東教授starring石坂浩二コレクション(第1部編)
突然ですが白い巨塔2003年版の東教授の話をします。逆に言えば東教授の話しかしません。
〈第1話〉
1.お眼鏡をお外しになる東教授
こっちは見学室に入ってきた東教授がいきなりお美しすぎることに衝撃を受けているのにその余韻が抜けないうちにさりげなくそんなことをやらないでほしい。ちなみにこの余韻は最終話まで見ても抜けません。
2.「芸術」(仮)の東教授
「芸術」(仮)とは何かというと、スリーピーススーツのジャケットをオフしたワイシャツ+ベスト+スラックスの組み合わせが男の人のファッションの中で一番好きなので「何かあれに個別の名称を与えた方がいいのでは?『芸術』とか……」と考えたところから来ているこのスタイルの仮称です。私はこれをやる人のことを大好きになってしまう。室井さんとか。マジでいい。
3.葉巻を吸う東教授
原作だとヘビースモーカーである金田一耕助を煙草を吸わない金田一に変えたくらい煙草に緑のない男・石坂浩二が葉巻を吸う。またこれがとてつもなく似合ってる。
4.辱めを受ける東教授
あのレイアウトはないよなあ。総回診の時に君子さんがさりげなくその雑誌を伏せたり、佐枝子さんが本を載せて隠したりするこのささいな行動だけで東教授と財前を見る周りの人たちの微妙な遠慮や気まずさを見せる演出がニクい。しかし私は興奮しました。美人が辱められている姿は美しい(ギリギリの発言)(アウトかもしれない)
5.総回診をする東教授
出ました!白い巨塔といえばこれ!!医局員たちがずらりとエレベーター前に整列するのもエレベーターが停まるチンって音も扉が開いて出てくる東教授も全てがカッコいい。大学教授の権威の象徴。これやりたいなあ。教授にならなきゃいけないんだよなあ。そして私がなったところでこんな威厳はまず出せないであろう。
6.笑いながら威圧する東教授
薄く笑いながら「君は私の言葉を否定するのかね?」って言う東教授、コワイ。美しい。素敵。「自分の腕に酩酊してはいけない」も名言。そりゃあ財前への嫉妬心も多分に含まれてるけど、財前のその後を考えるとこれはちゃんと聞いといた方がいいお言葉だったんじゃないかな。
7.財前が気に障る東教授
「そう簡単に頭を下げられるとね、こちらの出ようがないよ」って葉巻を灰皿に強く押しつける。余裕ぶりたいけどぶれない。第1部の東教授はとにかく不安定なところが垣間見えるのですが、のっけからその不安定さが表れていて良い。声の尖り方も好き。
〈第2話〉
8.スッ……と目が死ぬ東教授
第1部の東教授は不安定なのでよく目が死ぬのですが、またそれがゾクッとするほど美しい。石坂浩二、目を死なせるのがうますぎる。あの美しい目がスッと表情を失うのは何度見ても絶品。
9.東教授inバー
東京で船尾教授と。ああいうなんというかブリティッシュパブみたいなやつ似合う。
〈第3話〉
10.角のパン屋さんのあのパンが好きな東教授
東家の朝食のシーン。ここでは「あら~東教授は角のパンが大好きなのねウフフ♡かわいい♡」って和んで見てたのに、後半でパンを持って東家を訪れた財前杏子に政子さんが「うちはもっぱら和食だからパンは食わねえよ(要約)」するのに使われたの巧みで驚いた。「お父さまの大好きな角のあのパン」というセリフがあることによって視聴者にはこれが杏子を拒絶する嘘であることがわかるようになってるんですね。まさかこんなほのぼの一コマが女の戦いの伏線になるとは。油断ならないドラマだ。あと後半東教授関係ない。
11.東教授の尾錠
尾錠(ベストの背面の腰のあたりにある調整器具)ってベストで一番セクシーなパーツではないかと思っているんですけど、そこまでがっつり映してくれます。石坂浩二の尾錠。ありがたいね。
〈第4話〉
