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知覚をするために動く

知覚と感覚を定義したところで、もう一度、ギブソンの言葉を見てみます。

「われわれは動くために知覚するが、知覚するためにはまた、動かなければならない」

動くために知覚する。
例えば、いい匂いがしてきたのでキッチンへ行く、天敵が見えたので逃げる、など。様々な感覚からの情報を知覚することで動きが促されます。
では、知覚するために動く、とは。
例えば、どのくらい中身が残っているかな?と牛乳パックを持ち上げてみる、靴を選ぶ時に実際に履いて歩いてみる、など。動くことによって得られる感覚から、対象の性質や形態を把握しています。

動くことで得られる感覚とは何でしょうか。わたし達は固有受容感覚と呼ばれる感覚を持っています。五感には当てはまらないので”第六感”と考えてみてもいいでしょう。この感覚があることで、自分の目で確認しなくても、自分の腕や足の位置や動き、重さなどを感じ取ることができます。筋肉にある筋紡錘や腱にあるゴルジ腱器官、関節を包んでいる関節包にある関節受容器と呼ばれるセンサー達がこの固有受容感覚の情報を脳へ送ってくれています。

毎秒毎秒莫大な数の感覚情報が脳へ上がる中で意識を向けられるのはわずかなものしかありません。そして、わたし達はわかりやすい情報に注意が向きやすく、特に視覚情報に頼りやすいという傾向があります。そのため、他の感覚が見過ごされてしまっていることは多くあります。片脚立ちをした状態から目を閉じると、今まであまり気にとまらなかった足の裏の感覚に注意が向くのも、注意が行きやすい視覚情報を除くことで他の感覚情報へとシフトする例です(もちろん、目を閉じることで身体の揺れが大きくなるために足の裏の感覚を感じやすくなるということもあります)。

ピラティスでは身体の動きや感覚に注意を向けるキューイングが多くあります。このように身体を動かす時に”第六感”を使い、身体の内側の感覚にフォーカスをしてみましょう。いつもと違った感覚が生まれ、動きの質が変わってくるかもしれません。

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理学療法士。パフォーマンスの向上や健康・ウェルネスのためのピラティスを提供している。 大学院博士課程で身体感覚について研究中。
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