Potato, Migu, Snodeca's マリオ&ルイージRPG/TAS 翻訳

Submission #7030: Potato, Migu, Snodeca's GBA Mario & Luigi: Superstar Saga in 59:19.35

上記のページにあるコメント(Submission Comments)を軽く翻訳したものをこちらに掲載しております。
意訳や筆者の追記等も含まれますのでご参考までにお読みください。

Submission Comments(提出コメント)

このゲームでは、マメーリア王国の代表がキノコ王国を公式訪問します。
しかし、その訪問も束の間、このゲームの主役であるゲラゲモーナがピーチ姫の声を奪って逃亡してしまう。ピーチ姫の声を取り戻すため、マリオと緑のヒゲ(お留守番の予定だったが強制にクッパにより連行)はタッグを組み、"記録的な"速さでマメーリア王国を救う…。

Snodeka氏:これを公開する人への注意:できれば、この文章をそのままコピーしないで、よりよくして欲しい。Wikipediaとかから盗用せずに、どう表現したらいいのかわからないんだ(笑)。ありがとう!

この動画は Mugg氏の2012年に投稿されたTAS を約13分10秒改善したものです。時間を短縮するグリッチや、より良いルート構築、RNG操作、ある強力なアイテムの採用などが理由です。
※フラッシュはそこまで激しくはないが、発作を起こしやすいという方は44分過ぎのフラッシュにご注意ください!

目標

使用したエミュレータ → BizHawk 2.4
最速でゲームにクリアする
RNG(Random Number Generator)の操作
時間を節約するためにグリッチを使用
時間を節約するためにダメージを受ける

ルートの概要

前半の44分間は、ほぼ通常にストーリーを進めていく。
道中で多めにキノコ(や、キノコを売ってより多く手に入れるためのアイテム)を集め、キノコバッジ(後述)をパワーアップさせる。
ウフマウンテンのウフロスの手前で、すり抜けバグを使って道中を飛ばす小さなセクションがある。
また、オホホラゴン戦の際にスプラッシュブロスのAdvancedコマンドが使えるようにしておく。これは後のマメラ女王戦を戦いやすくするためである。
土管①と④もアンロックして、後で使えるようにする。

ゲラゴーニュの森で樽が使えるようになったら、ここから正規ルートから外れることができるようになる。バレルストレージ、サイングリッチ、ミニマリオグリッチをすることで、アクションコマンドのグリッチの準備は完了。
これで本来できないはずのマリオでのハイジャンプができる。
このハイジャンプを利用して、マリオにハンマーのグリッチを仕掛ける。
これで「ルイージハットテレポート」ができるようになり、壁抜けやスキップの主な方法となる。

土管⑤から土管④(城周辺フィールド)へ進み、デヘヘバレーの東側へ向かう。そして、テレポートで岩を越え、ガンゾーを越え、素早くリトルキノコへと向かう。目的は大幅な時間短縮のキーアイテムとなる「キノコバッジ」を手に入れるためである。

その後、リトルキノコから土管4にワープし、デヘヘバレーの南側へ向かう。入り口を塞いでいる岩、最初の部屋にある岩、壁をそれぞれテレポートで通過し、パーニョとキャサリンがルイージを捕まえた場所に行くことができる。パーニョとキャサリンを倒すとエンディングとなる。
マメーリア城に戻るには、デヘヘバレーの入り口にある岩をもう一度テレポートして通過し、さらに城の入り口付近にある見えない壁をテレポートで通過する。

クッパ城に行くには、土管③から土管①へ進み、星くずヶ原を歩く。クッパの城スキップ」を実行すると、そのまま脱出。ラスボスまでスキップできる。ゲラゲモーナを倒した後は、普通に脱出しラストシーンへ。

キノコバッジについて

前述したMugg氏のTASから大きく時間が短縮された要因の一つが「キノコバッジ」の使用だ。
このバッジは、持っているキノコ(スーパーキノコ、ウルトラキノコ、マックスキノコを含む)の個数に応じて、ダメージボーナスを与えてくれるものだ。
このボーナスは基本ダメージに上乗せされ、US版ではキノコとスーパーキノコはそれぞれ51/256(約0.199)ダメージのボーナスとなる。(なお合計値の小数点以下は切り捨て)
ウルトラキノコとマックスキノコは通常のものに比べてより多くのダメージボーナスが付くが、このTASにおいては使用されていない。
日本版はUS版に比べてボーナスダメージが少ない。