12.死んだ目で舌打ちをする東教授
最高。東教授のグチャグチャな心ここに極まれり。仮にも医師なのにオペがアクシデントを切り抜けて思わず舌打ちをしてしまうという、財前嫌いが患者の身を案ずる気持ちを上回ってしまった彼の心の暗部を覗けるシーン。それにしてもあまりにも美しい舌打ち。芸術的だ。
13.サスペンダーの東教授
なぜか勝手にスリーピース派の人はスリーピースしか着なくてサスペンダー派の人はサスペンダーしかつけないものだと思い込んでいたので、大変動揺しました。ありがとうございます。
〈第5話〉
14.カーディガン東教授(1回目)
私は男の人のカーディガンが度を越えて好きで自分でも怖いくらいなんですけど、それをあろうことか石坂浩二がやってしまったので大変なことになってしまいました。カーディガンを着るとふわふわ可愛い。
15.正装東教授
なんですか?私が男の人に、というか石坂浩二にやってほしいファッションをコンプリートしようとしているんでしょうか?だんだんお金を払わないといけないのではという気がしてきた。払ってるけど。FODプレミアムに。
16.露骨に当てこする東教授
しかも患者さんの前で。もう財前への敵意を隠そうともしなくなってきた。記者会見の頃はまだ曲がりなりにもオブラートに包もうという意志は見られたのに。
17.急に生年月日が明かされる東教授
突然思いがけないところでキャラクターデータで最も知りたい情報が披露されてしまい思わずそのシーンを巻き戻した。1941年3月29日ね。牡羊座だ。かっわいー。バースデータロットは戦車(すぐバースデータロット調べる)。
18.なりふり構わず頭を下げる東教授
そんなことするほど財前を教授にしたくないんだな……。
〈第6話〉
19.疲れてる東教授
佐枝子さんに「お父さまは本を読む暇もないほど疲れて、神経を擦り減らしているわ」って言われる東教授。私の神経でよければ差し上げますが……。
20.「百年早い」って言う東教授
私も言われたいよ。
〈第7話〉
21.オペする東教授
外科医キャラの真骨頂。石坂ボイスで「メッツェン」って言われるの痺れる。
22.カーディガン東教授(2回目)
ほんと誰だよ石坂浩二にカーディガン着せようって言ったの。ありがとうと言っていいかな。
23.ストライプのスーツが似合う東教授
誰だよ石坂浩二にストライプを(以下同文)。しかもこのストライプがまた控えめで上品で、いかにもお育ちの良い東教授という感じ。鵜飼教授とかのストライプはもっと露骨。
24.「人のいい」って自分で言っちゃう東教授
財前がオペに助手として参加した真意を問うシーン。
25.感情が顔に出るタイプの東教授
まあ人がいいからな……。
26.ワインに仮託して財前とディスり合う東教授
皮肉と嫌味と敵意に彩られた作中屈指のカッコいいシーン。「価値のない年代物」に仮託した財前にすぐさま切り返す東教授、もはやほぼフリースタイルダンジョン。「ラベルだけの粗悪品なら一円だって払いたくはないんだよ、財前君(ニコッ」が怖すぎる。その直前の財前の「頭を下げるつもりはございません」とバックのカクテルシェイクの音もいい。
〈第8話〉
27.カーディガン東教授(3回目)
もう3回目だから慣れたと思ったか?慣れてないよ!!カーディガンで頭がいっぱいで何か教授選の大事な話をしていたのに全然聞いてなかった。カーディガンのせいだ。
28.教授選を棄権する東教授
退室してひとり廊下を歩いていく東教授が一瞬フッと笑うんですけど、それがめちゃめちゃ怖くてめちゃめちゃ美しくてめちゃめちゃ最高。そんな彼の態度に感心する大河内教授や佃。芝居だ!って言う財前。芝居だ!って言う東教授。さすが師弟。見抜いてる。ついでにあの笑みを見た視聴者も芝居だろ!って思ってる。
〈第9話〉
