況が進みます。最低限の経緯を説明されて現場へ投入。キャラの内面の描写は余りされません。
大ヒットした派生作品と真逆もいいとこです。あっちはあんなに人と縁を育むのに……
お陰で中盤であっさり死んでしまうヒロインズや一途に東京を守ろうとするイケボの総理・優等生ペアにあまり感情移入できませんでした。

ただこれにも例外があり、ロウ側であるアブディエル・イチロウペアにはそれなりの尺が割かれており、闇堕ちムービーにはかなりの力の入れようが伺えました。

まず、第一印象はカオス側のイチロウですが、内面は自分の意見がなく状況に流されて劣等感を抱えながら生きているような人間でした。何をやっても上手くいかず、そんな折に現れた頼れる上司のアブディエルさま……ああ、自分にもあったなそんな時期。そうした人の行き着く先は心酔です。見事アブディエルさま、ひいてはアブディエルさまの崇拝する唯一神の思想にどっぷり浸かったイチロウはトレードマークの帽子を捨てロウヒーローとして覚醒します。
ここら辺は所謂闇堕ちにあたる描写なのですが、弱い人間が困難を経て強く成長して行くという王道の筋書きでもあるため反転して主人公の覚醒シーンにも見えてきます。だって落ち込んだ上司を叱咤して再び立ち上がらせるんだよ……熱いじゃんこんなの……!

アブディエルさまもアブディエルさまです、高圧的な嫌な上司として登場したにも関わらず、その実、社長と専務不在かつとんでもなく劣勢というどう考えても詰んでる状況での組織の立直しは想像しただけで吐き気がします。また、一見絵に描いたような高飛車上司ですが敵前逃亡をかましたイチロウに高レベルの天使を充てがうなど意外とチョr面倒見の良い一面を見せてくれます。とはいえ所詮は中間管理職である天使。案件の功労者ではあるものの職務規定違反の主人公を成敗しようとしたところ返り討ちに合い、各支部の長である多神教の神々に見限られます。ああ、これも経験あったわ……。さすがにこれには心も折れたのか会議室で激凹みしてる姿はあまりにも哀れで涙を誘います。そんな中目をかけていた部下からの叱咤激励、覚醒と謎のお告げにより見事再起!更には法を守るため自ら脱法行為(堕天)を行うという自己矛盾をぶちかまします。この一連のシーンは中々のエグさでしたね。アンチヒーロー大好きな人は絶対好きでしょこんなの!

主人公って誰だっけ?ってレベルで優遇されてたように思います。でもカオスルートにしたけどね!!!


ってなわけでここからはシナリオの流れ(ルート分岐前)について触れていきたいと思います。


シナリオの大まかな流れとしては、

主人公、魔界に飛ばされる
 ↓
悪魔とフュージョン、ナホビノに
 ↓
実は18年前に第一次?魔界戦争勃発しており、東京は既に滅んでたことが発覚
 ↓
第二次?魔界戦争勃発、ロウ側の勝利
 ↓
天津神ロウ側から離反、第三次?魔界戦争開戦
 ↓
主人公、他勢力を倒して王になる

って感じです。
実は度々神々の王を決める争いがあり、前回の勝者が唯一神であったこと、次の争いの芽を摘むために他の神々から知恵を奪い弱体化させていたことが明かされます。
東京が魔界化していたこと含めこの物語そのものが次の神々の王、世界を創生できる真の神を決める儀式だったわけです。だからこそラストダンジョンがあの淡白さだったのかとも思います(納期的に力尽きてる感もありますが……)。シナリオとして次の創生に至るまでの壮大な神話を描こうとしていたことが伺えます。キャッチコピー通り。
そう考えると人間の細かい描写が省かれてるのもなんとなく合点がいきます。

とはいえ、神話には神々による変なエピソードは付きもの!ということもあるのかサブクエはやたら充実してたように思います。単純に数も多いし、どちらの依頼を受けるかと言った分岐のあるものもそこそこにあり、特定のクエストから更に次のクエストへ流れていくこともしばしば。その中で見せる悪魔達とのやり取りは短くとも愛着を沸かせてくれます。
更に仲魔になった後は長い間活躍してくれる悪魔もおり、普通にプレイしていれば表面上のやりとりが続いていたメインキャラよりもよっぽど思い入れがあるはずです。(自分はアルテミス、イズン、クレオパトラさんにめちゃくちゃお世話になってました!あとサブクエシナリオとしても大好きなコンスくんも!)
後日書くつもりのシステム面においては、いくつかの悪魔をナビとしてつれていくこともでき、様々な反応を見せてくれます。
また、特定の悪魔の組合せで会話すると特殊な演出が発生し、アイテムがもらえると言ったサプライズも悪魔たちへの愛をより一層高めてくれていると思います。ヒロインはアオガミおじさんを含む悪魔たちですね、やっぱり。

こうして書き起こしてみると薄味とはいえ、しっかり意図のある造りになってることが確認できました。文字数だけ見ると濃い目の味付けにみえてくるな…。単に間に合わなかっただけじゃないっぽい。良かった。

ルート分岐に関してまだ自分がカオスルートしか行けてないので詳細は省きますが、キャラに感情移入しづらい代わりに最初はカオスルートへ誘導しているように感じました。この辺は我々の現実の世相も関わってきます。

今の世の中の大きな流れとして多様性が主流となっています。今まで認められなかった個性も含めて尊重し、誰もが素の自分で生きやすい社会であることが善であるという風潮になっています(とはいえこの主張に則るフリをして他の個性を潰そうとしている輩もいますが)。
ゲームの中でのカオス側の主張としては唯一神の支配を脱し、八百万の神による多様性の社会をと中盤以降しきりに発するようになります。これは前述の今の社会で善とされている価値観と一致していますよね。
意訳になりますが対するロウ、ニュートラルにおいてはそれぞれ旧支配層による価値観の肯定による安定、悪魔(≒旧支配層)からの脱却→弱肉強食の世界へとカオス側と比較して少々キツめな主張となっています。(こう文字にするとニュートラルこそ真のカオスに思えますが…)
こうなると比較的マイルドかつ現代的な善の価値観に近いカオス側の主張が受け入れやすく思います。
とはいえカオスEDも結局は神々同士(=価値観)がぶつかり合い諍いの絶えない世界だとされてしまいますが。
もちろん他の勢力の主張に関しても受け入れやすいポイントは台詞なり何なりに入っているためカオス以外の主張に惹かれることも十分に納得がいくと思っています。
最初にカオスを選んだのも多様性こそが重要という思想を自分が持っていることも大きく作用していると思っています。もしかしたら思想でストーリーの見方にバイアスかかってるかもですね。


他のルートでの結末もしっかり見ていきたいです。


でもやっぱり残っている伏線やら山手線の東側しかないマップに関しては、恒例の完全版or続編を匂わせてるように思います。完全版出すんなら引き継ぎや金銭面での無駄が多いのでいい加減、大型DLCという形にしてほしいですが。一応真ⅢのリマスターでマニアクスがDLCになってるので期待したいところです(ライドウがダンテに差し替わるだけみたいですが)。

ちゅうか早く追加要素くれ!!!待ち遠しくて仕方がないわ!


ということでシナリオ感想でした。

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