うがい見直し
先日、ふと下の奥歯に目をやると、なにやら歯の一部分が少し黒ずんでいた。よくよく目を凝らしてみると、すごーくすごーく小さいけれど穴らしきものがある。「こ、これは!」と青ざめ、慌てて歯科医院に電話をすると、担当のお医者さんの予約が取れるのは直近で一か月後とのこと。えー、そんなに待つの?これ虫歯っぽいのに、一か月も放っておいて平気なの?と不安になり、受付の人に恐る恐る聞くと、担当医に症状を伝達確認してくれて、あっさり「大丈夫」とのこと。ならまあ仕方がないか…、と渋々諦め、一か月間おとなしく待つことになった。
とはいえ実際、痛みはないにせよ、虫歯っぽい歯があるのはすごーく気になる。一か月間待っているうちに悪化したり、痛みが出たりしたらどうしようかと不安にもなる。受付の人には「しっかり歯磨きをしていただいて」と言われたけれど、なんだかなあ、と気持ちがどよんとなった。
そしてそのどよんとした気持ちのまま、ふらりと図書館に行って、何気なく本棚を眺めていたら、とある本がピカ―ッと光るように手招きをしていた。これって、たまにありませんか?本が、「ほら、これ読んでみな」と手招きしている現象。自分の場合たまにあるのだが、そうした場合はとりあえずぱらっと立ち読みするなり借りるなり買うなりしてみる。すると、何かしら得られるものがあるからだ。それで今回も本からのお誘いに応じて借りてみたところ、一か月間待つ間の気休めといったらなんだか、今後の虫歯予防にもなりそうな、ちょっとしたヒントのようなものをいただけた。
それはなにかというと、「うがい」。手にとったのは『毒出しうがい』というタイトルの本だったのだが、これが自分にはとてもよかった。
かなりざっくりめに説明すると、うがいの水圧によって口の中のばい菌等を洗い流すことで歯周病等の予防になる云々といったもので、要は、左右上下、各十回以上ずつ水でクチュクチュと高速で水圧をかけてうがいするのがよい、といったものだった(かなりざっくりなので、回し者ではないですが気になる方は本をチェックしてみてくださいませ)。
たしかに振り返ってみると、うがいって盲点というのか、今まであまり気にしてこなかったなあと思った。日々当たり前のように、歯磨きの延長線上に機械的にうがいをしていたというのだろうか。そんな感じで、うがいそのものを意識したことはあまりなかった。
しかし改めてそのうがい法を意識的に実践してみると、今まで自分は実はうがいをちゃんとしてこなかったのではないのかと思うほど、口のなかがとても爽快でスッキリとなった。続けていくうち、こころなしか歯の艶も良くなったような…。とにもかくにも、食べかすをしっかり洗い流すという点で虫歯や歯周病予防によさそうだし、なにせこのスッキリ感はやみつきになるし、そしてなんといってもお金も道具も必要なく単純に日頃のうがいを見直すだけ、という手軽さなので、続けてみない手はないような気がしてそのうがい法を地道に続けてみた。
そのおかげかは分からないけれど、一か月後に歯医者に行ったところ、担当医いわく、「あえて言うなら良い虫歯ですね(つまり進行遅いタイプ)」ということで、当日、白いもの(?)を詰めるだけで治療は即終了となり、ひとまず安心に落ち着いた。
そしてこの機会に図らずも自分のうがいを見直すことができたので、再び虫歯にならないよう、食後の歯磨きあとは、うがいを左右上下、クチュクチュ高速で水圧をかけながら丁寧にするのを今も日々心掛けている。
お読みいただきありがとうございます。