ルックバック - どうしてこの物語はこんなに心を揺さぶられるのか - 自分の人生と照らし合わせてみて
前回書いた「ルックバック - どうしてこの物語はこんなに心を揺さぶられるのか」を書いて、自分の人生をちょっと振り返ってみて、なんでこんなに心を揺さぶられるのかをもう少し考えてみたところ、思うところがあるのでここに書いておこうと思いました。
こんなことを上記の中で書きました。
このことは自分の人生の中でのものすごい後悔になっています。本当に最近特にあの時にどうすることが正解だったのかという問いかけが頭の中で何度も何度も浮かんできて自分に投げかけられています。しかし、残念ながら何をどうしても正解はなかった、自分の選んだ方法しか取れなかったという結論しか出てこないのです。そのような結論が出ているにも関わらず何度も頭の中にその言葉が浮かんできます。
私はモノを創る仕事を辞めて自分の気持ちに蓋をしました。これを続けたいと望んでももうそれは叶わぬことなのだと。そして、ところどころでモノを創るっぽいことをしてはいましたが、それも自分でうまく時間を作ることができずにやり始めては止め、また違うことをやり始めては止めという連続でした。そして自分の生活の中でモノを創るということから目を背けて触れないようにしてきました。
そんなある時に会社の研修で自分のこれまでの人生を振り返り、同じグループになったその研修で知り合った人に発表して質問を受けるということがありました。私がそのことに対して発表し質疑応答に入った時に同じメンバーの人に言われた下記の言葉が私の気持ちの蓋を開けてしまいました。
「そんなに楽しい仕事だったのに、なんで辞めてうちの会社に転職してきたの?」
彼にとっては全く悪意はなく、本当に私の語った内容や私の態度でそのように感じたのでしょう。不意にこの質問を投げかけられて私は言葉に詰まり、しばらく何も言えませんでした。この時からなんで辞めてしまったんだろうと思うようになってしまいました。そして、その思いは自分の中に澱のようにどんどん溜まっていっています。
なんで、止めてしまったんだろう。たびたびそのような考えが浮かんでは消えを繰り返している時に「ルックバック」と出逢いました。
この中で京本が藤野に対して言った
「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」
この質問が私に投げかけられていたとしたら、その答えが自分がこのように後悔していることの原因なんだと思います。
だから藤野は他人から何を言われても、どんな時でも、そして絶望に立たされても描き続けているんだと思います。
だからこそ私は「キックバック」を読み、藤野に対して尊敬と自分ができなかったことをどうか続けてほしいと強く願ってしまうからこんなに心揺さぶられているのだと思います。
人生で何かを諦めなくてはならない時がない方がいいのですが、それでも自分にはどうしようもない、避けることができないことが起きて諦めなくてはならない時もあるかもしれません。でも、それが本当に好きなことなら、完全に諦めて止めてしまうのではなく、どんなに細く小さくてもいいから続けてください。続けるのが辛いこともあるかもしれないですが、完全に止めてしまって好きなモノに対する気持ちに蓋を閉じたと自分では思っていても、私のようにその蓋はふとしたことで開いてしまうこともあります。そして、その時に辞めてしまったことに対して本当に辛い思いをすることになってしまうと思います。
なので、そのような状況になってしまった人にはどうか諦めずに続ける方法をどうにかして探し出して続けてほしいと本当に願っています。
藤野のようにみんな強くないかもしれませんが、「好き」という気持ちはみんな同じだと思うので。
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