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本当は私もピンク色やフリフリの物が着たかった。
私は小さい頃から、人に『嫌だ』と伝えるのが苦手だった。
自分は『こっちがいい、こうしたい、この方がいい』
と人に伝えるのも苦手。
それは今でも変わらない。
物心ついて1番覚えているのは、
幼稚園時代の記憶。
みんなが、キティちゃんや、マイメロディとかの
ピンクやフリフリ、キラキラの物を持っている中、
私は紺色のワンポイントの地味なリュックを背負い、
水着は、緑と黒のシマシマのスクール水着みたいなのを着ていた。
それは母の趣味だった。
母なりに、自分から見てオシャレだと思うものを
私に持たせてやりたかったんだと思う。
私自身も母になった今、その気持ちはすごく共感できる。
子どもに選ばせたら『それっ?!』というような度肝を抜かれるようなセンスのものを選んだりするから。
でも、私は実家のアルバムを開くと、切ない記憶が蘇る。
幼稚園のプール遊びの写真を見ると、
お友達のフリルがついた可愛らしい水着姿を羨ましく思ってしまう。
遠足で自分だけ紺色のリュックを持っている写真を見て、胸が締め付けられる。
どうして、小さい私は、
『それは着たくない!!イヤだ』
と言わなかったんだろう。
実際、今の私の娘は、自分が着たくないものや、
持ちたくないものは、
『絶対やだ!!こっちがいい!!』
と全力で自分の意志を伝えてくる。
子どもって普通そうだよね…と娘を見ていて思う。
だからどうして私は母に『こっちがいい』とピンクやフリフリを指差せなかったんだろう。
私は小さい頃から、人がどう思うか、この人は自分にどうして欲しいと思っているか…を考えるような性格だった気がする。
自分の希望は実際どうでもよくて、
人の希望が叶えられることの方が重要だった。
だから、滑り台でも、階段でずっと滑るのを待っていたのに、後から来る子にどんどん順番を譲って、
結局、自分は滑らないまま終わることはよくあった。
習い事や、お遊戯会でも
本当は自分がやりたい楽器や、やりたい役があっても
他の子がやりたがっていたら、すぐさま引っ込んだ。
だから、私は自分の持ち物ですらも、お母さんの希望を叶えることの方が大切だった。
この水着を着ていたらお母さんが嬉しそう。
このリュックの方がお母さんは好きそう。
そんなふうに思っていた。
我慢していたとゆう感覚よりも、
そうした方がいいと子どもながらに思っていた。
もしかしたら、『自分』を伝えない方が楽だったのかもしれない。
『私はこっちがいい』『それは嫌』と伝えると
相手が嫌な顔をしたり、コミュニケーションがうまくいかない気がしていた。
だから私の想いはいいから、あなたの想いを叶えて、
喜んでいる顔が見れて、ありがとうと言ってもらえる方が私の気持ちが落ち着いた。
小さな頃から、問題が起きない方をずっと選択してきたような気がする。
今は、少しずつ、本当に少しずつだけど、
相手と意見が違っても、
自分がいいと思う方を伝える練習中。
小さなことからコツコツと。
まずは旦那さんに伝えることから練習中。
『今はラーメンは嫌だな。お好み焼きが食べたい』『この日は1人でここに行きたい』
『旦那さんは雨降りそうだから、浴室乾燥で洗濯乾かしたいけど、わたしは今が天気だから外に干したい!』とか…笑笑
ほんの些細なことだけど、
そんなことも言えないの?!とビックリされるかもしれないけど、私には伝えるのに少しだけ勇気がいることだったりする。
言う前はドキドキするけど、
言ってしまえば私が考えているような問題は起きなくて、
旦那さんはお好み焼き屋さんに連れて行ってくれて、
外に洗濯物を普通に干せるし、
1人で出かけられたりする。
自分の希望が言えて、それが叶うのは今でも不思議な感覚。
自分が選んで、決めて、相手に伝えることを
ずっとサボってきた私。
自分はどう思うか。
自分がどうしたいか。
少しずつ伝える。
少しずつわかってくる…気がしている。
憧れのピンクやフリフリが着れなかった小さな私が
ちょっとだけ背中を押してくれる。
そして、母となった今。
6歳の娘が、全力で
『あおちゃんはこっちがいい!!』と全力で希望を私に伝えてくれることが愛おしい。
そんな娘が選ぶものは
やっぱりゴテゴテのブリブリのものだったりするのだけど、
そんな娘が選んだ、可愛さ全開のものを
家に帰って、袋から開けて眺めるのが好き。
娘以上に、なんだか喜んでる自分がいる。
こんな可愛いの買っていいのかな?!とソワソワする私がいる…笑。
自分で決められるって大切だな。
私は、娘から意見を求められたら、
『あおちゃんはどう思う?どれがいい?』
そんなことを聞く。
娘も小さいながらに想いを伝えてくれる。
娘とは、ずっとそんな風に話していきたい。
(ランドセルの色だけは、ちょっと母も引かなかったけどね…。)
#親子 #子育て#夫婦#本音を伝える
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