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シャリバテ?!

今年は寒くて雪が多いです。知人の雪山登山やアイスクライミング、スキーなどの写真を見るたびに「綺麗だな〜、行きたいな〜」と私も思います。

今シーズン初の雪山

今シーズン、私の雪山スタートは八ヶ岳でした。

<コース>
赤岳山荘〜北沢ルート〜赤岳鉱泉〜裏同心ルンゼ〜小同心クラック〜下山。
※下山ルートは天気や雪、時間を見ながら選択。

雪山(積雪期登山)は雪や氷の上を歩きます。防寒着や装備も夏山(無積雪期登山)よりも多くなります。そのため、雪山登山は夏山登山よりも体力が必要です。

*装備が増えると体力はどのくらい使う?

さて、その日の私の装備ですが、雪山装備(チェーンスパイク、アイゼン、ダブルアックス、ヘルメット)、登攀用具(ロープ、ハーネス、ギア)、雪崩3点セット(ビーコン、プローブ、シャベル)、防寒具、行動中の飲食、ツェルト、ファーストエイドキッド、ヘッドライトなど。総重量は12kg程だったでしょうか。同じコースを夏の時期に行くよりも、+5kgは重たいです。

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この日は道の駅小淵沢に5:00集合だったので、3:20に自宅を出発しました。赤岳山荘を6:00に出発で登山開始。いいペースで北沢ルートを進みます。8:00に赤岳鉱泉、10:00に裏同心ルンゼ終了、11:30小同心クラック取り付き、14:15横岳山頂、18:00下山。久しぶりの12時間行動。無事に下山できたのですが、実は途中でシャリバテ気味になりました。

シャリバテ≒ハンガーノック≒低血糖
行動を継続できるためのエネルギーが足りなくなり、行動に支障をきたす状態。初期の症状としてはぼーっとする、フラフラする、など。ひどくなると脱力感、意識障害などを伴うこともある。

シャリバテ?!

横岳山頂からの稜線歩き。そこまでの緊張感が緩んだのか、ペースが一気にダウン。「あれ〜なんだか足に力が入らないし、素早く足を運ぶことができないな〜」という状況。スタスタ歩く仲間との間隔がどんどん開いてしまいました。

風も強くなり、ザックのベルトを締め直し、気持ちもしっかりと引き締めたのですがやっぱりペースが上がらない。でも風が冷たくて立ち止まって休憩するのも大変。しっかりと呼吸を意識して、足取りも確認しながら、一歩ずつ進み硫黄岳の山頂に到達。

途中から「これってシャリバテっぽいな。脱水もあるかもな〜」となんとなく気づいていました。山頂で慌ててエネルギーと水分補給。その後、硫黄岳の下りは一部危険な箇所もあるため慎重に下りましたが、そこを抜けた頃から次第に体調が回復。ペースも徐々に上がってきました。

登山中のエネルギーと水分量

無事に赤岳鉱泉まで下山、そこで登攀装備をザックにしまい、最後の下山の準備をして下山開始。下山中はひたすら下山後に食べるご飯のことばかり考えていました。焼肉?カレー?寿司?なんて意見はありましたが、頭の中はラーメン一色でした。

無事に下山できたのでよかったですが。シャリバテと脱水は実はとても危険。私もそのことはもちろん知っていたのですが、久しぶりの雪山で想像以上にエネルギーを使っていたことに身を持って気付かされました。

ここで終わってしまってはあまり意味がないので、今回の登山が実はどのくらいのエネルギー消費量・脱水量だったのかを計算してみます。*エネルギーの計算式は以下のnoteをご覧ください。

*コース定数に関しては、大体同じくらいかな〜と思われる、赤岳〜硫黄岳の周回ルートのコース定数「41」を使います。
エネルギー消費量(kcal)・脱水量(ml)= 68 × 41 ・・・ 2788

この8割を摂取しなくてはならないということは、2230kcal、2.2Lを摂取する必要があったということ。そして当日私が食べたもの。あんバターパン(450)、クリームパン(250)、フレンチトースト(320)、くるみパン(465)、ホイップあんぱん(384)。エネルギー合計1869kcal、水分摂取量1.5L

雪山は計算で求めた値よりも多く取らなくてはならないと言われているため、かなり少ない摂取だったことがわかりますね・・・反省。そしてなぜ菓子パンばかりになってしまったのか。それにも理由があるのです。前もって行動食の準備ができず、早朝のコンビニでは菓子パンしか揃えることができなかったのです。それも反省。

講習会などで、行動食の重要性やエネルギー消費量の計算方法などをお伝えしているのですが、今回は身をもって重要性を体験してしまいました。ひどい状態にはならなかったのでよかったものの、改めて行動食の計画と購入も見直したいと思いました。

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