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ひたむきな星屑

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人間座 第一回田畑実戯曲賞受賞作品 『ひたむきな星屑』at 人間座スタジオ 私たちは、いったいどこに向かおうとしているのだろうか? この街は、入り口でも出口でもない。 朝日… もっと読む
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#人間座

ひたむきな星屑 夏の気配

階段を上るにつれ明るさが増してくる。踊り場の大きな窓から差し込む光は白くて埃っぽい。会議室5のブラインドから差し込む光。プールの中から見た外の景色みたいだった。まだ少し水の冷たい、塩素じみた夏のはじめの匂いがする。 会議室1からは合唱が聞こえてくる。 はじめ、聖歌かと思った。 ガラスの窓をのぞくと大人がたくさんいて、口を大きく開けて高い声を出していた。 各部屋の使用団体名が書かれたホワイトボードには「合唱団」と記載があったので、きっとあれは合唱なのだと思う。 合唱の聞

ひたむきな星屑 あやこさん

あやこさんはまっすぐで青の似合う人だった。 ひたむきな星屑、ラストは、煙草をくゆらせる青子が幸せだったらいいなあと思う。

ひたむきな星屑 ロングヘアとバイク

演出家の携帯に自撮り爆弾をしかける二人。 この写真を見ていると、なぜだか子供の頃にみた両親の若かったころの写真を思い出す。 母は髪が長く、父は大きなバイクに乗っていた。

ひたむきな星屑 裏

舞台が好きだ、 いったん劇場の中に入ると私たちは劇場を出るまで劇場の外で起こっていることを知るよしもない。作るほうも観るほうも。 照明が変化するとき、ジーワと灯体が鳴るのが好き、暗転のときに、プツ……と鳴るのも。 暗転の中転換するときにどうしてもごそごそいってしまうのが好き、存在のしかたなさだなって思う。みっともなくて惨めではずかしいけどそれがいいんだねきっと(たぶん)。 舞台に誰かを送り出すとき、いつも祈る、うまくいきますように、これまでの努力が実りますようにって。た

ひたむきな星屑 小屋入り2

輪郭がある。

ひたむきな星屑 小屋入り1

人間座のまわりにはいいかんじの家が多いし、猫も多い。 小屋入り初日は天気もよくて、美術はぜんぜん終わっていなかったが、なんだか学園祭直前のような心地よさもあり、演劇、悪くないなと少しだけ思った。

ひたむきな星屑 人間座稽古2

菱井さんは、稽古のたびにお茶をいれたポットを用意してくれた。 稽古のはじまった4月のはじめはまだ寒くて、菱井さんのいれてくれた温かいお茶がとてもありがたかった。 菱井さんは、人間座での稽古だけでなくいきセンでの稽古の際にもポットにお茶を入れて持ってきてくれる。「帰りが軽くなるからたくさん飲んで」と言う。 公演の終わった5月末にはすっかり初夏の様相で、お茶も冷たいものに変わっていた。

ひたむきな星屑 人間座稽古1

ところで、「人間座」は劇団名で、「人間座スタジオ」というのがこの小屋の名称なのだが、このひた星の稽古がはじまるまで私はその事実を知らなかった。18歳のころから何度も通っていたのに! 表にはしっかりと「人間座スタジオ」と書いてあるし、看板も出ているので知らなかったわけはないのだが、すっかり「ここは人間座」と思っていたので視認できていなかったらしい。人間っててきとうなもんだな。

ひたむきな星屑 いきセン

左京東部いきいき市民活動センターは「いきセン」と略します。 全体的に緑色で、学校のにおいがする。

ひたむきな星屑 上演記録

人間座 第一回田畑実戯曲賞受賞作品『ひたむきな星屑』at 人間座スタジオ 稽古期間  2019.04.01-05.18 公演期間  2019.05.23-05.26 作  柳生二千翔(女の子には内緒|青年団) 演出  河井朗(ルサンチカ) 主催  人間座 出演  渡辺綾子、土肥希理子、諸江翔大朗、福田有司、菱井喜美子、酒井信古 スタッフ  演出助手|田中愛美、舞台美術|岩崎靖史、照明|渡辺佳奈、音響|三橋琢、映像|西純之介、衣装|加藤薫、舞台監督|長峯巧弥、制作|沢大