・US版
キノコ     51/256(約0.199)
スーパーキノコ 51/256(約0.199)
ウルトラキノコ 64/256(0.250)
マックスキノコ 76/256(約0.297)

・日本版
キノコ     20/256(約0.078)
スーパーキノコ 25/256(約0.098)
ウルトラキノコ 30/256(約0.117)
マックスキノコ 51/256(約0.199)

キノコバッジは、ブラザーアタックの「チョッパーブロス」と組み合わせることでとんでもないダメージをたたき出す。
この技はハンマーを振り回して連続攻撃するものであり、ダメージ自体は最終的に1まで減衰するようになっている。
しかし、キノコバッジのボーナスはすべての攻撃に加算されるため、総ダメージは実質キノコバッジによって得られるボーナスの倍数になってしまう。
TASの場合、1回の「チョッパーブロス」で26、27ヒットのダメージを与えることができる。
パーニョとキャサリン戦では、一撃で9ダメージを与えられるだけのキノコがあるので、キャサリンを2ターンで倒すことができる。
最終決戦では一撃16ダメージになるため、「チョッパーブロス」を2回使えばゲラクッパを、3回使えばゲラゲモーナの心臓を倒すことができる。強い。

バトルごとの解説

  • vsクッパ

与えたダメージに関係なく5回攻撃したら戦闘が終了。
戦闘を早くする唯一の方法は、とにかくクッパの攻撃の回避を失敗しないことと、キノピオによる戦闘チュートリアルを拒否することだ。

  • vsクリボー #1 (チュートリアル)

ここではラッキーヒットは発生しない。クリボーの攻撃を最初のフレームで反撃することで、戦闘をスピードアップできる。

  • vsクリボー #2 (チュートリアル)

戦闘に入る前にRNGを操作して、レベルアップのボーナスルーレットで POW を+3が出るように調整を行う。
低レベルでボスにできるだけ多くのダメージを与える必要があるため、レベルアップ時のボーナスはマリオはPOW、ルイージはヒゲ(Stache/運) にのみ割り振る。

  • vsゲラコビッツ

ゲラコビッツのヘルメットのHPは18 / ゲラコビッツ自身のHPは12
マリオはルイージよりもゲラコビッツに数ピクセル近いため、ゲラコビッツがマリオを多く攻撃する方が理論上速い。
ただし毎回それを発生させるようにすることは不可能。

  • vsハエまる #1

先に進むために100コインを集める中で敵と戦う。
この後のホッスィー戦までに行うもので、戦闘は計3回行う。
この3回の戦闘において、合計3回の「スプラッシュブロス」を実行したい。
ランダムエンカウントでの戦闘はこのルートに必要な「スプラッシュブロス」の上級バージョンを取得するためである。
上級バージョンの解禁のためには、「スプラッシュブロス」による攻撃を20回成功させる必要がある。

また戦闘に入る前の動きで調整を行う。
これは戦闘終了時にキノコを3つドロップする優れたRNGシードにするための調整である。このシードは約400分の1で用意されているものである。
以降は全てのランダムエンカウントを回避し、戦闘はボス戦のみとなる。

  • vsハエまる (チュートリアル)

このチュートリアルは、完了後にHPとBPが補充されるため「スプラッシュブロス」の合計使用量をきちんと計算しておく。
ひとつ前で「スプラッシュブロス」を20回使用する必要があると記述したが、日本版の場合は少し考える必要がある。
それは日本版では「スプラッシュブロス」の合計使用回数がチュートリアル後にリセットされるという仕様があるからだ。
今回のTASでは戦闘をチュートリアルの前に1回と後に2回行っているが、日本版を使用する場合はチュートリアルの後に3回の戦闘を行う必要がある。
これが、US版の方が速いもう 1 つの理由である。
このチュートリアルの「スプラッシュブロス」も合計使用数にカウントされるため、合計で4回使用されたことになる。

