小学校教育に関する政策比較【都知事選2020】

 都知事選挙が近づいてきました。
 各候補者から様々な政策が出されていますが、私は小学校教員ですので、小学校教育に関わる部分を抜粋してみました。
 選挙公報と候補者がホームページで公にしているものを参考にまとめたものです。
 学校教育に関わっていそうなものを私の判断で選んでいます。待機児童など保護者に関わることについては扱っていませんのでご了承ください。

各候補者の小学校教育に関する政策

【山本太郎】
https://taro-yamamoto.tokyo/
※記載なし

【小池ゆりこ】
https://www.yuriko.or.jp/policy
・一人一台の学習用PC・標準的学習コンテンツの整備等によるオンライン学習の強力な推進
・学びの遅れを取り戻すサポートスタッフの大幅拡大
・「東京型教育モデル」:対面・オンラインのベストミックス・インクルーシブな環境・フリースクールなど学びの選択肢の多様化・個別最適化
・ICT・理工系教育・金融教育の強化


【七海ひろこ】(撤退)
https://nanami-hiroko.net/policy2019/
・教育無償化はバラマキ政策であり、教育の質の低下を招くため反対
・教育の自由化を進め、公教育や私学、塾などによる教育界全体の底上げを図る
・いじめ対策強化
・二宮尊徳精神の復古
・新しい教育のカタチの実現


【宇都宮けんじ】
http://utsunomiyakenji.com/policy
・学校給食の完全無償化
・義務教育の完全無償化(修学旅行や教材も含む)
・少人数学級(20人学級)
・インクルーシブ教育の推進
・9月入学に反対
・私学振興のための施策を検討・実施
・障がいを持つ子どもへの支援体制の整備・充実
○競争の教育に歯止め
・小中学校の学校選択制、学校統廃合、小中一貫教育、全国学力テストなどを検証する
・高校入試をより競争的でないものに改革する
・「教育再生」に反対し、自由な教育を守る
・石原教育改革による抑圧的な学校管理・教員管理政策の見直し(日の丸・君が代、職員会議での挙手の禁止など)
・学校評価制、教職員の業績評価の見直し
・校長権限の拡大、副校長、主幹制などの組織改編の見直し。教育現場に密着した平等な教育集団の形成という視点をもつ。
・教職員の勤務条件の改善
・非常勤講師の業務委託、請負の禁止
・派遣契約での非常勤講師の実態調査、対応。文科省にも直接雇用にするようはたらきかける。
・都独自の教員給与体系(人事考課制度とリンクしている)の改正
・いじめの実態調査の近況施行、専門家による対策の検討
・いじめの相談窓口、オンブズパーソンの開設、充実
・人権教育の徹底
・子どもの権利条約を教職員、子ども達で共有するための学びの場の創設
・スクールセクハラへの改善施策の具体化
・いじめも体罰も暴力であるという理解を教育委員会、学校、教師に徹底させる
・いじめ問題の全職員での共有、職員会議や学年会議の時間の確保
・いじめに対処するための教職員の研修制度の改善
・安倍内閣による教育再生という名目で進められている教育委員会制度の解体に反対
・教育委員会の下に、企業経営者、労働者、保護者、子どもなどの社会各層の代表を参加させる諮問委員会を創設
・教育委員会の準公選の実施
・教育委員会が教育行政に携われるよう、人数の拡充のために法律の改正を求める
・教育に主張が介入したり教育委員会の権限を形骸化するような不当な支配から守る機関として、都教育委員会や都教育庁を見直す
・教育委員会と教員団体、その他教育関係団体と建設的な関係を構築し、協議を継続的に行う
・石原都政以来、縮小された職員会議の地位を強化し、現場の声を学校運営に反映する仕組みを復活させる
・石原都政下で改正された教育基本方針を改訂する


【桜井誠】
https://japan-first.net/policy/
・国旗国歌の義務化
・教科書用図書検定基準に定められている自虐史観の一掃を目指す
・英語偏重を見直し、国語や道徳、日本の戦後史教育などを充実させる
・教育公務員特例法を見直し、法律違反を重ねる教育者に対して厳格な処分が可能な体系
・私学学校振興助成法などを見直し、外国人留学生に依存する私学への公金を投入させない
・学校給食の無償化を推進

【込山洋】
https://komiyamahiroshi.jimdofree.com/
※記載なし

【小野たいすけ】
https://ono-taisuke.info/policy/
・学校外教育バウチャーの導入

【竹本秀之】
https://www.hideyukitakemoto.com/
※記載なし

【西本誠】
※記載なし

【関口安弘】
※記載なし

【押越清悦】
※記載なし

【服部修】
・オンライン授業推進
・紙の教科書廃止
・学校解体で子どもを解放する
・「正解」を教えない教育

【立花孝志】
・オンライン授業推進
・紙の教科書廃止
・学校解体で子どもを解放する
・「正解」を教えない教育

【齊藤健一郎】
・オンライン授業推進
・紙の教科書廃止
・学校解体で子どもを解放する
・「正解」を教えない教育

【後藤輝樹】
※記載なし

【澤紫臣】
・ITを活用した社会教育の充実
・ハード面のスタンダードの制定
・ハードウェア面の充実
・詳しい人材の育成
・現場が手探りしなくてもよい取り組み

【市川浩司】
※記載なし

【石井均】
https://hi0815.com/
・学校経営の自由化、株式会社の参入の自由化
・学校法人の優遇税制の廃止
・学校法人の設置の自由化
・教育格差問題

【長澤育弘】
※記載なし

【牛尾和恵】
https://tokyosen-ushi.amebaownd.com/
・教員の報酬を平たくする
・オンライン学習と少人数グループ通学の平行実施
・端末の無償配布
・給食なし、近隣の飲食店で各自テイクアウト
・健康チェックの各自実施
・集団通学の原則禁止

【平塚正幸】
https://kokuminsyuken.jp/
※記載なし

【内藤久遠】
※記載なし

画像1

ここから私見です。

 全体的に、学校教育に関する政策は少ないんだな、ということを思い知ることになりました。10名ものかたが「記載なし」… やはり教育への関心は薄いのですね。寂しい限りです…

 読んでいる中で、現場の声をまともに聞いてつくったな、と思えるのは宇都宮氏のものだけでした。宇都宮氏のものは石原都政からの改訂が全面にだされた感じがあるものの、現在の現場教員を管理する方針からの転換が色濃く出されており、また教育の独自性の担保についても言及するなど、教育現場の声がよくわかっている印象でした。

 小池氏の政策は、現職ならではの現状での課題への対応が検討されている印象ですが、目新しさはなく、とても充分な政策であるとは言いがたい内容です。

 小野氏については、ホームページには記載がなく、Twitterでは散見されているので、それをとりまとめていただけたらと思っています。熊本県ではオンライン教育も先進的に進めてきていた印象があるので、そのあたりもまとめられていないのがもったいないところに感じられます。

 山本氏も記載なしだったのが、少々意外でした。どこかに記載されているのかな…

 他の候補者については、現場の状況は知らないままに思ったことを綴ってみた、というところなのではないかと憶測しています。 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?