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猫。

今日2月22日はニャンニャンニャンで猫の日らしい。

猫に関するエピソード、思い出してみた。

 まずはまだ幼かった頃の話。伯父の家で猫を飼っていた。ヤスと呼ばれるヤスネコと、もう一匹はよく覚えていないが、黒っぽい縞の猫だった気がする。「ヤスネコ」は鹿児島特有の呼び方のようで、一般的には茶トラということを最近知った。
 さて、その頃は猫が怖かった。猫自体が怖いというよりも、猫の爪が怖かったのだ。従姉妹が抱いていた猫を下そうとすると、猫は尖った爪をたて、服に引っ掛けたり、従姉妹の腕をひっかいたりする。その様子を見ていて、とても怖かった。触るのはまだしも、抱くなんてとんでもない。
 伯父のうちは祖父の家のすぐ隣で、同じ敷地にあった。伯父は祖父の長男で、所謂「あと取り」だ。わたしの父は四男で、ここからは車で30分くらいのところに住んでいた。幼い頃はよく週末、家族で祖父の家に遊びに行っていた。
 ある日、祖父の家に行き、庭で一人で遊んでいた。伯父のうちには三人子供がいて、上の二人は女の子、下は男の子。女の子たちは私よりずっとお姉さんで、幼児の私にはとても大人に見えた。男の子は私より一つ上のお兄ちゃん。よく一緒に遊んでくれた。その日は三人とも留守か何かで遊んでもらえなかったのだろう。
 最初は学校の理科の授業で使った磁石で庭の砂の中の砂鉄を探して遊んでいた。磁石の表面にヒゲのように黒い砂鉄がひっつく様子はとても面白かった。今度は紐で結んで、引っ張ってまわったらどうなるか実験しようと思った。紐を後ろ手に引っ張って走っていると、何か引っ掛かるような違和感を感じ、振り返ると、猫が追いかけて来ていて、びっくりした。磁石に引きつけられるのは鉄だけじゃなかったのだ。
 そのあとどうしたか?それは覚えていない。
 ただ猫に関する一番古い記憶がこれだ。

 小学校5年生くらいになり、4階建ての市営住宅に住んでいた頃。その頃はペットを飼うのに憧れていた。もう猫も怖くなくなっていて、むしろ飼いたくてしょうがなかった。
 ある日、友だちと野良猫を見つけた。まだ生まれてまもない子猫だった。家で猫を飼いたかったが、親が絶対許さないだろう。誰も連れて帰れないので、私たちはアパートの下にある小さな収納スペースに猫を隠して飼おうとした。
 遠い記憶なので、あまり覚えていないが、私たちはまだ小学の子供で、しかも自分の家じゃないし、誰かが仕切って当番を決めたりするような状況でもなかった。みんな猫を飼う責任も義務もわかっていなかった。
 わたしと妹が様子を見に行ったときには、猫はもう死んで固くなっていた。小さな暗いスペースに閉じ込められた子猫は、可哀想に、腐ったミルクを飲んだか、それとも餓死したのか。
 私は猫の入ったダンボール箱を持って、川に流しに行った。
 猫に関する悲しい思い出。

⭐︎サムネの写真は、妹のうちの猫の写真を借用🐈✨茶トラですね✨

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