  • vsハエまる #2

幸い、このバトルではRNGシードを調整するための大きなタイムロスは無かった。
今回は前の戦いのようにキノコが3つドロップするものではなく、大砲にラッキーヒットが当たるように調整して1回のジャンプで倒し、かつ2つのキノコをドロップさせるというパターンを選んだからである。
この戦いで「スプラッシュブロス」は最後の大砲を倒すために1回のみ使用する。それ以上はタイムロスになるため使用しない。

  • vsハエまる #3

最後の戦いではRNGシードを得る調整に、かなりの時間を必要とする。
最初の戦いと同様に、戦闘終了後に3つのキノコをドロップし、かつPOWのレベルアップボーナスが最速で+3になる乱数を選択。
ハエまるの反撃で敢えてダメージを受けているのは、毎回1フレームずつタイムを短縮するためのもので、ホッスィー戦で最適なRNGシードを得るために1フレームしか余裕がなかったため非常に重要な調整となる。

  • vsホッスィー

バトル開始前にシロップを飲んでマリオのBPを回復、ホッスィーに「スプラッシュブロス」が打てるようにしている。
通常、ホッスィーと戦うと反撃されるたびに鉄球が高く跳ねることを示すテキストボックスが追加で発生する可能性が高い。
戦闘中のタイムロスとはなってしまうが、幸いなことにテキストボックスが発生量はランダムであるため、乱数調整を行うことでそれまでのハエまる戦のために費やした時間を取り戻すことができる。

  • vsウフロス

星くずヶ原を脱出。前述したとおりこれ以降はボスとしか戦わない。
ボスが落とすアイテムは戦闘後に必ずドロップするので、わざわざキノコを求めてRNGシードを調整する必要はない。
このバトルでは、柱とウフロスがマリオを頻繁に狙うようにするためのRNGシードをうまく入手することができたので、毎回数フレームの節約に成功している。

  • vsオホホラゴン

この段階でマリオのPOWが27より低かった場合、オホホラゴンを倒すために必要なターン数が1増え、同様に攻撃に耐えるフェーズも増える。
この場合は15秒近くとかなり大きなタイムロスとなる。

序盤のバトル(vsハエまる×3)で「スプラッシュブロス」を使用していた場合、バトル終了間際に「スプラッシュブロス」の上級バージョンであるAdvancedを解禁することが出来る。
是非マメラ女王戦の前にAdvancedを取得し、これ以降の戦闘を大幅にスピードアップさせたいところである。
オホホラゴンを最小ターンの3ターンで倒すためには、ルイージの「バウンスブロス」も使う必要がある。
しかし「バウンスブロス」は8回使うと「スプラッシュブロス」同様Advancedが解禁される。つまり解禁演出が入りタイムロスになるので、なるべく使わないようにしている。
この戦いにおいてもルイージのレベルアップボーナスでヒゲ(Stache/運)を選択。理由はヒゲ(Stache/運)が高いとアイテム購入時に割引がかかるためだ。

  • vsマメラ女王

通常このボスを倒すには2本の腕を倒し、「スプラッシュブロス」を頭部に使う必要がある。
マメラ女王が身に着けている王冠はトゲ属性を持っており、通常のジャンプ攻撃では自身がダメージを受けてしまうからである。
しかし、「スプラッシュブロスAdvanced(以降 スプラッシュブロスAd と表記)」は、トゲのある敵にもダメージを与えられるので、腕を倒さずに頭部に直接ダメージを与えることができ、時間短縮になる。
このバトルではPOWの値も重要で、マメラ女王のHPは120なので、40ダメージ×3ターンでやっと倒すことが出来る。
ちなみに、RTAのスピードランでPOWの数値が足りない場合は、マメラ女王に39ダメージ、ルイージのハンマーで1ダメージを与え倒しきる。

  • vsパーニョ&新人クッパ

新人クッパを先に倒すと、パーニョが戦闘から離脱するという仕様があるため、時間短縮のため敢えて新人クッパを集中攻撃する。
またルイージがわざとダメージを受けて、最後の攻撃で死ぬようにしたのは、これ以上ルイージのレベルアップが必要ないのと、レベルアップ時の演出によってタイムロスが発生するためである。
新人クッパのHPが40以下になると、ファイアを覚える演出が入り遅くなるが、HPが41ちょうどになるようにダメージを与えることでその演出を省略することができる。
これ以降、POWはほとんど関係なくなるためマリオのレベルアップ時のボーナスをヒゲ(Stache/運)に割り振っていく。

