見出し画像

うえなくても馬鈴薯

庭のプランタにうえていた馬鈴薯の葉が黄色くなってきていたので、いもをほりあげた。この文は、いろいろと正確ではない。
まず、「うえていた」の部分がおかしい。この馬鈴薯、春になってかってに土のなかから芽をだしてきたものだ。芽がでてきたのをみて、あわててうえたほうはうまくいかなかった。3〜4本もでてきたのに土をたして雑草をおさえたら、しっかりとのびていった。そうなってようやく、「あ、これは収穫できるな」とおもったわけだ。

画像1

4月の初旬には、もうこのぐらいにそだっていた。もっとしげるかなとおもって期待していたのだけれど、プランタの限界なのか、日あたりのせいなのか、それとももともと雑草のように芽をだした力がよわかったせいかわからないけれど、すこしまえから葉の色がわるくなりはじめていた。一般に、馬鈴薯はおおきくそだってくると花をさかせる。花が結実することはふつうあまりないけれど、この時期になるといもがふとってくる。そしてすこし葉にちからがなくなってきたころに収穫期をむかえる。ところが、このプランタの馬鈴薯、葉に黒っぽい点がつきはじめた。これはモザイク病ではないだろうか。収穫期になったから葉が黄色くなってきたというよりは、どうもウィルスのせいでそれ以上の成長ができなくなったというほうが正しいような気もする。

モザイク病は、アブラムシなどによって近隣の畑に伝染する。だから、馬鈴薯をうえるときにはきちんと検疫のすんだたねいもを用意しなければならない。そうでなければ周囲の圃場にも迷惑をかける。自分だけのことではない。このあたりは農家の常識だ。
けれど、家庭菜園ではいろんなものがかってにはえてくる。かってにでてきた馬鈴薯がウィルスにかかっているかどうかをしらべることはできない。だから本来なら、そういう雑草化した馬鈴薯はさっさとぬいてしまうべきなのだろう。リスクはさけるべきだ。
けれど、私の家は住宅地のまんなかにある。周囲に馬鈴薯の畑はない。仮にウィルスにかかっていたとしても、アブラムシの移動能力をかんがえれば、どこに迷惑をかけることもないだろう。
そして、ウィルスに感染していたとしても、馬鈴薯はかわらずおいしくたべられる。生育がわるいぶん、すこしいもは小さくなる。けれど、うつくしいいもが土のなかからでてくる。

画像2

最後のツッコミどころは、いもをほりあげたという部分だ。このプランタ、長いことつかっているのでプラスチックが劣化していたらしく、すこしまえにものをぶつけたときに側面がわれてしまっていた。なので、いもほりは、ほるのではなく、また、当初かんがえていたようにプランタをひっくりかえすのでもなく、プランタをわってとりだすことになった。ほる、というよりもひろいあげるといったほうがよかっただろう。

画像3

なぜだか長芋が1つだけまじっている。いものかたちをみると、どうやらメイクイーンの系統だったようだ。小さいいもは、油でいためて味噌で味をつけるとうまいだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?