老視矯正眼内レンズまとめ


高次非球面眼内レンズ

TECNIS Eyhance

EDOF眼内レンズとは構造が異なり、単焦点レンズに近似した眼内レンズで、中央1
mm程度の円形で段階的な変化を示す。
単焦点眼内レンズに比べ、中間距離の視力良好、グレア、ハローなどの術後不快光視現象も単焦点眼内レンズと遜色なし。

マイルドモノビジョン群は中間、近距離での裸眼視力が有意に良好である。
両眼正視群と比べて、低コントラスト下での遠見裸眼視力、自覚的な見え方の質、患者満足度に影響なかった。

Vivinex Impress(HOYA)

NSP-3(NIDEK)

上市されて期間が短いため、報告なし。(2024年3月現在)

焦点深度拡張型(EDOF)レンズ

TECNIS Symfony

両眼正視で挿入すると、近用眼鏡が必要ない症例は40%。
micro/mini monovison や mix and match法 にする事で眼鏡依存度を減らすことが可能。

※micro/mini monovision 片眼の屈折を-0.5〜-0.75D近視化させる方法
※mix and match 片眼を近方加入の強い2焦点や連続焦点IOLとする方法

Lentis Comfort

保険適用で使用できる唯一の多焦点眼内レンズ
低加入度数分節型 
単焦点レンズを 2 枚貼り
合わせたような構造をしていて、光学部の 40%の面積に近用加入されており,
IOL面で1.50D 眼鏡面で1.06D
遠方〜中間視力は良好だが、近方視力は0.3にとどまる。

micro/mini-visionで、優位眼を正視,非優位眼を−0.75D 狙いで Lentis Comfort を挿入すると,遠方〜40 cm まで小数視力 0.7 以上が得られ,近用眼鏡が必要ない症例は 63%であった 。

注意点

カルシウム沈着

親水性アクリル素材であるため、カルシウムの沈着によるIOLの混濁をきたす可能性がある。
糖尿病、緑内障、血栓溶解薬投与症例で発症例あり
ガスタンポナーデ使用例でも可能性あり
反復する眼内処置による血液防水柵の破綻が原因。
AMD,ぶどう膜炎も注意が必要

Zinn小帯脆弱例や小瞳孔例への挿入

れんずがプレート形状であるため、CCCが小さいと挿入時にZinn小帯に負担がかかる。

トーリックIOLの回施

術後の軸ずれ 平均3.0°
45°以上の軸ずれは3.3%
軸ずれしやすい症例
長眼軸、角膜径が小さい、曲率半径が小さい
他角的屈折値は自覚的屈折値よりも平均0.75D近視化

出典 眼科Vol66 No5 2024




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