  • vsパーニョ&キャサリン

前述したように、キノコバッジで与えるダメージは所持しているキノコの数に依存する。多ければ多いほどダメージ量は大きい。
キノコバッジの威力が発揮されるのは「チョッパーブロス」を使ったときである。
キノコを十分に集めたことによって、一撃ごとに付与されるダメージが9になっているため、通常なら非常に長い戦闘がたった2サイクルで終了する。
なぜこのようなことができるかというと、キノコバッジのダメージはダメージの計算が終わった後に適用され、単純に合計ダメージに加算されるからである。
つまり、最低でも1ダメージを与えていれば、持っているキノコバッジの8ダメージを足した9ダメージを与えることができる。
また、パーニョの行動パターンの乱数を調整することで新人クッパ戦同様に最後の攻撃で死ぬようにしている。理由はレベルアップ演出の省略である。

  • vsゲラクッパ

ゲラクッパのHPは500
素早さのステータスが非常に高いため、戦闘開始と同時にゲラクッパの先制攻撃を受けることになる。
メラメラブレスはゲラクッパが使用する攻撃の中で最も演出が短い技であるため、これが最初の攻撃になるようにRNGシードを操作している。
ひとつ前のキャサリン戦と同じく「チョッパーブロス」の攻撃とキノコバッジの組み合わせで2サイクルでゲラクッパを倒すことができる。
最後、真のラスボスであるゲラゲモーナ戦でより早く攻撃を行うためにテキストボックスを利用してRNGシードの調整を行う。

vsゲラゲモーナの魂

右手左手のHPはそれぞれ80、頭のHPは200
攻撃できるパーツの中で頭が一番素早さが高い。
最初の段階で頭が使用できるハンドスピン・アタックとローリングサンダーの2種類である。
ただし例外としてダメージを受けた部位を回復するフェイズが存在する。
この場合は頭のターンがスキップされ、時間を短縮することが出来る。
手とハートの素早さの値は同じであるため、ゲームではRNGを2回,1回と繰り返して、どちらが先に行動するかを操作している。
ローリングサンダーの攻撃を受けるにしても、ハートにダメージを与える前に受ける方が、与える後よりも相対的に早くなる。
まず頭、次に左手、最後に右手と時間のかかる攻撃をしてくるため、なるべく早く頭から片付けていけると理想的である。
ルイージで行う攻撃は、RNGをさらに操作して、火力ではなく速度を重視して攻撃を与えるようにする。

ここでゲラゲモーナの「フェーズ」についても話しておこう。
ハートが露わになった後、ゲームのシステム上でハートの残りHPがどれくらいかを判断するために、何度もチェックが行われる。
HPが一定数減るごとに、新しい攻撃が追加され攻撃にかかる時間も長くなる。
ハートが出現すると、ゲラゲモーナは4回攻撃を行う。
ハンマーによる反撃で手を倒すとなると8回分になるため、出来るだけジャンプで手を倒しておきたい。

攻撃の際にマリオでジャンプを失敗すると、頭がルイージを狙い光球プレスの攻撃を行う。
何故かルイージがハンマーで2度叩くと光球プレスを破壊できるという不思議な仕組みがあるので、これを利用する。
マリオの場合はハンマーで叩くアニメーションが短いという特性があるためか、ルイージのように2度で破壊することは不可能である。

「チョッパーブロス」でゲラゲモーナのハートにダメージを与える。

-第2フェーズ
400ダメージを受けると新たな攻撃が追加される。
このフェーズからゲラゲモーナの体の一部を消し飛ばしても、ターン終了時に復活し、全回復してしまう。
そのためハートだけを集中攻撃し、「ノックバックブロス」は使わないようにする。

-第3フェーズ
さらに400ダメージを受けると、彼女の攻撃の一部が長くなる。
このフェーズに入ると、速い攻撃のコントロールが難しくなるが、後ほど紹介する方法でうまく利用することができる。

-第4フェーズ
残り400ダメージは「チョッパーブロス」1発で倒しきれるため、最終局面は無いも同然。省略。以上で戦闘は終了する。


これ以降は後ほど追記予定…

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