曇り空のアイスクリーム
もうれつに、もうれつに、アイスクリームがたべたい。おもちに包まれたアイスクリームを。
眼が覚めると12:45だった。13時からの予定への絶望と、わたし、相当つかれてたんだ、と労わりのきもち。
階段を降りてリビングへ行く。ダイニングテーブルの上にならぶあさごはん。あさごはんのために作ってくれたおかずを、おひるごはんの時間にたべる。今日のメニューは、サラダと肉野菜炒めが塩味とキムチ味の2種類と、オレンジだった。少し余らせて、お弁当箱につめた。おにぎりも握った。いつもは丸くするけど、今日はさんかく。
寝癖をなおし、ほんのり赤いリップクリームをくるっと塗り、外にでた。
そらはくもってる。くもり。くもりにも、今日のあさごはん(おひるごはん)の野菜炒めとおなじように2種類、ある、と感じる。どよん、としたヘビーなくもりと、さわやかな、薄いグレーのくもりだ。後者はレアキャラ。今日はレアキャラデーだ。
駅まで歩く途中、きゅうに、ほんとうにきゅうに、雪見だいふくが恋しくなる。暑くも寒くもない曇り空の下、おもちに包まれたアイスクリームをたべたい。
ひとりでふたつ、たべたい。
ひとつめは、冷凍庫から出したての、まだ少し固いアイスクリーム。ふたつめをたべるころには、中のアイスはとろけていて、たべにくい。口の周りも、お気に入りのワンピースも、白いバニラアイスクリームでべとべとに汚したい。
そんなことを考えながら、木曜日の午後の、電車に乗った。
#エッセイ #コラム #食 #アイスクリーム