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20歳の藤原恭大

[ShortNote:2020.5.6]

(2019年5月6日の藤原くん)
 
 今日は大阪桐蔭→千葉ロッテマリーンズの藤原恭大選手の誕生日です。20歳です。20歳ですよ。勝手に感慨深くなってしまう。ちなみに野球的に言うと5月6日は2005年にセ・パ交流戦が始まった日であります。


 20歳ということで藤原くんについて何か書こうと思いまして、基本的なところは↓に書いたので今回は個人的に好きな藤原くんの個人的に好きなプレーを「走・攻・守」の三部門で語りたいと思います。


走:芸術点をあげたいベースランニング(2018年・金足農業戦)

 100回大会決勝の3回裏のプレーです。本来ならシングルヒットのところをツーベースヒットにしてしまうのは彼の得意技ですが、これもそのひとつです。センターへ抜けた打球の行方を見て、一塁で止まることなく二塁まで突進してツーベースヒットにしてしまいましたが、何より感動したのはスライディングです。二塁へ滑り込んで反動で立ち上がってフィニッシュ。あまりにも美しくて笑ってしまいました。NHK版だとリプレイでスローで見られるので映像をお持ちの方は見てください。U18の時気のせいでなければ藤原くんのプレーを見て「なんで野球には芸術点がないんだろう」と呟いていた人がいたような気がしますが、彼を見ていると思わず芸術点をあげたくなります。

 もちろん外野の位置や風向きを頭に入れ一瞬打球を見るだけで「行ける」という判断を下す人間野球スーパーコンピュータ藤原恭大のすごさを示すプレーでもあります。なんでそんなにいろいろ考えられるんでしょう。野球って賢くないとできないですね。


攻:すべてが伏線のサヨナラヒット(2018年・三重戦)

 藤原くんの神がかっているところといえば「ここぞというときに打てる」ところです。それだけ行ってしまうと簡単なんですが、実際目の当たりにすると鳥肌が立ちます。それが2018年センバツ準決勝・三重戦です。

 まず先攻・三重が3回裏に2点を先制し、大阪桐蔭はなかなかたたみかけていけない中6回裏にようやく6番・山田くん(ハンサムボーイ)のソロホームランで1点を返します。しかしまたそこからバント失敗したり打ち崩せなかったりで2-1のまま9回裏1アウトまで行き、まさに絶体絶命のところで左肘を痛めていた8番・小泉くん(あばれる君に似ていると評判)がギリギリのところで起死回生の同点打を打ち、延長戦に入りました。この時点でもうすでに熱いわけですが、むしろここからが本番です。両者一歩も譲らずとうとう試合は11回裏を迎えました。ここで大阪桐蔭が0点のまま終わると12回からはこの大会から導入されたタイブレークに突入することになります。史上初のタイブレークが見えてきた11回裏2アウトランナー一塁、満を持して登場したのが4番・藤原くんです。

 ここで大事なのはこの試合ここまで彼はノーヒットだったということです。成績は三振、二飛、一ゴロ、左飛、四球です。前年の秋に右膝を痛めていたということもあるんですが、まったく本調子ではありません。そんな藤原くんがこの土壇場で初球を捉えて決勝進出を決めるサヨナラヒットにしました。なぜこんなところで打てるのかさっぱりわかりません。5打席ノーヒットだったのもこのヒットをさらに劇的に見せるための野球の神様が張った伏線だったのかもしれないと思ってしまいます。「フリ」と言ってもいいかもしれません。さすが大阪生まれ大阪育ち、フリの重要性を十分理解しています。


守:びたーんとダイビングキャッチ(2019年・横浜DeNAベイスターズ戦)

 二軍での試合です。前も言いましたが外野手というのは広いところを3人で守らなければならない大変な職業なのですが、藤原くんにはまず足の速さがあります。スピードを活かしてボールに追いついてダイビングして腕を思いっきり伸ばして掴むという絶対にボールを地面に落とさないぞという強い意思を感じさせるファインプレーでした。しかもほぼ同じことを1回裏と8回裏にやっています。1日2回ダイビングキャッチ。そしてまたダイブの仕方が「びたーん」と効果音がつきそうなぐらい勢いがいい。芝生とはいえあんなにダイブして痛くないのか素人は気になります。


番外編→顔:イケメン5第1位

 この前「走・攻・守・顔」のテーマで書いたので「顔」の好プレー(?)の話もします。2019年のイケメン5(ロッテのイケメンを選ぶ投票企画)において6,475票を集めルーキーながら第1位に輝きました。ちなみに男性からの投票でも第1位(1,067票)だったのでアベック優勝です。こういうのアベック優勝っていうのかわかりませんが。このイケメン5が発表されるスーパーレディースデーで配布されたマガジンとか限定グッズに使う写真の撮影をしてる時に同じ寮に住む先輩たちから口々にいじられまくって照れていたエピソードもよかったです。全方向からかわいがられる人ですね。


 フランスの作家ポール・ニザンの名言に「ぼくは20歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとは誰にも言わせまい」というのがありますが、何よりも藤原くんに似合う言葉だと思います。これまでも美しかったし、これからも美しいでしょう。しっかりと目標を持って努力を続けその都度成し遂げてきた藤原くんならきっと選手としても人としても素晴らしい20代になれると思います。とりあえず今は一刻も早く藤原くんに野球の試合をやってほしいですね!


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