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室井さんの万年筆を買う

[ShortNote:2021.2.28]

 室井さんって万年筆愛用してそうじゃないですか。そういうことで直近の目標のひとつだった「室井さん(が使っていそうな感じ)の万年筆を買う」を達成したのでお知らせします。


 セーラー万年筆のプロフィット21・ブラック。27,500円(税込)。


 こちらは日本橋高島屋5階の万年筆売り場で、ntさん(@enu_tea)という方に見ていただいて購入したんですが、いきなり「踊る大捜査線の室井さんみたいな万年筆はどれですか!」と豪速球を投げてしまったのに考えてご提案くださいました。ありがとうございます。そういうアプローチでのモノの選び方に慣れてらっしゃるのかなと思いましたので……。でも「室井さんはこういうイメージ」と事細かに伝えられるほど固めておいていた私の功績も若干あると思う。

 まずは外観。色は黒一択。室井さんのテーマカラーは黒。そして形は平ら+錨マーク入りのものより丸く尖ったものの方がよりクラシカルでスタンダードということだったのでこちら。室井さん=クラシカル、歴史ある王道が好きそう。王道の良さをわかっている男。

 次に大きさ。最初に出してもらったものが標準サイズで、この1サイズ下は細くてなんとなく女性に合う気がしました。私の万年筆ならこっちを選ぶかもしれない。1サイズ上は出てきた瞬間「デカっ」て言ってしまうくらい大きくて太かった。条約に調印する時とかに使うものだと思います。これはちょっと仰々しい感じがしました。室井さんはあくまでも機能性・実用性を第一に考えて何もかも選びそうであり、そこにステータスの高さを示す高級さがついてきてるというイメージなので、やはり普段使いしやすいスタンダードサイズ。

 続いて機能面。字幅は中字(M)。ここもスタンダードサイズ。そして室井の「M」でもあります。ペン先は21金。銀も見せてもらいましたが金の方が重厚で伝統的な印象が強かったです。

 コンバーターも金。隠れて見えないところなので何色でもいいということでしたが、室井さんは見えないところにも気を使う人なのでペン先と統一して金ということになりました。金だと+300円なんですけど(他の色は500円)、やはりこういうところにもこだわりそう。めちゃくちゃさりげなく見えないのにチェックの靴下履いてる人だし。じゃあ見えないところで色で遊んでもよかったのかもしれませんが、これは学生時代の室井さんが出会った運命の1本(後述)という設定なのでまだそんな遊ぶとかいう大人の余裕はないはず。そういう室井くんのために800円出しました。


 そしてこれがないと何も書けない重要アイテム・インク。セーラー・四季織の「霜夜」。まず「霜夜」って名前が室井さん。霜がおりるほど冷たい真冬の孤独な夜が似合う男。色味も室井さん。ちょっとグレーの混じった黒という雰囲気でしょうか。

 「室井さんみたいなもの」と「室井さんが使ってそうなもの」は微妙に違うと思うんですよ。そこを踏まえて考えたコンセプトは「東北大学在学中、大学の近くにある老舗の文房具店の埃をかぶったショーケースにひっそりと置かれていたのに珍しく一目惚れをし、勉強用の本と学用品ぐらいにしかお金を使わなかった室井くんがバイトでお金貯めて『負けてあげようか?』という店主の申し出にも『この価格で買いたいので』と頑として譲らず購入し、その後長年にわたり愛用している運命の1本」です。容疑者で提出した辞表もこれで書いてるかもしれないような大事なもの。人生で初めての万年筆。初恋の人みたいな位置づけ。室井さんなら入学祝いに1本既に贈られてそうだとも思いますが、初めて自分の意思で選んだものということで。

 価格も重要で、1万円以下だと万年筆の中ではお手頃な印象があるし、10万円クラスだと豪華すぎる。学生がちょっと背伸びして手が届くぐらいの価格帯。これで扱いを覚えて、大人になってから5万~クラスのものに手を出すようなイメージ。


(似合う)


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