29.カーディガン東教授(4回目)
今回は色を変えてきたのでやられてしまいました。もちろんいつものグレーならやられないわけではありません。キャメルも似合うね……。
30.車の後部座席にいる東教授
甲斐峯秋といい石坂浩二は本当に後部座席が似合う男ですね。後部座席もこのような人に座ってもらえて後部座席冥利に尽きると思っているであろう。こういう雰囲気の人があそこに座るだけで「悪巧み」感が出るんですよね。
31.「甘いお方だ」って言われる東教授
この直後に来る最重要シーンのトリガー。また船尾教授の軽い言い方がかえって東教授の尊厳を踏みにじってて素晴らしい。余談ですが、この後中原丈雄さんがしばらく「甘いお方のお方」って呼ばれてた話ちょっと笑ってしまった。
32.植木鉢なぎ倒す東教授
東教授コレクションナンバーワンの名シーン。コートの裾がひっかかった、そんなささいなことで胸に溜めこんでいたものが一気に爆発してしまう流れが美しく哀しい。石坂浩二の凄まじさを十二分に堪能させられる。すごい人だ。「甘いお方だ」って言われた瞬間東教授のなかで何かが壊れてしまったのかな。しんどいね。必死で止めようとする佐枝子さんがまた。立ちすくむ政子さんもまた。うずくまって嗚咽する東教授が一番。なんとなくアンナ・カレーニナの不幸な家庭は~のくだりを思い出した。御髪がお乱れに……とか言ってる場合じゃない。
そしてこのシーンは原作にはありません。ミスター原作にないシーン・石坂浩二。原作にないシーンを演じさせたら右に出る者はいない。原作にあるシーンを演じさせたら右に出る者がいるということではない。
ちなみにこの後東教授の手のひらの傷が映るカットがあるのですが、そこもしんどいです。たたみかけてくる切なさ。
33.財前に自分の椅子に座られる東教授
佐枝子さんに付き添われてどうにか大学に出勤したのにすかさずまたこんなことされる!!これを植木鉢の直後に配置するのがもうね。その人さっき壊れたばっかなんだよ……傷が癒えないうちにもう一回壊そうとするのやめろよ……。しかもこれでこの回はエンディングへ。
〈第10話〉
34.ダブルのコートを着る東教授
石坂浩二はダブルのコートを着るために生まれてきた男かもしれない。
35.カーディガン東教授(5回目)
ブラウンっぽい……?
36.泣きそうになる東教授
佐枝子さんに「お父さまは教授を退官しても、たとえ医師を辞めても私たちのお父さまよ。だからどうかもう無理をせずいつまでも元気でいてほしいの」って言われてうるっときてしまうお父さま。そりゃ娘にこんなこと言われたら泣く。もらい泣きしてしまった。
37.またサスペンダーの東教授
東教授がスリーピースを着る時とサスペンダーをつける時の基準を教えてくれ。やはり気分なのか。「今日はサスペンダーだなぁ」みたいな。かわいいな……。
38.退官の日、財前に会おうとする東教授
しかし財前はその日を選んで佐々木庸平のオペを入れていたため会えませんでした。すれちがう師弟。そしてこのことが後々重大な意味を帯びてきます。東教授はもうここを去ってゆく人だけど、財前はこれからここで戦っていかなきゃいけない人だから「最後なんだし水に流して別れよう」と思った東教授の気持ちももう会いたくなかった財前の気持ちもわかる。
39.最後の総回診をする東教授
人少なくて切ない。「その功労者の最後の総回診がこれですよ」って東教授が言うから思わず私も参加しようかと思っちゃった。枯れ木も山の賑わい的な感じで。
40.花束をもらう東教授
お疲れさまでした。鵜飼教授に財前について予言めいたセリフを残して去っていくバックショットが美しい。
↓第2部編
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