見出し画像

『82年生まれ、キム・ジヨン』感想

『#82年生まれキム・ジヨン 』感想。

私は韓国のドラマが好きだし、音楽も好き。『冬のソナタ』ブームから韓流ドラマにハマって、その後、『善徳女王』という歴史ドラマも寝食忘れて見ハマった。

社会現象になった『美男ですね』は、ラブコメのなかでも最高に楽しい時間をもらえて、エンタメはここまで人を幸せにするのか!と感動した。

韓国の作品は、「家庭での家事労働や家族に尽くす役割を押しつけられる女性」「貧しさのしわ寄せが女性と子どもの選択肢を奪う」「逆境から個人の人生を生き直そうとする」という要素が下地にある。(私が好きで見てる、というのもあるが)

少し前だか映画では『怪しい彼女』というが好きで、日本でも映画化したが、この物語もおばあちゃんが若い頃に貧しさなどの理由で諦めた夢を叶えなおす話をコミカルに描いていた。

『Sunny』という映画も、日本でリメイクされたが、登場するのは、5人の女性。

学生時代は、希望に満ちていた5人が、家庭を持ち社会に出たのち、ほとんど全員が不幸のどん底にいた。離婚や、専業主婦として親の介護をし、自分の名前で呼ばれることもなく夫の顔色を伺い暮らしていたり、貧しくて子どもと離れ離れに暮らしていたり、病気になったり。

希望、からは程遠い、目の前の生活と生きることで精一杯の30〜40代女性が自分の人生を取り戻していく物語だった。

悲惨な目にあってるが、コミカルに描くので街中で大喧嘩して警察につかまる破天荒なシーンもあって、その爆発力は日本人女性にはない魅力だった。

ここで描かれる韓国女性を取り巻く社会的な扱いに、私はとても惹きつけられる。そして、自分を重ねてしまう。

それは、私の家庭状況にとても似ているからだった。母親は専業主婦で、子どもは私を入れて3人。父親は飲んだくれで時々暴れるし、父の収入では足りず母親はパートしながら家事をぜんぶする。

この「母親の自己犠牲感」が、韓国のドラマや作品にもあって、幼少期の頃に抱いていた罪悪感と私が女に生まれたことを一度も嬉しいと思えなかったこと、女性に課される役割の多さにうんざりしながらも、感傷に浸れて好きなのだ。

だから、『82年生まれ.キム・ジヨン』が、韓国でも日本でもベストセラーになったのを聞いてずっと読みたかった。そして、ようやく心の準備ができたので読むことにした。

この小説は、精神科医が主人公の語った半生をもとに書いたカルテを読む形で進行する。

だから、とても淡々と事実が書かれていく。

主人公である、育児ノイローゼになった82年生まれのキム・ジヨン。ごく普通の、共働き家庭の女性だ。

彼女の人生を幼少期から辿ると、母親、祖母の人生や価値観が垣間見える。

祖母から、姉と自分は粗末に扱われてきたこと、着るものも食べるものも父と弟が、最優先。

ジヨンの母は、「母親として生きること」を選ばざるを得ない役割を担ってほとんどの人生を誰かに捧げている。

社会構造として「女は父や兄弟の犠牲になる」という差別がベースにあって、三世代にわたり伝承されているのが、よくわかる。

***

いったん、ここまで。感想がまとまらない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?