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やっぱりダークライが好き

 ダークライのことがずっと好きだ。もう15年くらい一番好きなポケモンの座に君臨し続けている。そしてその座から降りる気配がない。


 まずキャラデザが良い。黒衣を纏ったような姿はいかにもあくタイプらしく、黒と灰色がかった白と赤というカラーリングも完璧。しかし地味に一番好きなのは目が青いところだったりする。知性しか感じられない。あの目でじっと見つめられてみたい。私の目フェチの源流はここかもしれない。

 そしてスタイルも恐ろしく良い。ポケモン界でもサーナイトとタメを張れるクラスのモデル体型だと固く信じている。普段はしまっているが、実は脚もある。しかも美脚極まりない。腰も細い。まぶしい。


 ポケモンとしての力も強く、とくせい「ナイトメア」で近くにいる人やポケモンに恐ろしい悪夢を見せる能力を持つ。これは防御のために発動するものであるらしく、ダークライ自身に悪意はない。プラチナ、BW、BW2の図鑑の説明文「じぶんを まもるために まわりの ひとや ポケモンに あくむをみせるが ダークライに わるぎは ないのだ。」がなんだかかわいい。あんなに悪っぽい見た目をしておいて「悪気はない」って言われるとないのかよ……じゃあ責められないよな……となってしまう。しかし悪意がないのがかえってつらいところで、悪夢を見せて苦しめてしまうことを望んでいないダークライは自ら誰とも関わり合わず孤独に過ごすことを選んでいるようである。この切なさも良い。幸せにしたくなる。


 このような見た目も能力ももちろん好きなのだが、やっぱり彼(一応性別は「ふめい」なのだが私は♂だと思っている)がここまで不動のナンバーワンになっているのはどう考えても映画のせいであろう。劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パールディアルガVSパルキアVSダークライ(2007)である。

 その見た目と性質から悪役とされることの多いダークライだが、この映画での彼は公園を荒らした犯人だという濡れ衣を着せられているだけで、本当はディアルガから逃げてきたパルキアが街に侵入したことにただひとり気づき、ナイトメアを通じてみんなに警告しようとしていただけの不器用ないいやつである。街を守ろうとしているのに人間からもポケモンからも理解されず、それどころか自分ではどうしようもない悪夢を見せる特性のせいで誤解され、疎まれ、攻撃されてしまう。100点満点中100万点をつけざるを得ない。私はこういう「みんなから誤解されてるけど本当は悪いやつじゃない」キャラがこの上なく好き。「やめて! この子はそんな子じゃないんです! やめて!!」と私の特性「心の中の始ちゃんママ」が発動してしまう。始ちゃんは誤解じゃなく本当に副総監誘拐事件の犯人だったが。

 さらにそんな誤解のせいで孤立しているキャラにただひとり理解を示してくれる存在がいるとプラス100万点なのだが、ダークライにもちゃんといる。本作のゲストヒロイン・アリスの祖母アリシアである。少女時代のアリシアは庭園で傷ついたダークライに出会い、優しく介抱し、疎外されていた彼の心を開いた。その様子を庭園と街のシンボル・時空の塔の設計者ゴーディが日記に書き残していたことがダークライへの誤解を解くきっかけになったのだ。ありがとうゴーディ。


 ダークライはかなり強い。トレーナーのポケモンたちとの戦闘では1対複数でやすやすと無双している。スピードもあるし影になって攻撃を避けられるし総攻撃を食らってもほぼノーダメージだし、ダークホールは無敵だし、スキがない。惚れる。走攻守三拍子揃ったという感じである。これはもう実質藤原恭大(?)。しかしそんなダークライでもさすがに神であるディアルガとパルキアの前に出るとどうしても劣勢感は否めない。相手にしているディアルガの体長は5.4m、パルキアは4.2mもあるのに、こっちはなんといっても1.5mしかないのだ。私と同じくらいしかない。そう考えるとかわいい。いやそういうことではない。それにダークライはアリスたちに被害が及ばないようガードしながら戦わなければならないので(落ちてくるディアルガ&パルキアからアリスを守るダークライのフレームイン、映画史上最もカッコいいカットに認定した方がいい)、その点でも街が壊れようが何しようが意に介さないディアルガ&パルキアよりハンデが大きい。大きさでも力でもカバーしなければならない範囲でも圧倒的不利なのに彼は争いを止めに行くのだ。それは自分がここにいることを肯定してくれたアリシアと、その記憶と結びついた庭園を守るために他ならない。イケメンすぎない?


