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打った村上くんと、打たれた大野と
(ヘッダーは奇跡的にタイミングが合ったドアラ先生のバク宙)
天気予報って野球を観に行く日ぐらいしか見ないな······とふと思った。そんなことではダメだと思うのだが、いつもは全然見ないくせにこの時だけはピンポイント天気も雨雲レーダーも1時間おきくらいに見てしまう。私は完全に大野を見に行く気満々だったが、いくら私がやる気満々でも東京ヤクルトスワローズがあー今日は無理ですね、中止!とか言ったらもうおしまいなため、せめて野球ができる程度の雨でありますように……!あと雷はやめて……!と祈りを捧げながら予報をチラ見していた。
祈りが通じたのか雨も止んでよかったなあと思いながら電車に乗って、新橋あたりで突然「大野のことはもちろん応援してるし勝ってほしいけど、それはそれとして村上くんが大野から50号打ったら美しくない?」と思った。誰から打っても50号は50号だけれどもやっぱりメモリアルアーチはエースから打ってほしい。
その場面は3回裏にやってきた。
ランナー1、3塁なのでホームランが出ると3点失うことになり、中日打線がこの後4点取り返せるかというと……あの……何というか……なので本当なら打たれてはまずい場面なのだが、それでも私はなぜか「ここで打つ」ということを決定事項のように考えていた。ここでも書いたがそうそう都合よく打てるものではないホームランを都合よく打てるのが村上宗隆である。都合のいい男である(語弊)。
打った村上くんを撮るべきか打たれた大野を撮るべきか直前までものすごく悩んだ(打たれる前提) pic.twitter.com/0k1GEXncmm
— Mayim (@Mayim_sas) September 2, 2022
ここで私は村上くんを撮るべきか、大野を撮るべきかで直前までものすごく悩んだ。残った写真は大野だった。ということはたぶん打たれた大野を選択したのであろう。もう何も覚えていない。日本人最年少50号を賭けたエースと四番の対決、あの時のことをライブ感を保ったまま記憶しておくのは難しい。確かにあの瞬間の神宮にはあの瞬間にしかない空気が流れていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1662202467333-L5ISzBo2Rb.jpg?width=1200)
スタンドがどよめいて、村上くんがダイヤモンドを一周して、ベンチでいつものあれをやって、そんな特別な雰囲気のなか「逃げてもしゃあない」と言いつつ逃げなかった大野はマウンドに変わらず立ち続けた。確かに彼の勝利はこれで限りなく遠のいたし、まだ3回裏なのになんかもう私ですら試合が終わったかのような気持ちになっていたが、大野はまったくもってしぼんでいなかった。全員の視線が村上くんに向いているような球場の中で、そんな大野の姿にグッと来てちょっと泣きそうになった。
ホームランを50本も打ってしまうようなバッターがいるチームで投げているわけではない。自分で自分を援護できるわけでもない(後ろから「大野が打ったの見たことない」みたいなお声が聞こえてきましたが打ったから!開幕戦で!2本も!)(めんどくさいファン)。それでも大野を強いチームのエースにしてやりたいという何目線なのかわからない思いが帰りの電車で溢れてきて止まらなくなった。それは移籍してほしいとかいうことではまったくなく、大野が愛するドラゴンズが強いチームになってほしいということでしかない。来年、がんばろうなドラゴンズ……!(また何目線なのかわからない)
そういえばもう9月が始まっている。大野の誕生月。誕生月なのに負けたらいかん……いやそんな決まりはないんだけども……。
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