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第0日目-1【メンタル病んだので最長片道きっぷの旅に出ました】

2024年1月24日。購入した最長片道きっぷの有効期間開始の前日である。
これからスタート地点の稚内わっかないに向けて出発する。

↓前回記事はこちら


 早朝の新宿駅5番線。6時51分発の成田エクスプレス5号で成田空港へと向かう。

 実は筆者が成田エクスプレスを、成田空港へのアクセスという本来の用途で利用するのはこれが初めてだ。
 特急料金はJREポイント 720ポイントで支払った。普通に現金で支払うと1,730円(チケットレス割引で1,630円)なのでかなり割安である。

成田エクスプレス5号
新宿6:51発 − 空港第2ビル8:08着
E259系 Ne002編成(クハE258-2 ほか)

 成田エクスプレスのE259系電車と言えば、前年から車体色のリニューアルが進んでいたが、新塗装の方もやっと見慣れてきた印象だ。当時はまだ旧塗装の車両が残っていたはずだが、残念ながらそれには当たらなかった。

 空港第2ビル駅には8時8分に到着。これから向かう第3ターミナルへは同駅が最寄りだ。

 ポケモンや『翔んで埼玉』のキャラクターたちに誘われて第3ターミナルへ。
 駅や第2ターミナルからは少し離れているが、案内表示も充実しており迷うことはなかった。

成田空港第3ターミナル サテライトの様子

 成田の第3ターミナルはLCC専用のターミナルとあって、比較的簡素な作りになっている。これから始まる壮大な旅を思えば些かの物足りなさは否めなかったが、設備自体は必要十分であろうし、ここを出発する便を選んだのは私なのだから文句は言えない。そもそもここは今回の旅行においてはあまりこだわるべきところではないしね。
 一方でターミナルビル側にある店舗は第1・第2ターミナルに劣らず充実しているようで、こちらに立ち寄っていれば違う印象を持ったかもしれないが、乗り遅れが心配で早々にサテライトに移動してしまったのが悔やまれる。

GK801便 成田(NRT)09:25発 − 旭川(AKJ) 11:20着
Airbus A320 (JL09JJ)

 さて、私が搭乗するのはジェットスター(GK)801便。9時25分出発の旭川行きである。
 旭川空港到着は11時20分。そこから旭川駅まで移動し、13時35分発の特急サロベツ1号に乗り継ぐ算段だ。特に航空会社や発着空港(羽田発・新千歳着でもよかった)にこだわりがあったわけではなく、サロベツ3号への乗り継ぎが良さそうだったという点でこのGK801便を選択した。
 定刻通りであれば、最長片道きっぷのスタート地点・稚内には17時25分に到着する。ここで一泊し、翌日から本旅行の真のスタートとなる予定だ。

 ちなみに稚内が目的地であれば、羽田から稚内空港へ直行する便(ANA 375便 羽田10:40発−稚内12:35着)もある。しかし、何故私がそれを利用しなかったのかと言うと……

9時25分、成田空港を離陸。

 実は鉄道・旅行好きを標榜しておきながら少々恥ずかしい話なのだが、今回の旅が私にとって初の稚内訪問である。
 「(通常交通機関で到達可能な)日本最北の街」という肩書きを持つ街のファーストインプレッションを、どうしても鉄道で降り立って味わいたかった……というのが、わざわざこのようなルートを選んだ理由だ。

 無論これによって、旭川(きっぷの経路的には新旭川)~稚内間の宗谷本線をそのまま往復する形になるので二度手間でもある上、気分的にも稚内から旅がスタート……という印象が薄れてしまうおそれもあった。宮脇俊三氏も著書『最長片道切符の旅』で、当時のスタート地点であった広尾ひろお線の広尾駅に向かう際に「スタートするまでは広尾線に一指も触れず」行きたかったと綴っていたが、それと同様の気持ちである。
 それでも、鉄道で辿り着きたいという気持ちの方が勝ったからそうしたのだが。

せっかくなので航空券予約時にオプションで追加した機内食のチキンカレー。
国内線で機内食を頂く機会など滅多にないので、オプションでも楽しめるのは嬉しい。


 GK801便は概ね定刻通り、11時20分に旭川空港に到着。
 旭川駅へはバスで向かうつもりだったが、乗車予定のバスが少し遅れていたことと、富良野線の列車が丁度良いタイミングで来そうだったことから、タクシーで富良野線の最寄り駅・千代ヶ丘ちよがおか駅へと向かうことにした。

 道中、運転手から「昨日は天気が荒れていて富良野線も止まっていた」という話を聞いた。この日の旭川周辺の天候は安定していたが、前日の暴風雪をもたらした低気圧はまさにこれから向かわんとしている北の方面に移動しているようだった。少々嫌な予感がする……

富良野線 千代ヶ丘駅

 千代ヶ丘駅へは11時40頃に到着。旭川空港からは10分程度、タクシー料金は1,710円だった。駅は無人駅だが、待合室ではストーブが焚かれて利用者を迎えていた。
 11時57分の普通列車で旭川駅へと向かう。

1754D
千代ヶ丘11:57発-旭川12:21着
H100形 H100-71

 厳冬期の北海道に訪れる機会などなかなかない。地元の人は辟易しているだろうが、滅多に積雪しない地域に住む者にとっては、この雪景色には弥が上にもワクワクしてしまう。

 比較はできないが、前日まで降っていたであろう大雪の影響か特に積雪量が多かったように見えた。この先の天候の不安は募るが、車窓の雪景色に浮き立つ気分と、まあ何とかなるだろう……という正常性バイアスにかき消され、当時の私はさほど深刻には考えていなかった。

旭川駅に到着

 旭川駅に到着するなり、私は早々に特急サロベツ3号の特急券を購入するため指定席券売機に向かった。
 これも何故に事前に予約しなかったのか……というツッコミを受けそうだが、基本的に私は現地できっぷ類を購入したい派なのである。きっぷには発券した駅が記載されるため、それも狙ってのことである。勿論、席が埋まりそうな場合やネット限定割引などの特典がある場合は別だが。

 しかし、券売機を操作しても目的の列車が表示されない。ふと改札上のモニターを見上げると……

暴風雪が見込まれることから、旭川13:35発 特急サロベツ3号 運休……

 嫌な予感は見事に的中した。
 しかも、次の20時06分発のサロベツ5号も運休、普通列車も途中の音威子府おといねっぷから先が終日運転見合わせとある。つまり、稚内への足が絶たれてしまった。

 スタート前からの大トラブル。さあどうなる、私の最長片道きっぷの旅……

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