見出し画像

「断捨離」とゴミ屋敷。

私は物を手放すのにあまり躊躇しない方だ。
「やっぱり捨てなきゃ良かった」と思うこともたまにあるが、ほとんどない。
捨てたり売った物を思い出す事もあまりない。

「何かに使うかも」と思う事があり、なかなか捨てられなかったこともあった。
しかしその「何か」はなかなか訪れない。
場所だけ取られる。

「何かに使うかも」の極みと言える保育所保育士をしていた頃は、物置きでも借りようかと思うほど色々溜め込んでいたが、今はその必要はない。

私はまだ40代だが「終活」を意識している。
人生の折り返し地点を過ぎた今、所有物を減らしていこうという心掛けを持つようにしている。

学生時代のスナップ写真はかなり捨てた。
ダンボール1箱分くらいあったかもしれない。

昔の教え子達にもらった手紙も、思い出を胸に処分させてもらった。
昔の同僚からもらったお義理の寄せ書き、出席した友人の結婚式の席次表、なんとなく取っておいたが見返さないものは思い切って処分。
生活しているとどんどん物が増えていく。

売っても買い戻したい、と思うような物以外は思い切って手放す。
やっぱり売らなきゃ良かった、と思ったらその時また買えばいい。
だいたい、どこかで購入できる。

処分に困るような家電は無料の廃品回収に出したり、直接ゴミ処理センターにも運ぶ。

捨てる事と同じくらい大切なのが買わない事。
目に入ったり、手に持った時、自分にとって心地良いと感じられる物だけを購入して手元に置くようにしている。

一つ買ったら一つ捨てる。
一つどころか、クローゼット内を見渡して「これもいらないや」と2、3個捨てる事も多い。
コスメも同様、都度見直す。

心地良い物はその都度変わっていく。
20代の時に大好きだった服やバッグは今ほとんど残っていない。
似合わなくなったし、見てもときめかなくなったので手放した。
クローゼットを見渡すとだいぶ地味に…よく言えばシンプルになったと思う。

50代になった頃の自分はどんな物が好きなんだろう。

逆に、実家の親は物を溜め込む。
全く捨てられないし、新しい物を次々と買う。買っただけで満足し、未開封の物も沢山ある。
人それぞれだと思うので、ゴミ屋敷にならない限りは口は出さない。

偶然、夫が息子とゴミ屋敷の動画を見ていた。
玄関から天井付近までゴミが積み上がって中に入れない。
清掃料は2日間で数十万円だという。
5人ほどでゴミの分別をしながら廃棄し、通帳や印鑑、写真など大切な物が見つかったら依頼主に戻していた。

寂しくて物を溜め込むようになったという人の話も見た。
ゴミではないと言う。
物に囲まれるのが安心するという人もいるのだろう。

8歳の息子は動画をあげていたゴミ屋敷清掃業者「ゴミ屋敷パートナーズ」で働きたいらしい。
就寝前に張り切って部屋の片付けが始まり、なかなか寝なくなってしまった。

急に将来の夢が決まった所で水を差すようで悪いが、嗅覚のききすぎる息子にはゴミ屋敷清掃業務はできないだろう。

こんな話をしている自分もいつか物を溜め込むようになるかもしれない。
でも今は、シンプルがとても心地良い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?