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春はすぐそこにきているから
雪国にも少しずつ春がきている。
雪解けの山肌にふきのとうの緑が見えた。
2月中旬に私は悪阻があれよあれよと酷くなり、口からは何も摂取できなくなった。
2週間入院して、病院でゆっくりすごした。
猛烈な吐き気と嘔吐。立ちくらみ。
いつか終わると思っても1日が長い。
そんな時に出産祝いを贈った友だちから連絡がきた。「最近のどう〜?」って。
すごく嬉しかった。
不妊治療についても伝えていたし、6歳も年下の私のことをよく気にかけてくれていたお姉ちゃんみたいな人だから。
"赤ちゃんは頑張っているのに、私がダメダメになってしまったよ〜。"
なんて送ると、
"そんなこと思わないで。お腹の中で育てるって本当にすごいことだと思うの。入院までしてちゃんと自分の身体を守ってえらいよ。"
そう言ってくれた。
この言葉が本当に嬉しくて涙が出た。
生きなきゃ、と強く思えた。
2週間の入院は、お医者さん、看護師さん、友だち、なにより家族に励まされてなんとか乗り越えられた。
少しずつご飯も食べられるようになって退院した。
病院からの帰り道、2mあった雪は半分くらい解け春はもうすぐだよと教えてくれていた。
悪阻も少しずつ落ち着いてきた。
あと2週間もすればスーッとこの悪阻の波はひくのだろうと思うと、前に行こうと頑張れる。
赤ちゃんも頑張っている。
私も前向きに進んでいこうと思う。
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