叔父さんの書店を考えてみる
注意事項
これはフィクションであり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言を元に構成していません。
多分に妄想が含まれておりますので、お気に召さない方はここでブラウザバックでお願いします。
はじめに
本記事は、 #ふみ物語を初夏の夜長に 企画に便乗して、勝手に色々妄想してみよう的な内容となります。今回は(これは単発ネタです)、アイドルマスターシンデレラガールズ(以下デレマスと記載)のアイドル、鷺沢文香の叔父が営む書店について。
とりあえずヘッダは長野県上田市の柳町。ちょうど右手にコトバヤがある辺りです。
そもそもなぜこのテーマなの?
さて、ではなぜこのテーマにしたのかですが...とても簡単。「そんなにここ、掘られてないんじゃね?」と思ったからです。なんというか、本屋方面の設定があるのにそこまで言及されてないのはなぁ、と思ってしまいまして...
用語整理
本題に入る前に、本記事で多用する言葉を整理しておきます。あくまでも本記事内での定義なので、一般的な利用とずれているところはあるのでご容赦ください。
・版元 : 出版社のこと。 「版元」・「出版社」どちらも使いますが同じ意味でとらえてください。
・取次 : 版元と書店の間に立ち、流通を主に担う業種。卸問屋だと思っていただければ。
・直(直取引) : 書店が取次を通さずに版元から仕入れる形態。
・新刊書店 : 新刊書を主に販売している書店。
・古書店 : 古書を主に販売している書店。ただし新刊仕入れを行ったりしている古書店もあるため、境界がかなり曖昧。
そもそも新刊書店?古本屋?
さて、本題に入りましょう。鷺沢文香のカードの中では、以下の通り書店について言及されています。
「…書店は叔父の手伝いで。…本業は学生で…専攻は文学部です」
書店というキーワードのみで反応する実に単純な自分がここにいますが、これはこれでかなり気になる。さて別のセリフ。
「あ、貴方は……先日、書店にいらした方、ですね?たしか、芸能雑誌や写真集を何冊も買われて……それと、アイドルをお求めとか」
これを見る限り新刊書店のような気がしなくはない...ただ...
「書店のお仕事は座っていればよかったのに、アイドルというのは…」
とも言っている...新刊書店で座っていられるイメージってないんですよね。以前ブックマンションで参加したあかり書店さんのイベントに出た限り、本を仕分けたりとかはするから腕の力は強くなる、というのはわかるのですが...これだけで古本だと断定するには少しだけ早いかなぁとも。椅子はあるから座れるといえば座れるし、市(交換会)で買ったものとか持っていれば結構重いものを持ち運ぶのはできると思いますが...取次経由で雑誌を仕入れることができるのかなぁと。新刊書店で大取次を使う場合、日販だと保証金で6~10ヶ月分くらい保証金かかるらしいですし(出版流通学院での記事を参照)...あと、独立系新刊書店(Title)の事業計画書を見ると...なかなかやるのは難しい...
「あかり書店」さんのイベント参加記事は↓。
あと、初出が2013年で、ここからマイナス数年だとしても、2000年代前半辺りで個人で新刊書店を開くというのはなかなか難しいのではないかなぁってのは思います。本屋本がだいぶ出てきたのが2015年以降ですし...また、ご存知の通り出版統計を見ても年々右肩下がり、返品率40%くらいだと新刊書店として運営するって結構難しそうな...
と、新刊書店でありそうな可能性を潰しまくりました。正直カードの絵柄としては古本屋という線が結構濃厚な感じも。かなり前の岩波文庫っぽい本が描かれているものもありますし。正直、重労働が大丈夫で座っていられるというのが、古本屋のような気がしてなりません。買取や市は叔父さんが出向き、整理とかをやるという分担は、あるかもしれません。
古本屋であれば、本の値付けも店主判断でできますし、それなりに新刊書店よりはやっていけるのではないかなとも。。。
結論
皆さんのご想像におまかせします。 もう少し勉強します。
おまけ:古本屋で新刊を仕入れることってできるの?
答え:できます。
新刊の仕入れは新刊書店だけ、と思っている方も結構いらっしゃると思いますが、大取次を使わなければ、実際のところ仕入れは可能です。
ただし基本的に買い切り(売れなかったら在庫となります)です。本当は自分の間借り先でも新刊の仕入れを今年から始めたいと思っていたのですが、情勢が情勢のため、見事に動くことができず...
色々な本屋から話を聞いていると、小規模な店(古本屋含む)での新刊仕入れは以下のパターンが多かったです。どちらか片方の場合もありますし、併用している場合も。
・八木書店、子どもの文化普及協会を利用する
・トランスビューや直を使った仕入れ
また、バーゲンブックを仕入れていくという手も。本当はこれも、やってみたかったんですけどねぇ...
ホワイエを使った仕入れもやっているところはやっていますが、本屋というよりは、お店にプラスして本を置いてみたい層に対しての働きかけなんですよね...
参考
本記事を書くにあたって、以下の文献を参考にしました。
能勢仁『平成出版データブック 『出版年鑑』から読む30年史』(ミネルヴァ書房)
辻山良雄『本屋、はじめました』
おまけ
古本だとこの辺がオススメ