 彼は自分の身を挺してディアルガとパルキアの衝突を抑え込む。サトシたちはその命がけの抵抗のおかげで塔の最上階へ行き、神々の怒りを鎮める曲「オラシオン」を流す時間を稼ぐことができた。そして神々が帰っていき、街が元通りになった後、彼は堂々たる帰還を果たす。登場シーンはいかにも強悪役のお出ましといったダークで妖しいものだったが、このラストのカムバックシーンはまさにヒーローの帰還そのものである。悪役っぽいダークライも、ヒーローなダークライも一度で両方楽しめる。そんな場面で流れるダークライのテーマも闇属性らしくてカッコいい。とどめに中の人があの石坂浩二さんである。私の石坂浩二はここから。金田一耕助ではない。ダークライはわりとボロボロになるシーンが多めなので(そこもポイント高い)、その時の息づかいなんかもう、たまらないものがある。なんだってこんなに好きポイントが大集合しているのか。ここまでくるともはや結婚してくださいとしか言いようがない。


 私はこの映画をまずTSUTAYAで5回くらいレンタルしたところで「これもう買った方が早いな」と考えてDVDを買い、それを10周くらいして、こないだ久々にアマプラで観た。なんだか観るたびに心のより深いところまで刺さっていくような気がする。踊る大捜査線と同じ。そういえばどっちも東宝配給だ。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08QCNJ541/ref=atv_dp_share_cu_r


 ダークライは幻のポケモンなので、通常プレイでは入手できない。映画の特典の他にもこれまで何度か配布されたことはあるが、対象となるソフトをやっていなかったりしてなんだかんだこんなに好きなのに今まで一度も自分のダークライを所有したことはない。ただ、一度だけ友達に借りてしばらく一緒に冒険したことはある。「なんだ借り物かよ」と言ってはいけない。サッカーでよく「レンタル移籍」というものがあるだろう。あれと一緒だ。

 その時のソフトはソウルシルバーだったが、この作品にはある特徴がある。手持ちの先頭のポケモンが自分の後をついて歩いてくれるのだ。後ろを振り返って話しかけると、なつき度に応じていろんな反応を返してくれる。なつき度がMAXだといきなり抱きついてくることもある。

 私はダークライを連れ回しまくっていたためあっという間になつき度がカンストした。私はドキドキしながらダークライに話しかけた。

 

 ダークライが抱きついてきた。


 脳が沸騰した。何? 何だこれは? こんなことがあっていいのだろうか? これはつまり結婚してくれるということなのでしょうか?(?)

 束の間のことだったが、憧れのダークライと一緒に歩き回れた上になついてもらえたのは幸せだった。あのダークライは今でも友達のカセットの中で元気にしているだろうか。


 
 データのダークライはハードルが高くても、現実世界でぬいぐるみを買えば私はダークライを所持していることになるはずだと思った。が、Amazonで検索したら1万円ぐらいしたため、ダイパリメイクが出て第4世代がフォーカスされれば普通に新しいのが出るだろうからそれまで我慢しよう、と待った。

 そして去年、ついに私はダークライのぬいぐるみを手に入れた。

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(なんか後ろにめっちゃしろたんがいますが気にしないで下さい)

 わかってたけどあまりにもかわいい。モフモフ。オンラインで買ったのだが、まず届いた時箱に収まってる状態がかわいすぎて箱に入れたまま3日間ぐらい眺めた。何より、「ダークライを自分のものにする」という宿願を叶えた達成感が大きかった。十何年越しの夢を叶えるってこんな気分なのか……と思いながらひたすらモフモフした。かわいい(3回目)。

 それからダークライがラインナップにいるラバストのガチャガチャを見つけてしまい、トレーナー同士が目を合わせたらバトルが始まるのと同様ガチャガチャと目が合ってしまったらもうやるしかねえと思ってしまい、意を決して回したら3回目で出た。やっぱり結婚してくれるということか?(曲解)

  しかしそれよりもこの前にガブリアスが2連続で出たことの方が気になる。次はガブリアスを追えということなのだろうか?

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(対戦ありがとうございました)

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