追憶

画像1 #旅する日本語 【追憶】 幼き私の奥にある記憶。 蓮花を長く編んで、 その甘い香りに包まれた。 楽しく、途切れ途切れの時間。 そばにいたのは、近所のゆきちゃん。 私たちは蓮花が大好きだった。 いつの間にか、日が暮れて、数日後には仲良くしていたゆきちゃんが引っ越してしまった。 蓮花が揺れて、吹く風は優しく。 だけど、ゆきちゃんのいない蓮花畑は、ただただ寂しかった。 そして、今日、私はあの日のゆきちゃんに会いに来たんだ。 20年の年月を越えて、あの日と変わらない景色のある場所へ。

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