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最短で伝わる文書作成の2つのステップ

 社会人のコミュニケ―ションは、口頭で伝えるだけでなく、文書などの文字で伝える機会も非常に多いものです。例えば、報告書・議事録・日報・メール・チャット・・・等々。すぐに思い出せる範囲でも、これだけ多岐に及んでいることがわかります。
 そして対面が制限されている昨今、文字で伝える傾向はますます高まっています。だからこそ、最短で相手に伝わる文書作成術を身につけておきたいものです。

どんなに時間をかけて丁寧に書いたとしても、自分の伝えたいことが、相手に伝わらなければ意味がない!

 そこで小手先の文書作成テクニックの前に、知っておいて欲しいことをお伝えします。


(1)伝わるための2つの要素

ビジネス文書は、「What」と「How」の2つの要素に分解できます。

図1

そして「What」と「How」の両者は、掛け算の関係だということです。
つまり、どちらか一つが0(ゼロ)だとすると、相手には伝わらないということを意味します。

例えば・・・
どんなに内容が整理されていても、        《What=OK》
文章表現として適切でなければ相手に伝わりません。《How=NG》

逆に
どんなに良い文章が書けたとしても        《How=OK》 
内容が伴わなければ相手に伝わりません。     《What=NG》

どちらも伴うからこそ、相手に伝わるのです。
では、どのように文書をまとめるのかを、下記していきます。


(2)What(何を)・・・要素①

Whatとは”何を”にあたる「話の中身」のことです。話の中身を構築することに苦手意識がある方が多いようです。
そこで、以下に示す4つのステップを丁寧に実施してください。

STEP1:情報整理
まずはあなたの頭の中にある情報を書き出し、整理してみてください。
この段階ではあまり詳細に考えず、ざっくりがポイントです。
その際、できればA4用紙を用意し、手書きで書き出すのがお勧め。キレイな文章にせず、キーワードを洗い出すイメージです。

STEP2:取捨選択
整理する過程で、伝えなくてもよいものは、思い切って切り捨ててしまいます。言いたいことを簡潔にしていくために、必要な手順だと思ってください。これができないと、ダラダラとして印象を与えてしまいます。読み手にとっても、読みづらい文書となってしまいます。

STEP3:主張・結論の明確化
この段階で、伝えたい主張・結論を明確にします。ここ重要です。
伝わらない文書を書く方の多くは、情報を整理した段階で終えており、自分が伝えたいことを明確にしていないケースが非常に多いからです。
情報をじっくりと見定め、何が言えるだろう、何を伝えたいのだろうと再考してください。

STEP4:再構築(構成・詳細情報)
Whatの最終段階です。大きな話の流れを決め、STEP1で使ったA4用紙に、詳細情報を”キーワード”で埋めていきます。流れを修正したければ、→で繋いでください。ここでもキレイに書くよりも、メモ程度にとどめます。

【👉ココがキモ!】
STEP1~4まで、慣れるまでは丁寧に実施してください。最初のうちは、時間がかかるかもしれません。けれど経験を積み重ねることで、スピードは速くなりますから、安心してください。


(3)How(表現方法)・・・要素②

Howとは、Whatを「どのように表現するか」ということです。
①文章表現・言葉選び ②見やすさ の2つについて解説します。

①文章表現・言葉選び
書き手の文章表現ひとつで、読み手の印象は大きく変わります。
例えば、誰かに何かを依頼するとしましょう。
同じことを言っていても、印象は大きく変わるのではないでしょうか。

× 「~~をやってください」
〇 「~~をやっていただけませんか」

言葉選びも同様です。同じことを言っていても、表現一つで印象は大きく変わるのです。

「席をどいてください」
「席を譲ってください」

言い方ひとつで伝わり方が変わるなら、敬語やビジネス特有の表現を蓄積していきましょう。わからない言葉はメモをとり、後で必ず調べてください。先輩や目上の人に確認してもいいでしょう。


②見やすさ
相手に見てもらうために、見やすさを考慮する必要があります。例えば…

・フォントを統一する
・文字の大きさのルール
  (例:大見出し→18P、小見出し→14P、本文10P 等)
・余白をつくる
 資料1ページ内に30%は白い部分(余白)がある

ちょっとした工夫と一手間で、伝わりやすさが変わるのです。

(4)考えながら作るな!
「What」と「How」の工程は、分けるべし

ここまで、あれやこれや伝えましたが、何よりも重んじて欲しいことが、
「考えながら作るな!」ということです。

ビジネス文書は、”What(何を)”と”How(表現)”で構成されていると既に伝えましたが、この2つを同時に行うのを止めていただきたいのです。それには以下に示す3つの理由があるからです。

①ブレる
考えながら作ると、”あーした方がいいかな”、”こーした方がいいかも”と、あっちに行ったり、こっちに行ったりするのです。このような”迷い”が、伝えたいメッセージをブレさせるのです。

②言いたいことがぼやける
”迷い”は、文書はブレさせるのです。そのため一番伝えたいメッセージがぼやけるのは、ある意味、必然とも言えるでしょう。

③時間がかかる
そして、あっちに行ったり、こっちに行ったり。長くなった文書を所々端折る過程で、時間がかかってしまうのです。
時間はコストです。短い時間で作成できれば、コストもより低くすることができのです。

【👉ココがキモ!】
「考える作業」と「書く作業」を分けると、こんなメリットがある!
①ブレない
②伝えたいメッセージが伝わる
③時間を大幅に削減できる

(5)「考える作業」は、手書きメモで!

手書きのメモは、思考を整理するツールだと思っています。

理由は、ごめんなさい・・・はっきりと根拠を示すことができません。
ですが、これまでの経験から、断言します。
手書きのメモは、思考を整理する最強のツールです。

一度、トライして欲しい。
プロのライターである私は、今も思考ツールとして手書きをしています。

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